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67話   戦闘訓練

なんとか書き終わりました。


お楽しみいただけると幸です。

「とりあえず、今日はお前に先制攻撃を譲ってやる。ただし条件として、俺が合図してから2秒以内に初手を打つこと。お互いに魔法が使えなくなる魔法を使わないこと。後は俺だけは全方位の魔法防御は使わない」


俺達がイルミとウェストの側面ーウェストが『結界魔法』で戦闘フィールドを覆ってから、その斜め上(結界は接触している)に更に『結界魔法』で作った観戦席ーで2人を見ているとイルミと対峙したウェストがそう言った。


因みに今回の戦闘訓練だが、ウェストは武器や防具等一切着けていないのに対し、イルミは一目で凄い業物だと分かる杖と、これまた一目で凄い業物だと分かる防具、そしてそれ等を補助する為(イルミ談)のイヤリングや腕輪等の装飾品もフル装備している。


俺的には、ウェストも武器や防具を装備した方が良いと思ったんだが、ウェストが言うには「ある一定のステータスを超えると、どんな武器や防具等の装備品を装備しても、ほぼ意味が無いから良いんだよ」との事だった。

『ある一定のステータス』って30万くらいかな??


俺が【神の世界】で見たウェストとイルミの戦闘を元に、武器や防具が役に立たなくなるステータス値を予測していると、ウェストがイルミに言った。


「訓練の終了条件は、俺がこれ以上無理だと判断した時かお前が俺に『魔法障壁』等の防御手段を取らせないで一本入れた時だ。それ以外は基本的に終了は無しだ。それと『天化(てんか)』はお前が出来る様になるまでは使わないでやる。


因みに俺は1日1回だけなら『蘇生魔法』が使えるから、最初から全力で来いよ?それじゃあ、戦闘訓練開始!!」


ウェストがそう言った瞬間、イルミは後ろに飛んだ。

後ろに飛んだイルミは、右手を突き出して詠唱した。


「【私の全てを覆い隠す闇よ】『ダークネス』」


イルミの詠唱が終わると、イルミの右手から黒い煙が出て、イルミを中心に辺りを覆い始めた。

黒い煙がウェストまで覆い隠そうとした瞬間、ウェストは「ピクッ」と反応した。


「【全てを吹き飛ばす風よ】『ウィンドブレイズ』」


ウェストが右手を突き出して、黒い煙を払う様に魔法を使った。

しかし、『ダークネス』が完全に晴れる事は無く、ウェスト側だけ煙が晴れていた。

ウェストが魔法を発動させ終わった瞬間、イルミの声が辺りに響く。


「『クリエイトゴーレム』」


イルミの声がそう聞こえた瞬間、ウェストの周りにウェストを囲む様に3体のゴーレム(土製で高さは3メートル程)が出来上がった。

ウェストは、自身の周りに出来たゴーレムを一瞬だけ横目で見ると、正面にいたゴーレムに向かって走り出した。

そしてウェストは、そのままゴーレムを通り抜け様とした。

  

ゴーレムがそれを拒む様に、両手を出しウェストを掴もうとしたが、ウェストはゴーレムの手をジャンプして回避した。

そしてウェストは、回避したゴーレムの手を踏み台にして正面のゴーレムを飛び越えた。


だがウェストが突破した正面ゴーレム以外は既にウェストの近くに来ていた。

2体のゴーレムは、正面のゴーレムを回避した事により空中にいて身動きが取れないだろうウェストを地面に叩き潰そうとしたのか、拳を構えていた。

しかしウェストもそのままやられる訳が無く、ウェストは空中で体を半回転させて拳を構えているゴーレム2体の方を向くと、両手の人差し指でゴーレムの頭の部分を指した。


「【全てを切り裂く風よ】『ウィンドカッター:スプリット』」


ウェストが『風魔法』の『ウィンドカッター』を『エンチャント:スプリット』付きで使った。

すると『ウィンドカッター』は2つに別れて、ゴーレムの首に襲いかかり、簡単に2体のゴーレムの首を落とした。


ウェストの魔法で首を落とされたゴーレムはすぐに土に還る・・・なんて事は無く、ゴーレムは一瞬だけ土に戻ったかと思うと、次の瞬間には2体のゴーレムだった土が、まだゴーレムの形を保っていた1体の元に集まり、9メートル程のゴーレムになった。


