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サイバーパンク2022-小説の中の噛ませ犬に転生したので、原作知識使って無双してみる-  作者: 東山ルイ
シーズン2 The Hitman 汚職警官をぶちのめせ!!

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〝本来〟の主人公アスター

「が、はァ……!!」


 同時に断末魔を叫び、ふたりの男が倒れる。

 ウィング・シティ第3警察署署長アラビカVS最重要指名手配犯カルエ・キャベンディッシュ。

 勝者、カルエ。


「カルエ!! しっかりして!!」


 ルキアはカルエを揺さぶる。バチバチッ、と彼の身体は帯電していて、目には覇気がない。いまにも死んでしまいそうな状態である。


「はあ、はあ……。カルエはどうなった?」


 胸の激痛に悶えるマルガレーテは、胸元を手で抑えながらカルエたちのもとへ向かっていく。そして、彼女の顔は真っ青になった。


「おい……、ソイツ、死ぬぞ?」

「え……っ」

「早くあたしの囲ってる病院へ連れて行こう。もう一秒すら惜しい」


 カルエを受け入れるまともな病院などない。ここはマルガレーテの言うように、闇医者でもなんでもすがるべきだ。

 と、思っていたら、


「ボス。火の粉が飛ばなくなったが、カルエは無事なのか?」


 テレポートのギアを持つ、マルガレーテの右腕ジーターが現れた。彼は両手に眠りこけているカリナを抱えていて、カルエを見た途端すべてを理解したらしい。


「とりあえず、テレポートだ。まさかこんなガキがアラビカに勝つとは」


 仰向けに倒れ、焦点が溶けているかのように合わないカルエの身体に触れ、ジーターとカルエは消えていった。


「まあ……、共倒れかもな」


 そう言い残したのを、ルキアは聞き逃さなかった。


「とにかく、もうここは安全じゃねえ。カルエのことを思うのは良いが、オマエまで死んだら意味ねえぞ? ルキア」

「……、カルエは死なないわ」

「知ってるさ。あのアラビカに勝った男が、そう簡単に死んでたまるか」


 焼死体になっていくアラビカを眼中にも入れず、ふたりの無法者は警察署から去っていく。


 *


「汚職警官がやられた?」


 赤髪の少年は、怪訝そうな表情だった。

 実のところ、アラビカを襲撃しようと画策していた者はカルエだけではない。彼は恨みを買いすぎているので、一矢報いるために汚職警官へ挑もうとする馬鹿は絶えない。

 が、この少年は一矢報いるどころか、アラビカを倒そうと思っていた。


「ええ、犯人は最近MWFに指定された無法者カルエ・キャベンディッシュよ」


 傍らには少女もいる。長い髪でアルビノの少女だ。


「根性あるな。こりゃ、おれも負けてられないぜ」

「勝ち負けの問題じゃないでしょ。肝心なのは、貴方の目指すウィング・シティに一歩近づいたこと」

「いやぁ……」


 赤髪の少年は、ニヤリと笑う。


「男だったら強ェのに憧れるモンさ。いつか手合わせ願いたいね、カルエ・キャベンディッシュ」


 赤髪の少年。いまはまだ名前をあげているとは言えない存在。それでも、近々最重要指名手配犯に指定されるであろう存在。そして、ウィング・シティを変革する者。

 そんな本来の主人公アスターの態度は、本来のヒロイン、ベルファを呆れさせるだけだった。


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