第12話 クロンの戸惑い
お久しぶりです。
「・・・・・ん・・・・・」
ワタシは、ゆっくりと目を開けた。窓から茜色の日差しが照り、眩しさで目を顰めた。どうやらワタシは、ベットのなかで寝ていたらしい。そして、一時はウトウトしていたけど、夢の事を思い出して、咄嗟に上体を起こした。起こした時に、痛みが走る。その痛みが、ワタシに起きた全てを思い出させてくれた。
「・・・・・結局、アレは何だったのかしら?・・・・」
一人でそっと呟いた言葉は、風に流れたように儚かった。そして、それが妙に怖かった。結局のところ、いつもワタシは、一人なんだ。ここ最近はいつもあっくんが居てくれたから、こんな気持ちになるのはとても久しぶり。あっくんが居る事を当たり前のように思っては駄目。だって、ワタシは――――
「・・・・ワタシは、化け物なんだもの・・・・」
そう言って、膝を抱えようとして時に、ゴトッと何かの音が聞こえた。
音が聞こえた方に、目を遣ると、ベットの端で顔を俯かせて寝ているあっくんが居た。
「~~~~~~~~ッ!!」
驚いて、体をあっくんから、距離を置いた。どうしてかは分からない。けど、何でだろう?顔が・・・・顔が、熱いよ・・・・。
今、ワタシの中には、何も無いのに・・・・。化け物なのに・・・・人間じゃないのに・・・・人間みたいに・・・・・
切なくて、苦しいよ・・・・
そして、ワタシはだんだん居た溜まれ無くなって、あっくんを起こさないようにして、部屋から向けだした。
「・・・・・お・・・・・て・・・・」
・・・誰だよ?さっきから俺に声を掛けているのは。もう少し寝かせてくれって。大体、俺はクロンの看病をだな・・・・ クロンの看病? そういえば・・・・・
「クロンッッッ!!!」
「うわっ!?」
俺は眠りから覚醒した。やれやれ。俺としたことが、クロンを看病してるときに寝るとは・・・
「・・・あの、夕方ですけど、おはようございます。」
「・・・アレ? ソフィア? どうしたんだ?お前、二人も居たっけ?」
「寝ぼけないでください! それより大変なんです!」
「?」
「クロンさんが、居なくなりました!」
「おいおい、またそんな冗談を~。だってクロンなら此処に―――――」
そう言って、ベットに目をやると、ソフィアの言ったとおりクロンは居なかった。
「ッ!!」
「だから、言ったじゃな―――――」
「クロンッ!」
俺は、クロンを探しに、部屋を飛び出した。
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