ランカー3
神話戦士ヤマトが能力《空走》を使って廃都市の隙間を駆け抜けてゆく。空走は全てのウォーリアが持っている移動系能力の最上位、飛行と並ぶ文字通り空を走ることのできる能力だ。Ⅴレアになれば全てのウォーリアが飛行か空走のどちらかを取得するが、その力は下位の移動系能力を遥かに凌駕する。その速度は、鷹のように早く、その動きは燕のように鋭い。
試合はすでに大和の考えるフェイズで様子見とけん制を終え、威圧の段階に入っていた。
ビルの隙間を駆け抜け、広い通りへと抜ける。速度が速く、路地から出たところで曲がりきれずに正面のビルにぶつかると思われた瞬間、ヤマトは腰の剣を抜き軽く振るう。それだけでビルの窓が割れ、ヤマトはビルの中へと飛び込んだ。直後、後方から飛来した光球がビルの壁に当たって爆発を起こす。
ヤマトは、ただやみくもに走っていた訳では無い。千華のウォーリア、大天使サリエルの攻撃を躱しながら走っていたのだ。
大天使サリエルは、死神の鎌を持ち、爆発したビルをじっくりと観察している。そして煙が動くのを見た瞬間、羽を羽ばたかせその場から大きく移動した。
直後、煙の中から飛び出してきた無傷のヤマトが、先ほどまでサリエルのいた位置に向けて剣を振り下ろしていた。
振り下ろす動作を隙と見たサリエルは、すぐさま光球を放つ。ヤマトはそれを左腕の盾で防ぐ。盾に当たった光球は、爆発せずに渦を巻くようにして消滅する。
千華は常にサリエルを安全な位置から攻撃させ、大和はヤマトの足を止めさせないように、攻撃を躱しながら攻撃の機会をうかがう。
大和も千華も、お互いが相当な実力を持っていることをすでに理解していた。
「楽しくて仕方がないな!」
「そうですわね、こうでなくては戦いがいがありませんわ!」
試合中もヘッドセットで会話する。
「まさか引っ越してきて早々に、これほど白熱した試合ができるとは思っていなかった」
「私もまさか新入りがこれほどできる方だとは思っていませんでしたわ!」
二・三か月かけて拠点とするゲームセンターを探し、強者との対戦をしようと考えていた大和にとって、これほど素晴らしいと感じる環境は無い。
強いプレイヤー、しっかりと整備されている機材、ノリのいいゲームセンターのメンバー。全てが大和のプレイヤー心を駆り立てる。
ここで一位になりたい。もっと強い相手と戦いたいと。
「そろそろ行こうか。ユニット選択《神器・草薙の剣》発動!」
「いらっしゃい! 全力で打ち破って差し上げますわ!」
大和のつぶやきに千華が答える。その答えに呼応するかのように、サリエルは一旦上空へ上がると招くように指を動かしヤマトを挑発してきた。大和は素早くコントローラーを操作する。直後、ヤマトが一瞬輝き、その手には先ほどの剣とは別の剣が握られていた。
普通の剣よりは短く、かといってショートソードのような短さでは無い。ちょうど中間の長さに位置したその剣は、刀身が波打つように曲がっていた。
それを握りしめた瞬間、ヤマトの速度が一段階上昇する。それがヤマトの能力神器だ。大抵のウォーリアは、何かの神話や物語を題材に作られており、その話で出てきた武器や魔法、道具などがユニットカードとして封入されている。そしてそのカードを使うことで、ステータスを上げることが出来る。
今、大和が使ったのは、三種の神器の一つ草薙の剣だ。故に、ヤマトのステータスが一段階上昇する。
そしてさらに能力を発動させるため、ボタンを連打する。
「能力発動、《縄縛り》」
