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サイバーパンク2022-小説の中の噛ませ犬に転生したので、原作知識使って無双してみる-  作者: 東山ルイ
シーズン2 The Hitman 汚職警官をぶちのめせ!!

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助太刀へ

 炎が舞い散る現場で、カルエとアラビカの根比べが始まった。先に倒れたほうが負け、というゲームである。


 そんな中、カルエの相棒ルキアは危険を察知していた。


「駄目よ……カルエ、あんなのと根気勝負なんて」


 ルキアのシックス・センスは、ふたりの勝負の顛末をも予知していた。シックス・センスはいわば直感。それが導いた疑似的な未来とは、カルエが死亡する姿であった。


「私たち、まだこの街の頂点に立ってないじゃない。カルエ……!!」


 すでに警察署の外に出ていたルキアは、手元にある拳銃を見つめる。

 この道具でなにができる? 相手はランクAAAの化け物。対してルキアはランクC。天と地の差が開いているのに。

 だから、ルキアはハンドガンを握りしめたまま、なにもできない。このままカルエのもとへ向かっても、犬死にだからだ。

 その最中、


「おう。カルエの仲間か」


 凄まじい速度で現れた車が停車し、中から女帝のようなオーラをまといながら、彼女は現れる。


「マルガレーテ……」


 この街の最重要指名手配犯、MWFにしてランクAAAの女、マルガレーテだ。

 オレンジを基調とし様々な色の入った長い髪の毛、整った顔立ち、抜群のスタイル。

 そんなマルガレーテは、


「カルエはどうした? アイツ、まさかサシでアラビカとやり合ってるのか?」

「ええ……」

「よし、助太刀に行こう。正直、サシでアイツに勝てるヤツは少ねえ。あたしでも勝てるって保証できないほどだ。ただまあ──」


 煙炎(えんえん)が差し迫る中、マルガレーテは地獄の形相を見せる警察署へ足を進めていく。


「アイツがだいぶ削ってくれた。なら、暗黒街の女帝が出向かないわけにはいかないよな?」


 バキバキと指を鳴らしながら、マルガレーテは咳き込むことすらなく、煙と炎が一面をおおうところを一歩ずつ進む。


「待って」

「なんだ?」


 その足を止めたのは、ルキアだった。


「私も連れてって」

「あぁ? もう下がってろよ。この煙と炎の中じゃ、中毒か焼け死ぬだけだぞ?」

「良いから!」


 ルキアの強い語気に、マルガレーテはなにか納得したかのように頷き、


「上等だ。そこまで覚悟があるなら、あたしのギアの傘に入れ。炎や煙でのダメージを無効化できるからな」

「分かったわ……!!」


 マルガレーテとルキアは、火災が消えない第3警察署へ入っていく。


 *


「ぜえ、ぜえ……」

「……ッ!!」


 改造してあるパーツがけたたましいエラー音を吐き出している。が、アラビカはそんなこと気にも留めない。


「このおれ相手に根比べか……!? てめェ、舐めるのもたいがいにしろよ!!」


 すでにカルエは虫の息。酸素を求めて息を吸い込む。無駄だと知りながら。案の定、カルエはゲホゲホと咳き込み、のたうち回る。


「オマエは天井に穴が空いてる上に、おれがこれ以上炎を起こせないと踏んだんだろうな。それで酸素欠乏になることはないと。だが、おれにはまだ余力があった。オマエにはなかった。それだけで済む話だよなぁ……!!」


 アラビカは、手から出ていた炎を消した。

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