第20話「一度あることは二度ある」
第20話「一度あることは二度ある」
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「見知らぬ天井だ」
なんて、言ってみたかっただけだったり。
大型魔法をぶっ放して魔力欠乏を起こし倒れるという既視感のあるイベントを起こしたボクは現在保健室にいるらしい。薬品類の清潔な匂いが鼻をつく。
のそのそと体を起こそうとするも起きない、起きられない。うーん、レールガンの時の頭ががんがんするような痛みはないけれどやっぱり体への負担は大きかったらしい。
転がるくらいは出来たので壁にかかっているカレンダーを見ると三日ほど経っていた。前より寝込んだ日数が減ったのは成長だよね、うん。
とりとめのないことをぼーっと考えてるうちに疲れたからもう一度眠ろうとしてシーツを深く被ったらちょうど後ろでがらがらと戸が開く音が聞こえた。
「……」
ぺたぺたと音を鳴らして歩いてきた人はボクの真後ろで止まる。ボクに用事があるんだろうか。
「……早く起きてよ、バカ」
この聞き覚えのある、凛とした声はリンネか。やっぱり心配をかけてしまったらしく、筋の通った声の中には弱々しいものが含まれているのは気のせいではないはず。
そんなしんみりしたリンネにちょっとしたいたずら心が湧いたボクは寝返りをうつふりをしてリンネの方へ振り向く。リンネがボクの顔を悲痛な面持ちで覗き込んでくるので、程なく近づいたところで、ばあっ! と驚かしてみる。
「ひゃあああああぁぁぁぁっ!?」
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今、ボクはほっぺたに紅葉を浮かべて友達と先生方に囲まれている。あの後驚いたリンネのビンタをうけ、ベッドから転がり落ちて蹲ってたら先生方とか、ゲルドやらを呼んできて、取り調べ的な質問を受けて今に至る。
結界を見事に撃ち抜いてしまったため、せっかく考えた粒子砲(仮)も準禁術指定されてしまうことになってしまった。……なんか撃った端から準禁になってる気がする。
とはいえ、これを自由試験のために使うことについては許可を得た。元々、「試験で使えるものが無い? ならば創ってしまえばよかろう!」という考えでエキサイトした結果生まれた魔法なので肝心の試験で使えないのはまずいこと、もしこれが通らなかったらボクはあとわずか数日で新しい魔法を組み上げないといけなくなることを猛プッシュして説得した結果先生方も今回限りで許してくれた。
ただし!魔力欠乏を起こして倒れたことには厳重注意を受けることになった。あまりこういったことが続くと保健室を占領してしまって他の学生が使用できなくなるっていうのはもちろん、その間ボクは当然ながら授業を受けられないので、授業をずっと受けていないと試験の受験資格を剥奪されてしまうことがあるらしい。今度から気をつけないと……(小声)
目が覚めたのが昼過ぎというのもあって、先生方が去っていったのは夕方にさしかかる頃だった。その後は普通のお見舞いタイムだ。
ボクが起きたことでリンネが慌てて先生を呼びにいったため、ゲルド達は先生達が話している間もボクに話しかけられずにいたので、その分さっきから「体は大丈夫か」とか「何か食べたいものある」とか、いろいろと話しかけてくれていた。ボクはリンネが綺麗に剥いてくれたナシをしゃっくしゃっくと齧りながら適当に返事をしていく。
ただ、今日はおどろいたな。何におどろいたかって?お見舞いメンバーの中にバルジがいたんだよ、そりゃおどろくよ。騎士を目指して進んだから入学以降ずっとあってなかったのに、まさかこんな形で顔をつきあわせることになるとは微塵も思ってなかったんだよね。
結構ぽっちゃりしてた体型がしゅっと引き締まってたから最初は先生の一人だと思ってて、バルジだってリンネが言ったのに対して「またまた、冗談はやめてよ〜」とか軽く返しちゃったくらいバルジは変わってた。
当の本人は変わらないゆったりした口調で「学園の結界を撃ち抜いたんだって?すごいなぁ〜」とボクを褒めていたけど。
その後もボクたちは雑談を続けて暗くなったあたりでリンネ達見舞い組は帰っていってボク一人保健室に残る形になった。まだ安静にしていないといけないとのことで、明日いっぱいまでは保健室暮らしだ。
ベッドの上でシーツに包まりもそもそとしているとしばらくして保健室の先生が夕食を持ってきてくれた。パスタおいしい。