直後、ヤマトの腰のベルトに荒縄が現れる。ヤマトはそれを左手首に巻きつけた。そして重りの付いた荒縄の尖端をサリエルに向けて投げつける。サリエルは突然上がったヤマトの速度に一瞬リズムを崩されるが、縄が到着する直前に、光球を自分の目の前に発生させ爆破させることで、縄の軌道を変え、巻き付かれるのを回避する。
「こちらからもまいりますわ!」
さらにサリエルは爆発時の煙幕に隠れることで、追撃を許さない。そしてヤマトがユニットを発動させてきたのを本気の現れと見て、警戒を強め能力を発動させる。
その能力は《原初の魔眼》全ての魔眼系スキルのデメリットを回避するという強力なものだ。サリエルは、ヤマトの神器のような、自身のステータスを上昇させるようなメインウェポンが存在しない。その代りに与えられた能力だった。
そして立て続けにユニットを二枚発動させる。両方とも魔眼系のユニットだ。一枚の効果でサリエルの右目が赤く輝き、もう一枚の効果で左目が金色に輝く。
ユニットの効果が発動したのを確認して、サリエルは煙から飛び出した。そして目の前に現れるヤマト。ヤマトは当然のように草薙の剣を振り下ろそうとしている。しかし、右目の魔眼がそのことはすでに教えてくれていた。落ち着いた様子で、右手を突き出す。そこに魔法陣が組みあがり、草薙の剣を受け止める。
そして左目が効果を発揮する。ヤマトの顔を見ているだけで、ヤマトのHPがじわじわと削れていくのだ。
右目の魔眼は、よくある《透視の魔眼》そして左目の魔眼は《宣告の魔眼》と呼ばれるユニットで、相手を見るだけでダメージを与える強力な効果と、使用後三分間視界が半分になるデメリットを持つカードだが、サリエルの能力によって、そのデメリットは打ち消され、今はただの無慈悲に死を振りまくだけの魔眼と化している。
ヤマトもそれに気づき、サリエルの視界から離れるべくビルの影に走り込んだ。そして荒縄を、ビルの柱や柵に巻きつけて、強引な方向転換を繰り返し、細い裏路地の間を全速力で駆け抜ける。
「厄介な組み合わせだな」
「それがこのゲームの醍醐味ですわ!」
「まったくだ!」
さすがに空を飛べるサリエルも、細い裏路地を最速で動き回る者は追えなかった。けん制の意味も含めて、上空から適当に光球を飛ばし、あぶり出しにかかった。
それをビルの影から見たヤマトは即座に行動に移る。サリエルが光球を放つために、ヤマトに背中を向けた瞬間、大和はユニットを発動させる。
「ユニット《グレイプニル》発動」
「グレイプニル!?」
そのユニットは本来ならば、北欧神話関連のウォーリアが使うカードだ。そうすることでウォーリア自身も力が上がるし、ユニットも能力を活かんなく発揮できる。本来ヤマトが使うようなカードでは無い。
しかし無数に存在する神話の中には、類似点も出てくる。WFでは、そんな類似点があるカードを組み合わせることで、さらなる力にすることも可能だった。
グレイプニルの神話は、フェンリルを捕まえるための鎖とも縄とも言われている。そしてヤマトには、縄縛りという能力があった。共に捕まえることを前提とした能力であり、共通点にするには十分だ。
発動したグレイプニルは、ヤマトの縄を鎖へと変化させ、サリエルの背後から忍び寄り、一気に体に巻きついた。完全な不意打ちにサリエルは羽ごと縛られ、羽ばたくことを許されずその場から落下を始める。
「そう言うことですか!」
「これも醍醐味だろ?」
無防備に落下するサリエル目掛けて、ヤマトは空歩で走り寄る。本来ならここで他のユニットを使いラッシュをかけたいところだが、グレイプニルは相手を束縛している間、新しいユニットの発動を禁止するデメリットがあった。北欧神話系のウォーリアならばこのデメリットは打消しが可能なのだが、日本神話系のウォーリアであるヤマトには不可能だった。そのせいで十分なラッシュはかけられない。
