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僕は悪魔の子  作者: 長月よる
15/15

成人の儀

 トリエントの王女シルフィーは、この日ついに成人の儀へと挑む。後方にはたくさんの歓声が木霊し、その誰もが笑顔を浮かべている。

 しかし、隣に立つ彼女はとても嫌そうな顔をしており、微笑む母に視線を送って憂鬱そうに項垂れる。微笑む女王の傍らに控えるエルフたちはピリピリとした緊張感を漂わせ、そのうちの一人はレージを睨みつけていた。


「女王」

「何ですか?」


 透けるほどに薄いマントを羽織るそのエルフは、レージを睨みつけながら女王に進言する。


「あの人間に任せてよろしいのでしょうか。本来、その任は私が仰せつかったはず。私なら完璧にシルフィー様を護り抜いてみせます」


 そのエルフは強い口調で苛立ちを露わに、マーリナを説得しようとする。そしてレージへの視線をさらに強くした。


 どうやら彼――ペトラがシルフィーの本来の護衛役だったようで、仕事を横取りするような形になってしまったのだそうだ。とは言え、これはこの国の主が決めたことであり、彼は命令に従わざるを得なかった。だから最後まで納得していないのだろう。

 だが、何と言おうと結果が変わることはない。だからこそ、彼はレージを恨みがましく睨みつける。


「貴女も身を以って理解しているでしょう? レージ殿以上の適任は居りません。さあ、出発の時です!」


 相手にされないペトラは顔を顰め、拳を強く握りしめた。マーリナも気づいている様子だったが、構わずにシルフィーとレージへ出立を催促する。

 いよいよとなったシルフィーだったが、緊張でカチコチに身体が固まっていて、なかなか一歩が進まない様子だった。


「行こうか」

「は、はいぃぃ……」


 レージが先導して前を歩き、固まっていたシルフィーは慌ててレージを追いかけた。思わず彼女の重かった一歩が二歩三歩になり、萎縮しながらも街の外へと歩みを進める。


「頼みましたよ……」


 マーリナの癒部焼くような言葉が聞き取れた。彼女も自身の娘を危険な場所へ送り届けることに不安があるのだろう。

 レージの心には言い知れぬ不安が広がり、いやな考えが浮かんでは否定して心を落ち着ける。しかし一方で、充実した感覚がレージの心を明るく照らす。

 震える手は歓喜か恐怖か。もやもやとした自身の心に答えは出せない。

 祝賦するかのように森を照らす太陽と、それによって生まれるくらい木陰。闇を這うものを意識し、気を引き締め直して先へと進む。










 

 シルフィーの案内に従い、道なき道を進み続ける。エルフたちは木々を伝っての移動が一般的なようで、慣れないレージは非常に遅い。


「だ、大丈夫……?」

「おう……大丈夫」


 先行するシルフィーの後を追って何とか付いて行くレージだが、これではもはや護衛の役を成していない。レージは常に探知の魔法を使っているが、目の良いエルフの護衛にはあまり役立っていない。死角をカバーできるという点では有用だが、素早く移動し続ける分には必要がない。


 移動するだけで精一杯のレージだが、不意に探知が遮られる感覚を覚えた。それはまるで、分厚い壁に魔法がぶつかったようだった。或いは――


「あの、ここ……」


 シルフィーが木から降りたため、レージも彼女の隣に下りる。そこは、木々のない開けた空間だった。背の低い草花が生え、陽光が木々に遮られることなく降り注ぐ。何でもないような場所だが、目の前で探知が遮られ続ける異様な場所だった。

 そんな場所にレージは心当たりがあった。


「結界?」

「は、い。魔法で。その……龍を隠してるの」


 未だに恥ずかしそうにしているシルフィーは、レージの言葉に俯き気味に答える。それを聞いて、レージは目の前のモノに意識を集中する。


 レージ自身も詳しいわけではないが、結界を張ることで様々なモノを遮る事ができる。景色、音、匂い、そして物や魔法など、あらゆるモノを阻害し、隔離する。ただこの結界の特殊な点は、結界そのものを隠している点だ。幻影か何かを使っているのだろうが、一見しただけでは、この先に何かあるようには見えない。まるで見えない壁があるようだ。