俺達は9メートルのゴーレムに驚いたが、ウェストはゴーレム等見ておらず、イルミが初手に放ちウェストにある程度防がれた魔法『ダークネス』の近く、凡そ10メートルまで迫っていた。

そんな中、煙の中からイルミの声がした。


「『発動』」


イルミがそう言うと、ウェストの足元を含めた縦3メートル、横2メートルに及ぶ範囲に土で出来た槍がせり上がって来た。

ウェストは、その場で急停止し冷静に槍を見極めた上で、体を少し反らして槍を回避した。

俺はこの魔法が、恐らくイルミが『ダークネス』を発動してから『クリエイトゴーレム』を使うまでに用意していた魔法なのだと思った。


俺が意外と冷静に戦闘を分析していると、ゴーレム3体分の大きさになったゴーレムがウェストに襲いかかろうと拳を振り上げていた。

それを振り向きつつ見たウェストは、ゴーレムの首辺りに人差し指を向けた。


「『ウィンドカッター』」


ウェストが放った『ウィンドカッター』は今回もゴーレムの首を落とした。

しかし次の瞬間ゴーレムの中から、勢い良く石の礫が飛び出した。

ウェストは、ゴーレムの体から石の礫が出て来た事に驚きつつも冷静に対処した。


「『ウィンドアーマー』」


ウェストが魔法を使うと、ウェストの周りを鎧の様な風が囲った。

石の礫は、ウェストの周りにある鎧の様な風に阻まれて地面に落ちた。


その時、黒い煙の中から火の矢、多分『ファイアアロー』辺りだろうか?が出て来た。

ウェストはそれを視認したが、無視してその場から真っ直ぐに黒い煙の方にジャンプした。


ジャンプしたウェストは、『ファイアアロー』(仮)を最小限で避けようとしたのか、『ファイアアロー』(仮)から、体を少しずらしているだけだった。

だがウェストと『ファイアアロー』(仮)の距離が近くなるにつれて、『ファイアアロー』(仮)はウェストの方に近づいて行った。


それを見たウェストは「ピクッ」と体を反応させて、魔法を使った。


「『ウォーターアロー』『ストーム』」


『ウォーターアロー』は『ファイアアロー』(仮)を打ち消した。

そして『ストーム』が黒い煙を全て吹き飛ばしたが、そこにイルミの姿は無かった。

それを確認したウェストは即座に魔力を全方位、15メートル程にに蜘蛛の巣の様に展開した。


そしてウェストが蜘蛛の巣を展開した瞬間、ウェストの真上から声が聞こえた。


「『雷領域(サンダーフィールド)』」


イルミはウェストの50メートル(目測)上空にいた。

ウェストはイルミを見つけた瞬間、周囲に魔力を展開するのを止めて、右腕を肩の辺りに上げて、そのまま体を回転させながら魔法を放った。


「『ソニックブーム』」


ウェストがそう言って魔法を使うと、肩まで上げた右腕から透明な何か(風か何かだと思う)が出てイルミに襲いかかった。

ウェストが出した『ソニックブーム』は、俺の予想以上の速さで俺が『ソニックブーム』を見た次の瞬間にはウェストから、15メートルは進んでいた。


俺はこの時、イルミが防御魔法か相打ち目的の攻撃性の魔法を使うと予想した。

だがイルミはウェストを見ておらず、杖を自分よりも上に向けていた。

イルミは俺の予想通りに、攻撃性の魔法を放った。


「『鳴雷(なるいかずち)』」


俺はイルミが詠唱していない事から、ある程度の魔法ー具体的な威力を上げると高層マンションの半分以上を一撃で吹き飛ばすー程では無いと考えていた。

だが俺の考えは甘すぎたと思いしった。


イルミが発動させた『鳴雷(なるいかずち)』は、【神の世界】で見せた『全てを裁く地獄の嵐オールジャッジヘルストリーム』と同等だったのだ。