しかし、方法はある。すでに発動していたユニットの効果を起動させることは可能なのだ。
それは、フェイズ威圧の時にヤマトが鏡で受けた光球。消えるようになくなったその光球は、封印の鏡の効果で今も盾の中に封印されている。
大和はその封印を、サリエルの目の前で解除した。
激しい爆発と共に、その衝撃でサリエルを縛っていたグレイプニルが解かれる。
HPを大きく削られながらも、サリエルはまだ健在だ。そしてグレイプニルが解かれたと同時に、ユニットを発動させた。
「お返しですわ! 喰らいなさい!」
金色に輝いていた左目が今度は青く染まる。じわじわ削るのでは遅いと判断し、別の魔眼に変えたのだ。その効果により、今度はヤマトのユニットが縛られた。
《メドゥサの眼》その効果は視界内のウォーリアを停止させる物だ。もちろんデメリットもあるのだが、サリエルはそのデメリットを問答無用で無効化する。
石のように動けなくなってしまったヤマトに向けて、サリエルが光弾をこれでもかというほど連射する。
一瞬にして、ヤマトは煙の中に飲まれる。瞬間、サリエルの透視の魔眼がユニット発動の光を見た。
「ユニット《獄炎》発動」
直後、ヤマトを覆っていた煙が吹き飛び、周囲を一瞬にして炎が包み込む。それは球体状に形を変え、飛んでいるヤマトだけを覆い隠した。
ヤマトは、灼熱に焼かれHPを削っていく。お互いのHPはすでに三分の一を下回り、試合は佳境に迫っている。これからの試合は、少しの削りが効果を発揮してくる時間だ。そんな中での獄炎は、まさしく命削り。一歩間違えれば即死につながる危険な賭けだ。しかし、獄炎を発動した意味はある。獄炎の炎が壁となって、サリエルの視界メドゥサの眼から外れた。
ウォーリアの自由が戻った大和は、すかさず縄縛りを発動、サリエルのいるであろう方向に向けて、縄を飛ばす。その縄は、獄炎の炎を抜けて、火を纏いながらサリエルに向かって飛ぶ。しかし、透視で中の状況を確認していたサリエルにそれを躱すことはたやすい。少しだけ横にずれただけで、縄の軌道から外れた。
「その程度で私のサリエルは捕まえられませんことよ!」
そして獄炎の効果時間が尽きて、炎の壁が取り払われる。サリエルは再びその視界にヤマトを収めんと、炎の向こう側を見た。そしてヤマトを見たとたん、サリエルの体が石のように動かなくなる。
「これならどうだ?」
「なっ!?」
ヤマトは、縄縛りと同時に別のユニットを二枚発動していた。それは《鏡像》そして《鏡写し》。鏡像はヤマトの姿をした鏡をその場に作り出すもの。これだけではただ動かない分身ができるだけだ。しかし鏡写しを同時に使うことで、鏡像の力を発揮させる。
鏡写しは相手からの状態異常系効果を相手にも与えるというもの。その発動条件は、鏡で相手が技をかけている姿を映すこと。
鏡像は鏡としての性質も持っているため、鏡写しの効果発動条件に合致するのだ。
メドゥサの眼で自らの体を戒めてしまったサリエルに、ヤマトは剣を突き刺すべく、鏡像の後ろから一歩を踏み出す。しかし、サリエルは刃が胸に刺さる直前に動きだし、刃を躱した。
「躱された……」
その一連の動きに、大和は素直に感心していた。
サリエルは、自分の魔眼で自分を束縛した直後、能力を発動させた。能力《堕天》自分と相手の全てのユニットの効果を無効にし、防御力を下げ、攻撃力を上昇させる能力だ。ある意味背水の陣とも言える。
その効果で、自らの魔眼を無効化し、束縛から逃れた。
