デイケアの昼食の時間
僕は昼ご飯を食べています。メニューのメインはお魚です。みりん焼きです。小鉢にスパゲッティサラダときゅうりの和物です。牛乳とデザートに桃のアイスもついています。今はデイケアの昼食の時間です。給食が配られています。
僕は統合失調症の治療の為にデイケアに通院しています。今日のデイケアの参加者は10名未満です。デイケアルームに居る患者さんはまばらで職員が僕達の食べる所を見守っているのだけれど患者さんから珍しく大きな声があがります。
「そんな所に立ってじっとこっちを見てるけどおかしんじゃないの」と激しい叱責です。僕も大きな声に驚いたが黙って食事をとります。
女性職員が間に入り皆さんの顔色や食事姿を見ていますからと再度僕達に確認する。僕も高齢者が食事の飲み込みが悪くて誤嚥することがあるから注意しようと思いました。
「まだ若いから誤嚥することもないよ。それよりも目の前でじっとされていることの方が気になる」と強い口調は変わらない・・・。
まさみは小説の冒頭を読み終えると「面白いですね」と航に微笑んだ。
「この小説は航さんの経験からくる本当の話なんですか」
「いいえ違います。僕は福祉の仕事をしているのでこの業界に詳しいですけど本当の話ではありません」
「私も物書きですけど航さんの小説は信頼できますね」
「今度僕もまさみさんの文章を読んでみたいので紹介して下さいね」
「良いですよ。近いうちに」とまさみは答えた。
まさみは航の小説に一目惚れしていました。
まさみも仕事で広告用の記事を書きます。AI世界の専門家です。AIはプログラムです。日本は近い将来に産業空間、情報空間、宇宙空間で物語が進行するはずです。日本企業が集客を期待しているのがAI世界の時間軸なのです。
まさみは航が私の書く文章を読んでどう想うか想像したら緊張や不安が襲ってきます。まさみはライブドアという会社で広告用の記事を執筆しながらタレント活動もしているのです。専属のディレクターもついています。
航の作品を読みながらプログラムの様な文章を書く自分が人間の心に強い信頼を寄せていることに最近気づき始めています。航も私の記事を読みたいと言っていたのでコミケで購入した航の小説に記載している連絡先のアドレスに圧縮したwordのデータをメールで送信します。少し緊張しました。まさみは航の感想が聞きたくてしょうがなかったのです。
航の小説は昼食後の午後のプログラムは13時25分から開始されます。午後のプログラムは運営ミーティングです。今月の役割分担を決めます。
僕は「ミーティング後に昼食の時に患者さんが揉めたことを倫理テーマとして取り上げたらどうか」と提案した。
倫理委員はデイケアの生活の中で改善したいテーマを話し合います。
僕も職員にみられながらの食事が苦手な人がいることを知っていたのでデイケアを利用する患者さんの気になるテーマだと思いました。と続く。
まさみはデイケアの師長が上手く職員と患者さんの間を橋渡しする所が好きだった。
まさみの抱いている人間の心への共感に違いなかったからです。まさみは航の個人的な才能に強い信頼を覚えていました。