 確かにこれならば、ただ目が良いだけ程度の者であれば欺けるだろう。しかし、悪魔相手には通じない手である。


「あ、あの……扉を開けます」


 レージの前に出たシルフィーは、結界の一点をジッと見つめる。後ろから分かる限りでは、その眼に魔力のようで違う力が集中している。


――突如、シルフィーの見つめる先に線が通る。まるで誰かが書いているかのように線が伸び。それは何もないように見える空間に扉の形を描き出した。結界に浮かんだ扉が内側に開く。


「おぉ……」


 驚きのあまり言葉にならない声を漏らすレージだったが、疑問符を浮かべるシルフィーを見て思考を切り替える。

 シルフィーと共に中に入ろうと一歩足を踏み出したその時――複数の火球がレージとシルフィー目掛けて飛来する。


「シルフィー!」

「ひゃあっ!」


 咄嗟にシルフィーの盾になるように庇い、風の魔法で受け流す。幸いにも火急の威力は低く、一発としてレージに届くことはなかった。背後で地面に当たった爆ぜる。


「早かったな……何だ二人だけか?」


 火急の飛んできた先――声のする方に視線を向けると、そこには紫の身体をした悪魔がこちらに敵意を向けていた。角や尻尾、そして何よりその体色は、この緑豊かな場所には似つかわしくない。まるで自然と相反しているかのようだった。


「あれって……悪魔、だよね……」


 背に縋りつくようにして隠れるシルフィーは、悪魔を見つめながらレージに問う。レージはその問いに答えることはせず、昂る心を抑え付けながら思考する。


 結界に驚いて気を抜いていた感は否めないが、それでもレージの探知に反応しないのは普通ではない。あの見た目もそうだが、あれは自然な生き物とは言い難く、恐らくは悪魔による実験の果てに誕生した存在なのだろう。