「これを発動するまで追い詰められたのは久しぶりですわ。あなた本当に強いんですのね」
「当たり前だ。これでも前の店じゃランカーだった」
「なるほど、ならそのランカーには、ぜひともこの店の歓迎を受けてもらわなければいけませんわね!」
刃を躱したサリエルは、空中でバク転するように飛び、ヤマトに向かって鎌を振るう。ヤマトは剣でそれを受け止めるが、ダメージを喰らった。
「このダメージ量、《重撃》もついてるな」
「良くお分かりで」
堕天で上がった攻撃力だけでは、ヤマトのHPを目に見えるほど削るのは不可能だ。しかし、ユニット重撃を使うことで、相手より攻撃力が勝っていれば、超過ダメージを与えることが出来る。攻撃力上昇系能力と重撃のコンボは、WFの中でも基本の物だ。
「そろそろフィニッシュだ」
「勝つのは私ですわ」
「いや、俺だね」
時間を確認すれば、残りは後二分程度。決着が着かなければ、三分間のオーバータイムもあるが、二人とも、そこまでこの試合を伸ばすつもりは無かった。
「《神璽の勾玉》発動」
大和は最後のユニットカードを発動させる。それはヤマトの掌に小さく現れた勾玉だ。ヤマトはそれを握り込み砕く。瞬間、砕かれた勾玉から光が溢れ、その光はヤマトの手を覆う。そしてその光がなくなった時、ヤマトの握っていた勾玉は、草薙の剣へと変化していた。
神璽の勾玉の能力。それは、使用済みの神器系ユニットを再度使用できると言うものだ。
別に草薙の剣を二枚入れてもいいのだが、大和は状況によってデッキに別の神器を入れる場合もある。その場合、どちらにも変更可能な、神璽の勾玉の方が有効なのだ。
「能力《鬼神化》発動」
それは堕天と同じ効果の物だ。だが、僅かな違いとして、ユニットの能力を無効化しない代わりに、自分の防御力が紙同然にまで下がる。最後の一撃を狙いあうような状況でもなければ、発動しない能力だ。
大和自身も、この能力を選択しながら、ずいぶん久しぶりだと感じる。
「さて、どう来る?」
「言葉は不要。見極めなさい! 私の全てを!」
圧倒的な攻撃力と、草薙の剣を持ったヤマトの能力で、素早さも一段階上昇している。今のヤマトを止めるには、相応のユニットを使用しなければならない。
しかし、サリエルはユニットをすでに六枚消費していた。魔眼が三枚に、重撃、そして開始直後に、ヤマトの位置を特定するためのサーチ系ユニットと、飛行の基礎能力を上げるユニット。基本的に相手を視界に入れながら戦うサリエルだからこそ、必要なユニット消費だ。
「残り一枚。何のカードだ」
じりじりと間合いを見極めながら、サリエルの出方を伺う。先に動いたのはサリエルだった。
光球を放ちつつ、上空高くへと飛び上がる。ヤマトも即座にそれを追って空走を使い駆け上がっていく。今のヤマトなら、飛行の能力を持つサリエルよりも早く動くことが出来る。次第に距離は縮まり、剣の攻撃圏内に入ったところで、サリエルが反転した。その眼はピンク色に輝いていた。
「魅了か!」
土壇場で発動されたサリエルの最後のユニット。それは《魅了の魔眼》。相手を一時的に自分の支配下に置くものだ。しかし、これは基本的にタッグ用のユニットなのである。このカードによって魅了されたウォーリアは一時的に仲間扱いとなり、サリエル自身もダメージを与えられなくなってしまうからだ。しかし、その効果はデメリットとして扱われている。つまりサリエルの効果により、無効化できる。
しかし、その効果を知っていても、大和は冷静なままだった。直後、ヤマトのカプセル内が真っ暗に変わる。
「読み合いは俺の勝ちだったな」