確かにどちらとも詠唱はしていない。

しかし『全てを裁く地獄の嵐オールジャッジヘルストリーム』は『マジックブースト』と『結界術』を含めて5つの魔法から成り立っていたのに対して、『鳴雷(なるいかずち)』はたった1つの魔法で成り立っているのだ。


俺が驚きのあまり固まっていると、結界の端の方で「バチバチ」と言う音が聞こえた。

俺がそちらの方を向くと、ウェストが低い姿勢ー正確に言うならばス○イダーマンが姿勢を低くしている時の姿勢ーをしていた。

俺はウェストを見ると、さっき俺が聞いた音はウェストが雷を纏っていたからだと分かった。


どういう事かと言うと、雷がウェストの体の周りを這いずっているのだ。

因みに『ウィンドアーマー』のようでは無く、雷が円の形になって、その円がウェストの手足に嵌っている。

そして、その円を行き来する様に雷が体を這っているのだ。


俺がそんなウェストに目を白黒させていると、いきなりウェストが消えた。

そしてウェストが消えた次の瞬間、イルミが地面に叩きつけられた。

イルミは凄い勢いで地面に叩きつけられたらしく、凄い砂埃が上がっている。


俺達がイルミが叩きつけられた衝撃の大きさに驚いていると、土埃が内側からはらわれた。

内側から土埃をはらったのはイルミで、外から見ると土埃をはらうように左腕を振ったのが、イルミが左腕を後ろに振り抜いている事から分かった。

イルミは土埃が晴れて頭上が見える様なる前に、頭上に杖を向けて魔法を放った。


「『アイスー」


「チェックメイト」


ウェストは「チェックメイト」と言う声が聞こえた。

俺がウェストを探していると、イルミの後ろに回り込んで手刀(雷を纏い中?)を首に当てているウェストを見つけた。

どうやら魔法を使おうとしたイルミの背後に回り込んだらしい。


イルミとウェストは暫くはその態勢のままだったが、イルミが1度ため息をついてから武具をしまった。

それを見たウェストはイルミの首からそっと手動を外して、纏っていた?雷も解除?した。


そしてウェストは笑いながら言った。


「お前は中々筋が良い。1回俺に負けただけである程度俺の癖を理解して対応して来たのは評価するが、『鳴雷(なるいかずち)』の前の『雷領域(サンダーフィールド)』があからさますぎるのは減点だな。もっと上手く『雷領域(サンダーフィールド)』を使っていれば俺に一撃を入れる事も可能だった筈だ」


ウェストはそう言うと、『結界魔法』を解いた。

そして俺達の方を向いて言った。


「さて、今日の訓練はここまでだ。明日も訓練はしっかりとやるから、今日の残りはしっかりと休んで、また明日に備えろよ」

どうでしたか?

完全な戦闘回を書くのは予想以上に大変でした。

ですが読み返していると、中々面白かったので書いて良かったです。


さて次の投稿ですが、日曜日の7月12日の午後9時〜11時(基本午後10時)の予定です。


今後ですが午後11時までに投稿してなければ、その日は無しでお願いします。

その後の予定は、一応後書きで書いている、その時の投稿ペースの予定です。


ご感想、誤字、ここをこうして欲しい、こういう能力や展開、サイドストーリーやキャラが欲しい等など何でも送って頂いて大丈夫です。

送って頂いた物に関しては積極的に取り入れて行きたいと思っています。

ゆっくりと進んで行きますが応援よろしくお願いします。


訂正『フレイムアロー』を『ファイアアロー』に変更しました。

内容的にはどちらも火の矢と捉えて頂いて大丈夫です。

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