 レージの魔法やシルフィーの目にも引っかからない以上、隠密に特化した――させた悪魔であると考えるのが妥当だ。


 レージは拳を強く握りしめる。しかし、後ろには必死に恐怖を抑えるシルフィーが居る。冷静に、慎重に事を進めなければならない。大きく息を吐いて心を落ち着ける。

 ガサガサと草をかき分け、先の悪魔の後ろから四人、同じ容姿の悪魔が姿を現す。皆、無表情でこちらを見つめていた。


「どうやら不幸な偶然のようだが、こちらも邪魔される訳には行かないのでな」


 そう言うと同時に、五人の悪魔は胸の前に手を持ち上げ、その先に火球を生み出した。


「レージ……」

「大丈夫。大したことないさ」


 不安げにレージを見るシルフィーだが、レージが浮かべる笑顔に顔を赤らめる。微妙に話しづらく感じつつ、意識を悪魔に集中させた。

 火急をこちらに飛ばそうと、悪魔たちが大きく腕を振りかぶる。攻撃も回避も取り難いこのタイミングを突いて、レージは急速に作り出した強風を悪魔にぶつけた。


「な――!」


 何の予備動作もなしに繰り出されたレージの魔法を受け、火球をかき消された悪魔たちは腕を使って防御を図った。しかし風は刃に変わり、その全身を傷つけていく。


「っく……退くぞ!」


 劣勢を悟った悪魔たちは自身の傷も省みずに背を向けた。その隙にさらにダメージを入れるが、逃げる足を止めるには至らない。


「逃がすか――」


 レージは再び風を送り込む。先ほどよりも速く鋭い風だ。風はレージと悪魔の中間にまで一瞬で駆ける。


――しかし突如、大地を揺らすような轟音が魔法をかけ消した。


「何だ!?」


 レージは咄嗟に声のする方に視線を向ける。シルフィーも同様に咆哮の先――結界の内部へと視線を向けていた。


「龍が……目覚めた……」


 シルフィーの絶望に満ちた声が耳に届いた。






 結界の中を見るシルフィーの絶望を悟る声色は、問うまでもなく事の重大さを物語っていた。

 その中でカサカサと草木をかき分ける音を捉え、視線を悪魔の方に戻す。しかし既に、悪魔たちは木漏れ日の隙間を埋める陰に消えてしまっていた。追いかけようとも考えるが、結界から溢れ出る強烈な力が諦めさせた。優先すべきは悪魔ではない。


「シルフィー! あれはどうすればいい!?」

「あ……あ……」


 レージはシルフィーに問いかける。緊迫した声色に焦りが現れ、身体中の魔力が力に呼応するように活性化している。だが、すぐにシルフィーの返事がなかったため、レージは彼女の方を見る。


「シルフィー?」


 視界に入った彼女は、強大な力の前に腰を抜かして座り込んでいた。恐怖に唇を震わせ、光を取り入れた宝石のようい瞳が煌めいている。


「――っ!」


 強烈に感じていた力がよりその色を増す。意識を力の先に戻すと、そこには敵意を見せる強大な存在が居た。

 少し黄色がかったような紅い体色のそれは、無数の鱗が全身を覆い、身体の倍ほどもある羽を折り畳み、四本の足で地を踏みしめている。


 それはこの世界の頂点に君臨する存在――龍である。


 そこらの魔物とはわけが違う。本物の強者の姿を見せる者は、切れ長の目でレージを睨みつける。その視線を見た瞬間、レージは悟った。殺るか、殺られるかだと。


 ドスンと大きな揺れを伴った一歩を、龍は踏み出す。


「ふぅ!」


 レージは魔力をかき集め、最大出力の風の塊を龍に放った。地面を抉り、周囲の木々をへし折り、シルフィーをも巻き込みそうになりながら、それは龍へ目掛けて飛んで行く。ボンっという爆音と共に途轍もない衝撃が龍へと襲い掛かる。


 土煙を上げる視界、しかしレージの目にははっきりと見えている。二度目の大きな揺れを起こす者の姿が――


「これは……」


 レージは改めて悟る。正直なところ、風の魔法が龍相手に効くなどと楽観的には考えていなかった。ただ予想外だったのは、魔法が何かと作用し合ったような音だった。恐らく、龍相手に魔法全般は効きづらいのだろう。龍の持つ魔力以外の力によって打ち消されているのだ。


 レージは次なる策を考える。しかし、周囲を見渡してすぐにそれを諦めた。それは何かを背にして使うようなモノではないからだ。となれば、魔法以外の手段を行使せざるを得ない。 

 あまり使いたいと思えるモノではないが、やらないという選択肢はない。レージは魔力を内に消し、大雑把な結果を思い浮かべる。


「寝起きで悪いが……もう一度寝てろ!!」


 レージの視界が真っ白な世界に包まれる。今までで最も強く不思議な力を使ったため、レージですらどうなっているのか分からない。ドクン、ドクンと思い鼓動がレージの鼓膜を揺らし、その他の音を遮る。

 包んでいた光が晴れると共に、元に戻った視界がぐにゃりと不自然に歪む。グラッと頭が揺れ、立っていられずに崩れ落ちる。


 薄れゆく意識の中、双眸が捉えたのは――瞳を閉じて地に伏せる龍そして、レージの傍らで慌てふためくシルフィーの姿だった。



『……さん、レ…・・さ……つな――』


 暗闇の中、誰かの声だけがする。それは微かで、柔らかな女性の声で、とても懐かしく感じられた。

 その声が自分を呼んでいた気がして、レージは閉じていた瞳を開く。魔法的な照明の光がレージの視界を明るく照らし、あの森に居るような感覚を覚えさせる。


「あ、起きた!」


 視界の外から不意に、元気で明るい声が耳に飛び込んできた。声の方向を見ると、ベッドの傍らでレージの顔を嬉しそうに覗き込むマーティが居る。マーティの顔を見て、今までの経緯を思い出す。


