表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
4章 神の雷光と裏切りの花
83/263

83 鳥の命を取りました

『あれは神の力。

 さっき賢者の杖を持っていたオルドウルという人が、神の遺物の一つを持ち出したんだ。

 神の力には魔法は効かない。』


 賢者の杖で最強レベルの魔法を手に入れた瞬間、魔法が効かない敵を相手にするとは。

 つくづく僕は無双に向いていない。


「魔法が効かないなら、やることは決まってるよねー。

 やっちゃえ!」


 シーリが話に割って入ってくる。

 というか括弧の形がおかしい。

 なんで僕の隣から声が聞こえてくるんだろう?


 恐る恐る、横を向く。

 いましたよ、僕と同い年ぐらいの女の子が。

 残念なことに、とうとう僕のユニークスキルが外に出てきてしまった。

 賢者の杖による能力の底上げが原因だろう。


 僕の魔法が消滅させられるのを見ていた隊長格の男が、弓兵に射撃の指示を出す。

 神鳥に向かって矢が雨のように降り注ぐ。

 神鳥は避けもせず矢を受ける。

 しかし矢が羽や体毛を貫くことは無かった。

 あっさりと体から弾かれてしまった。


 隊列を編成して突撃する兵士達。

 突撃に成功し槍を突き立てるものの、表面に少し刺さっただけで終わった。

 次の瞬間、暴風によって吹き飛ばされる。

 あっという間に隊列は散り散りにされてしまった。


 そして神鳥は息を吸い込む。

 そして何かを吐き出した。

 街の外壁を吹き飛ばし、弓兵の一部が配置されている建物を倒壊させる。

 ソニックウエーブみたいな物を出したのだろう。


 早くなんとかしないとヤバい。


『兄ちゃん、なにか作戦があるみたいだけど。』


「秘密道具よ、秘密道具。

 ちゃんと持ってきてるでしょ-。」


「・・・やるしかないか。」


 僕は魔法で地割れを引き起こし、さらに岩を浮かび上がらせる。

 それを神鳥のいる方向へ叩きつける。

 しかし岩は神鳥に接触する前に力なく地面に落ちる。

 間違いない、神鳥の魔法無効は魔法だけでは無く、魔法によって生じた結果すらもキャンセル出来る。

 つまり魔法によって生じた物理攻撃も無効化可能なのだ。

 神の力とはいえ無茶苦茶だ。


 しかし僕はそれをある程度予測していた。

 岩はただの目くらましだ。

 魔導力を発動させ、急いで神鳥に接近する。

 そして持ってきたアイテムのピンを引き抜く。


 投げようとした瞬間、力が抜ける。

 魔導力がキャンセルされた。

 まずい、魔導力も魔法の一種扱いだった。

 僕はバランスを崩しコケる。

 アイテムが手から離れ転がっていく。


 神鳥は僕をターゲットに入れる。

 クチバシを開き食らいつこうとする。


「だめー。」


 シーリが両腕を広げ、僕と神鳥の間に立ち塞がる。

 そしてシーリが神鳥に食われ・・・無い。

 神鳥のクチバシをスルーするシーリ。

 なるほど、シーリには実体は無いようだ。


 もう一度クチバシでシーリに襲いかかる神鳥。

 僕は転がったアイテムを拾い上げ、口の中にたたき込む。

 そのままアイテムを飲み込む神鳥。


 次の瞬間、神鳥の喉が破裂した。

 僕の作った手榴弾が爆発したのだ。

 

 神鳥は転げ回り痙攣を起こす。

 そして動かなくなった。







 僕のユニークスキルは囮無双だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