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魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
4章 神の雷光と裏切りの花
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98 ちいとばかりチートが過ぎる

 魔神ギスケのチート能力を拝むことが出来た。

 おそらくギスケは現魔王より強いと思う。

 味方をしてくれるというのならこれ以上は無い。


「俺はたぶん魔王になら勝てる。

 話し合いで済むならそれでいいが、もし無理で戦いになるなら俺が対処する。

 だが、魔王の娘はお前がなんとかしろ。

 あれは魔王よりヤバい。」


 ギスケの衝撃発言だった。

 魔王に勝てるというのも衝撃だけど、魔王の娘がヤバいって・・・。


「彼女の能力は時間の巻き戻しだ。

 どんなに優勢で戦っても、時間を元に戻される。

 時間を戻された直後、記憶だけがタイムリープしてくるから、戻されたという事象は認識できるんだ。

 それが救いなのかそうじゃ無いのか微妙なところだが。」


 やっぱりいたか、時間系能力者。

 しかもよりによって彼女か。


「彼女に記憶は前世の記憶はあるんだよね?」


「ああ、確かに記憶はある。

 俺のこともしっかり覚えていた。

 彼女は魔族からアリスって呼ばれていた。」


 ギスケはそう答えた。

 そして難しい顔をして続けて話す。


「だけど感情が欠落しているんだ。

 向こうの世界では超がつくほど脳天気に笑う人だったのに。

 雰囲気としては、与えられた命令を忠実に実行しているだけのようだった。」


 確かに彼女はちょっとイラッとすることがあるぐらい、いつも脳天気だった。


「操られている?」


 僕はその可能性について聞いてみた。


「それは俺には分からない。

 この件はあんたに任せるぜ。」


 ギスケの言う通り、たしかに僕がなんとかするべきなのだろう。

 魔王の娘、こっちでアリスと呼ばれている彼女は前世で僕の恋人だった。

 僕の判断ミスで死なせてしまった彼女、まさかこっちでまた会えることになるとは。

 今度こそ同じ間違いを繰り返したくは無い。

 時間の巻き戻しなんてチート能力にどう対抗するかは、現時点では思いつかないけれど。


「分かった、なんとかするよ。」


 無責任にそう言ったわけでは無い。

 彼女を元に戻す鍵を、僕は既に持っているのかもしれないのだから。


 一通りの話は終わった。

 最後に僕はギスケに所持品を一つ渡しておいた。

 切り札になるかもしれない。


「アンタ、こっちの世界でこんな物を・・・。」


 ギスケが感心したような呆れたような言葉を吐き出す。

 僕とギスケは今後の打ち合わせを行った。

 僕が渡した物だけでは無理なので、ギスケには現地調達してもらうものもある。


「ようやくクソジジイの鼻を明かしてやれるのか。

 楽しみにしているぜ。」


 そう言うとギスケはイリンと共に飛龍に乗って、北西にあるカーランド王国方面へ飛んでいった。

 そちらのゴタゴタを片付けなければいけないようだ。

 飛龍、羨ましいなあ。


 僕達は再び四人となった。










 僕の前世の彼女が巻き戻し無双だった。


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