 エルフの森に来て、シルフィーの護衛役をやって――

 順番に記憶を整理していると、マーティの声に反応して近づいてきた女性に気づいてそちらを見た。


「お目覚めになられましたか。安心しました」


 マーティの隣に立ったのは、安堵の中に深刻な表情をにじませるマーリナだった。甘えるマーティの頭を優しく撫でる彼女は、部屋の入り口を見る。その視線の先には、マーティの世話係を務める女性――トトが居た。トトはマーリナの命を受け、マーティの手を引く。


「マーティ様。マーリナ様たちはお話があるので、お部屋に戻りましょう?」

「えー、僕も一緒にいる!」


 トトに手を引かれるマーティは、駄々をこねてその場を動こうとしない。しかしトトは、少し強い口調でマーティを諭す。


「わがままを言ってはいけません。大切なお話なんですから」

「うー……」


 不満げなマーティだったが、トトに従ってドアに向かう。だが、部屋を出る間際にマーリナが声をかける。


「今日は一緒に寝ましょうね、マーティ」

「うん!」


 マーリナの言葉で笑顔になったマーティは、一転して意気揚々と部屋から去って行った。後ろ姿が見えなくなり、虫の音だけが部屋に響く。


 静寂に包まれる中、ベッドの隣に意志を持ってきたマーリナが座り、その傍らに側近のエルフであるカリスが立つ。マーリナは優し気に微笑んでいるが、カリスの表情から深刻な事態であることが見て取れた。

 マーリナはベッドに手を置いて話し出す。


「どこか不調はありますか?」


 レージは自身の身体を動かして確認する。少しだけ身体が重く感じ、節々に違和感があるような気がする。しかし、それらは殆ど気にならない程度のものだったため、レージは問題ないと判断し、そのように答える。


「いや、特にはないな」


 事無げに答えたレージに、マーリナは疑問をグッと呑み込んだ様子だった。傍らに立つカリスも何か言いたげだったが、マーリナの様子を見て何も言わなかった。

 彼女たちは探るようにレージの目を見つめる。その眼はあの時のシルフィーのように煌めいており、エルフ特有の何かを感じさせる。


 マーティと初めて会った時のこと、そして先のシルフィーのことを考えれば、エルフの眼には常人には見えないモノが見えているのだろう。だとするならば、その長たる彼女の眼にはどこまで移っているのだろうか。

 ゾッとする恐怖を覚えたレージは、彼女の気を逸らすために別の話題を考える。


「それより、あの後どうなったのか教えてくれないか? シルフィーは?」


 それは露骨なものだったが、マーリナは不振がることなく、間を置かずに落ち着いた様子で答える。


「レージ殿のお陰で無事です。今は部屋で身体を休めております」

「そうか……」


 何とか役割を果たせたことに安堵する。レージ自身が無事ここに居ることも併せて、最悪の事態は回避できたと思って良いだろう。しかし、龍の存在は決して安心できるものではない。何より、悪魔があの場に居たことを考えれば、まだ予断を許さない状況だろう。


 レージの安堵した言葉を聞き、マーリナは若干表情を緩ませて話しを続ける。


「それと現在、龍は前と変わらず休眠状態にあるとのことです」


 そう言い終わると同時に、マーリナはベッドに椅子を近づける。そしてレージの手に自身の手を添え、レージの顔を覗き込むようにして妖しい雰囲気を醸し出した。


「シルフィーからある程度のことは聞きました」


 レージを見つめるその眼は揺らめくように輝き、妖艶な微笑を浮かべてレージに問う。


「正直なところ、貴方のお力はどの程度のことまで出来るのでしょう?」


 その言葉から言い得ぬ圧を受けたレージは、堪らず視線を外して宙に泳がせる。害する意思を感じる訳ではないのだが、得体のしれない恐怖を前に、自分の秘密を吐く訳にはいかなかった。


