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信じる勇気2  作者: シュン
一章~旅立ちの時~
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12/12

三日目終了

PM4:00



サナはふと目を覚ました。部屋の中

には誰もいない。

「またどっか行っちゃったのかな?

サナは一人ぼっちの部屋で呟いた。

ここで帰りを待つのも暇なので、

隣の部屋に行ってみる。

...鍵がかかっている。どこかに行ってしまったんだろう。

どうしようもないので、部屋に戻ろうとしたところで、ジランとばったりあった。

「よう。起きてたか。待たせて悪かったな。」

ジランの手には小包が握られていた。

「...仕事?」

少し考えてからサナはジランに聞く。

「ああ。簡単な仕事をな。」

ちなみにジランの手に持っている小包の中には三万入っている。

「準備はできたか?」

「へ?...なんの?」

サナは考えたが、わからなかったので、結局、ジランに聞く。

「外出る準備。次の依頼に行く。まだ十分な金貯まってないんだよ。」

「...分かった。じゃあ行こ。鍵とってくるね。」

サナが部屋に入っていく。

「ついでにリュックもとってくれ。」

サナが両手で抱えて、部屋から出てくる。

「ありがとな。」

サナの頭を撫で、鍵を受けとる。

サナはうれしそうにしていた。

ガチャリと鍵をかける。

「行くか。」

そして二人は歩き出す。


「この人達についていくだけでいいの?」

今回の依頼は商人の護衛。町から出て、ただ歩くだけの簡単な依頼だった。この辺は魔物に襲われることは滅多にないからだ。用心深い商人だけが護衛をつける。商人の人数は五人。二人はその後ろを歩いている。

「ああ。」

ジランは横に歩いていたサナに顔だけ向けて答えた。

「ふーん。それだけでお金が貰えちゃうんだ。」

サナは一人事のように呟いた。

「襲われたら戦うのは俺達だが、襲われなきゃただ歩くだけで済むんだよ。だからこの依頼にしたんだ。楽だからな。」

ジランは目を商人に戻しながらこの依頼を引き受けた理由を話す。

「...そうなんだ。」

サナはこれからは護衛の依頼があったらそれをすぐに受けようと思った。楽だから。


その後は特になにも起こらず町につき、報酬を受け取る。八万ゼン。

「よし、帰るか。」

もう日は沈んでいた。リュックから

時計を取り出して時間を確認する。

(七時か...まだいけるな。)