ヤマトの視界である画面以外のステータスのみが映るカプセル内で、大和は小さく呟いた。
そしてウォーリアのヤマトは大和の指示に従ったままサリエルをその剣で貫いた。
その行動にサリエルと、その先にいる千華の驚く様子が伝わってくる。
ヤマトは両目をつぶっていた。
大和はサリエルの最後のユニットカードを魔眼系のユニットだと読んでいた。自分が最後に残したユニットが、一番信頼できる神器系のユニットであるように、相手も一番信頼しているユニットで来るだろうと。そしてサリエルが振り返った段階で、指示パネルを蹴り、ヤマトに目くらまし系の効果を減少させるアクション、目を閉じるを行動させていたのだ。
貫かれたサリエルが光となって廃都市から消え、大和の画面上にWINの文字が輝く。
直後、カプセルがびりびりと震えるほどの歓声が、ゲームセンターに轟いた。
・
大和がカードをデッキケースに戻しカプセルから出て来ると、すでにカプセルから出てきていた千華が待っていた。
「負けたわ。完敗ですわね」
「いい試合だった。俺も鬼神化を試合で使ったのは久しぶりだ」
「最後の読み合い、素晴らしかったですわ」
「あんたのプレイングもデッキの選択も凄かったぜ」
「私のことは千華と呼びなさい。私に勝った者だけが許される栄誉ですわ」
「そうか。じゃあ千華、また試合しよう」
「ええ、今度は私が勝ちますわよ」
ガッチリと握手を交わす二人。観客は、口笛と歓声の嵐で二人の死闘を称え、千華の取り巻きは涙混じりに、和馬と佳奈美はポカンと口を開けたまま千華と握手を交わしている大和を見る。そして、澄は真剣な目で大和を見つめ、グッと拳を握った。
しばらくして、スタッフの注意により歓声が収まる。あまりに騒がしくて、他のゲームをやっている人たちから苦情が来たのだ。
スタッフの登場により熱の下がった観客たちは、各々の判断で別のゲームをやりに行ったり、再び別の試合を見始めたり、自分が試合をし始めたりと、いつもの光景が戻ってくる。
大和は千華と先ほどの試合に関して感想を話していたが、千華が大和の後ろから近づいてくる存在に気付いて、会話が止まる。
「澄、どうかしましたの?」
大和の後ろから来たのは、真剣な表情のままの澄だった。澄は何かを決意したように大和を見上げる。
「師匠、お願いがあるんです」
「なんだ? 試合なら少し待ってくれ。今は休憩したい」
さすがにランカーレベル同士の戦いとあって、大和もかなり体力と精神力を消耗していた。ウォーリアへの指示はステップ盤で行われるため、試合中はダンスを踊るようにほぼ動きっぱなしなのだ。
「いえ、そうじゃないんです。少し相談したいことがありまして……」
澄のしゃべり方に違和感を覚える。わざわざ敬語になるほどの事なのかと、大和は少し意識を切り替えた。
「相談? なんだ?」
「ここじゃ少し話しにくいんですけど……」
そう言って澄は周囲を見る。そこにはまだ多少とはいえ、人だかりができている。ランキング二位の千華に勝った大和を一目見ようとするギャラリーや、単純に千華の美貌に惹かれてやってきた奴らだ。
「そうか、じゃあ場所を移動しよう。どこか落ち着いて話せる場所ってあるか?」
「今の時間なら休憩所が開いてるんじゃないか? ゲームの音も遮断されるし、ちょうどいいだろ」
いいタイミングで和馬が休憩室を進めてきた。休憩室はゲームセンターの隅に設置されており、自販機とベンチがある。ゲームに疲れた人は、そこで軽い水分補給をするのだ。夕方頃になると少し混むが、昼過ぎのこの時間ならば、ほとんど人はいない。
「じゃあそっち行くか」
「はい」
大和と澄は並んで休憩室へと向かった。