――いや、それはただの言い訳に過ぎない。本当は、自分の持つ負の側面を、醜い自分を知られたくはなかった。

 レージは極力愛想の良い顔を作り、別の話題へと話しを逸らせる。


「いや大したことは……そう言やぁ、悪魔はどうなった? あの場に五人居たんだけど……」


 その顔は恐らく引き攣っていただろう。決して誤魔化し切れはしなかっただろう。多少の沈黙の後、マーリナはあっさりレージの苦し紛れの話題転換に乗った。


「追跡は試みましたが、かなりの手練れだったらしく難航しています」


 追及してこなかったことを意外に思うが、彼女が何を考えているかなど分かるはずもない。思慮深く、数多のことを知っていそうな彼女のことだ。ある程度は辺りを付けているだろうし、今の反応から何かを察していても不思議ではない。


 やはり、ここに長居するのは危険だろう。幸いにも悪魔の手がかりを掴むことはできた。人族国家「ヒュラルド」、エルフの国「トリエント」、次は――


 マーリナはカリスから地図を受け取り、考えを巡らせていたレージの前に広げた。サンカを指さし、道沿いに動かして悪魔の経路をなぞる。


「ただ、ヒュラルド、トリエントと来て、次に狙われるとすれば――」


 マーリナの指は地図上のエルフの森からさらに進み、その先の平原を示した。地図にはそこに街があるのが確認でき、さらにその奥に広大な土地を統べる国の名前が書かれていた。


「獣人が治める国家『ビルガルズ』」


 獣人たちの国家「ビルガルズ」――人族の獣である獣人と呼ばれる種族が統べる国。総人口は人族とエルフを足したよりも遥かに多く、龍を除けば最大の勢力と領土を持っている。非常に好戦的で、強き者に従うという強者主義が彼らの特徴である。


 悪魔の性格は排他的というと語弊があり、全ては自分たちの下で、全ては自分たちの物であると本能的に考える。

 そこに住む獣人の性質や占める土地の広さは、悪魔にとって非常に魅力的に映るものだ。マーリナの考察からしても、ビルガルズが悪魔に狙われる可能性は極めて高い。


「行くのですか?」


 レージが地図に視線を落として考え込んでいると、マーリナは優しい口調でレージに問うた。その声色に不信感のような色はなく、まるで分かりきっていた事のように、自然に、地図上で森を抜けて一番近い街を指さす。


「森を出てそう遠くない場所に『コマシェ』という都市があります。今丁度この街に神族が来ているとのことです」

「神族……」


 神族――神に最も近い存在がそこに居るというのは、偶然にしてはあまりにも出来過ぎている。次に狙われるのはまず間違いなくこの街だ。そうなればこの森に居る理由はなくなり、むしろ移動する必要性が生まれた。マーリナに相当怪しまれているだろう事もあり、良い頃合いと言える。


 獣人の国家、強者主義を気取る彼ら相手では、今までのようなのらりくらりとした曖昧な対応は効かないだろう。力を示すことが必要になる場面も増えるだろう。表立って動くには、何か後ろ盾や取っ掛かりが必要になるかもしれない。


 だとすれば――



 日は落ち、外は暗い夜の様相を呈する。それは今日の出来事に起因しているかのように、これから起こることを暗示しているかのように、不安を煽るような深い闇に覆われる。

 事は思いもよらないほどの大きさを持っていることに気づき、レージは深刻に次の行動を考える。そして、そんなレージの思考をまるで読み取るかの如く妖しげな瞳を向けるマーリナに、その隣でレージの様子を必死に紙へ記録しているカリス。

 三人は何かを知り、思い、為そうとしている。


 情緒ある虫の音とペンの滑る音に彩られる一室にて、三者三様に夜のひと時を送るのだった。

エルフ編終了!!

次回からは獣人の国に行きます!

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