「お腹すいたよー。」

サナがジランの服を引っ張って言う。

「ちょっと町で食ってくか。」

二人は町で食べて出てきた時には

もう30分が経っていた。

探すのにまあまあな時間を使ってしまったからだ。

「サナ、俺から離れるなよ?」

ジランはサナの手をしっかりと握った。

「うん。」

サナは頷く。

ここの地域の魔物は夜行性が多い。

護衛したときのようにのんびりと

歩いてはいれない。

幸い、ここから町までは平原なので魔物と出会う可能性はまだ低い。

しかし、発見される魔物は強敵ばかり。気を抜いてはいられない。

夜の護衛となるとこの地域は簡単にはいかないだろう。

だが、ジラン達が魔物と出会うこと

はなかった。運がよかったんだろう。

「ジラン」

帰る途中にサナが聞いてきた。

「なんだ?」

サナはあの場所で聞いたことがどうしても気になっていた。

「...なんでもない。」

しかし、なにか重大なことに触れてしまうような気がして聞けずにいた。

「...そうか。」

ジランは気づいていた。まあ普通

人間と思っていた人が聞いたことも

ない種族、それも異種だと知ったら

いろいろ聞きたくなるだろう。

しかし、ジランは言いたくなかった。面倒だからだ。色々と。

そしてそれを最後に会話は途切れた。



PM:10:00  所持金120000


少し早く歩いたので、行きよりも

早く町に着いた。護衛のついでに町を移動しようとおもったが、行く町は発展しているほうがいいので、

この町とたいして変わらないさっきの町は止めておいた。

そのまま歩いて宿に戻る。


「ちょっと遅れたか。」

町の入り口から宿までの距離は結構ある。30分経っていた。

とりあえず中に入って部屋に入る。

ドサッとリュックを下ろす。



「疲れたな。」

どかっと椅子に腰をかける。

サナはちょこんと椅子に座る。

「さて、金貰いに行くか。」

そういい、立ち上がろうとしたところで、扉が開いた。

「ジラーン」

リーナが部屋に入ってくる。

「帰ってくるの遅いよ。」

「ごめんな。ちょっと時間のかかる仕事だったんでな。そっちはうまくいったか?」

リーナが椅子の横で座る。

「うん。はい。」

手に持っていた小包をジランに渡す。

「五万か。ありがとな。明日は早くでるからしっかり休んでくれ。」

ジランは小包の中身を自分の持っているものに入れ、リーナに小包を返す。

「さて、と。サナを頼む。風呂入らないで待っててくれたんだろ?」

「うん。行こ。サナ。」

「え...あ、うん。」

今までの話を聞かずにぼーっとしていたサナはリーナに手を捕まれ、

少し強引に部屋から出ていった。

疲れていたんだろう。

「...」

ジランは誰もいなくなったとたんに

安心したせいか、どっと今までの疲れが出て、無理矢理押し込んでいた体へのダメージが込み上げる。

「やっぱあれ一回じゃ無理だよな...」

実は体の傷は完治していなかった。

服を脱いで確認すると、塞がったと思っていた傷口が少し開いてきている。今まで開かなかったのが奇跡に近かった。あのヒールは確かに回復量が大きいが、あの時は血の量より

ダメージが大きかった。

「ぐ...」

痛みで呻き声を漏らす。

右手を傷口に当て、ヒールをかけはじめる。

治りは遅い。が、これが一番確実な方法だった。

しばらく当て続けると傷口が塞がってきた。

「...風呂入るか。」

傷口が完全に塞がったのを見て、

服を着る。

「さて。」

浴槽に向かう準備をして隣の部屋に

移動する。

「リオン。いるか?」

ジランはドアを開け、リオンを呼ぶ。

だが、返事は返ってこない。

「先行ったか。鍵閉めろよ。」

そしてジランも浴場に向かう。

そしてやはり、リオンは浴場にいた。

「リオン」

ジランはリオンの隣に座る。

「え?あ、ジラン」

頭を洗っていたリオンが振り向く。

「もう一人で入れるのか。」

「うん。ぜんぜん大丈夫。最初洗い方教えて貰ったから。」

リオンは頭からザブッと水をかぶる。

「そうか。今日の依頼はなにしたんだ?」

ジランは体を洗い始める。

「ごえいいらいだったと思うよ。

多分。」

リオンは護衛依頼という部分をぎこちなく言った。

「簡単だったか?」

「うん。」

「じゃあ怪我とかしてないな?」

「うん。大丈夫だよ。」

リオンは勢いよく浴槽に飛び込んだ。

「じゃあ、明日は早く出るからしっかり休んでくれよ?」

「わかったー」

それを聞くと、ジランは浴槽に入らず、外に出た。


部屋に戻っても誰もいなかった。

ジランは布団に座り、自身にヒール

をかけはじめる。

ある程度時間が経ったところでサナが帰ってきた。

「ただいま...」

ゆっくり上がってくる。ジランはヒールを止める。

「おかえり。リーナのとこ行ってくるか?」

「こっちで寝ていい?」

と言いながらサナは布団に寝転がる。

「別にいいが、明日は早くでるんだからさっさと寝ろよ?」

「わかってるよ。」

サナは布団に潜り込む。季節でいえば今は夏なのだが。

「よく潜り込めるな。暑くないのか?」

当然の疑問をサナに聞く。

「あんまり。」

サナは首だけを出して答える。

「電気消すぞ。」

「うん」

部屋が暗くなる。

ジランは疲れがたまっていたので

すぐに眠ってしまった。




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