43.貴方は敵?
※クリストフ視点
クレナが引き摺られて行ってしばらく経つと、今度はポプリ=カモマイルがやってきた。
最近はよくクレナと店を覗いてくれる常連だ。
笑顔で迎えると、彼女は眉をしかめて鋭い目線でこちらを睨む。
普段の可愛らしさは何処へやらだ。
「貴方はクレナの敵?」
なんの駆け引きもなくまっすぐに放たれた言葉に、クリストフは思わず笑ってしまった。
「どうしてそう思うんです?」
「さっき、クレナが困ってたから」
「…貴女、ベンチにいましたよね?」
「クレナのことなら空気で分かるわ」
「うわー」
思わず口から出てしまった。
「クレナのこと傷つける人、私絶対許さないから」
ドン引きのクリストフにお構いなしに、ポプリは宣言する。
ずいぶんお熱い友情のようだ。
「そんなにクレナ嬢が大切なんですね」
「そうよ!」
「彼女が貴女に隠し事をしていたとしても?」
我ながら意地が悪い質問だと思う。
だが妄信的にクレナを慕うポプリを見ていて、つい試すようなことを言ってしまった。
別に友情なんて幻想だ…などと思っているわけじゃない。
ただ、一人ぼっちでいる所をクレナに救われ友情を築いたポプリの想いは、些か執着が過ぎる気がして。
慕っている相手に秘密があることを知ったら彼女はどうなるのだろうかと、ふと思ってしまったのだ。




