29話 ダンジョンの異変(デジャヴ?)
なんかテンプレしかしてない気がしますが、あと少しお付き合い下さい。
次回は戦闘回です。
今回は若干(本当に若干)?お色気回です。
お楽しみ頂けると幸いです。
◇翌日 朝 屋敷
「そう言えば、流空は精神攻撃をどうやって防いだの?」
尊が何気に重要な事を言った。
確かにどうやって精神を防いだのかは気になるよな?
ただ俺もそれは俺も分からないから仕方無い。
「それはレネンスが『怠惰』で上書きしたのよ」
グラニーは知ってたのか。
て言うか精神攻撃を上書きって
「上書き?って事は『怠惰』は精神攻撃系のスキルなのか?そして精神攻撃を俺に仕掛けたのか?」
前半は普通に、後半はジト目でグラニーを問い詰めた。
するとグラニーは目を反らしながら答えた。
「ええ『怠惰』は精神攻撃系のスキルよ?それにあの状況じゃ仕方無かったのよ。それにリクは罪系の職業のスキルの効果は薄いわ。だから問題無かったのよ」
「ふう〜ん?」
俺はジト目を辞めず、グラニーを見ていた。
まあ精神攻撃を上書きして助けてくれたから良しと・・・ん?
「罪系の職業のスキルの効果が薄い?どういう事だ?」
「あら?説明しなかったかしら?」
俺と尊が首を横に振るのを見て、グラニーが「あ、忘れてたわ」と言う顔をしてから、焦りながら言った。
「私達の職業は、通常の職業に対して絶対的な強さを誇るわ。でも私達の職業にも勿論、弱点は存在するわ。職業毎の弱点もあるけど共通の弱点なのが特殊職にはスキルが効きづらく、逆に特殊職のスキルは効きやすいという物よ」
「なるほどね。流空のカード使いが罪系の職業に対して最強って言うのは、私の指揮官のスキルの相乗効果と罪系の職業の弱点の職業だったからなのね」
それならこいつらが封印されてた理由が分かるな。
例えばスキルレベルが7の『封印』(あるかは知らない)とかを使える特殊職の奴を連れてきて封印させれば一発だからな。
「ええ、そういう事よ。因みにレネンスがリクを助けた時の感じからして、普通の人なら一週間は何も出来ないわ」
「「は!?」」
俺は少し青くなりながらレネンスに詰め寄る
「そんな威力のスキル俺に使うなよ!動けなくなったらどうするんだよ!?」
「ええ〜、仕方無いじゃん〜。今は『怠惰』しか精神攻撃系無いし、スキルの加減がしたよ〜〜?」
「それでもだ!!て言うか加減して一週間動けないとか、もっと加減しろよ!!」
「は〜い。でもそれぐらいしないとあの武器の効果は消えなかったよ〜」
「え?そんなに強かったのか?」
「そうだよ〜。だって触っただけで言う事聞いてたし〜」
俺はレネンスの話が合っているのか、尊とグラニーに目で問いかける。
すると尊とグラニーがそれぞれ、首を縦に振っていた。
どうやら本当らしい。
これはお礼を言っておこう。
「あ〜、そのレネンス、ありがとう」
「ん〜、別に良いよ〜」
◇同日 昼 Cランクダンジョン『封印の螺旋』 第九層
さて唐突だがダンジョンにやって来ました。
理由とかは置いておいて、少しこのダンジョンの説明をしよう。
この『封印の螺旋』はC級のダンジョンにしては、階層が少ない。具体的には15層程(C級のダンジョンは殆どが35層を超えているらしい)だ。
ダンジョンの形は円柱で、出現する魔物は何かを封印するようなスキルが多いいのだとか。
因みに5の倍数の層はボスモンスターが居て、次の層に進むのを阻んでいるのだとか。
ダンジョンの由来は、かなり単純で『封印』はここのモンスターが、こちらの魔法やスキル、行動を封印してくるから、『螺旋』は層の行き来の階段が螺旋階段のようになっているからだとか。
因みに、階段毎の距離は一定で、正解が分かっていれば楽だが、分からなければ相当迷うそうだ。
しかも、道が合っていようが間違っていようが、モンスター達がダンジョンの奥に行かせまいとするように、死に物狂いで襲ってくる為、かなり疲れるらしい。
それでこの『封印の螺旋』に何故やって来たかと言うとギルドからの指名依頼だ。
依頼内容は「『封印の螺旋』で行方不明になった冒険者の捜索」だ。
まあこれだけ聞くと難しく聞こえるかもしれないが、結構な人数(5つのパーティー、合計23人)が消えている。
その内の一人でも見つけたら帰還OK、見つからなくても第十層まで行ったら一旦引き返すと言う簡単?なものだ。
それとクエスト中は、冒険者の立入禁止だ。
何かデジャブな気もするがそこら辺は考えずに行こう。
因みに何故こんな長ったらしい説明をしているかと言うと、ただただ「暇だから」だ。
え?
死に物狂いで襲ってくるモンスターはどうしたのかって?
ハッハッハッ、そんなモンスター達は知らないな。
なにしろ第一層から1回も戦闘してない(1回もモンスターと遭遇していない)。
「ねえリク〜。暇だよ〜」
グラニーに背負われているレネンスがつまらなそうに言う。
「そうだな。暇だな」
「帰ろよ〜」
「指名依頼を受けたのに出来ませんでしたで帰れない。て言うか撤退はピンチになってからだろ。それにあと一層なんだから我慢しろよ」
「ええ〜」
レネンスがそう言いながら手をジタバタさせて、グラニーの背中で暴れている。
「ほらレネンス暴れないで、落としそうだわ」
グラニーがレネンスを注意している。
因みにだが、グラニーの装備は冒険者風の装備から魔術師風の装備に変わっている。
具体的に言うと、上から被るタイプの青のローブ(ある程度走れる様に膝上まではスリットが入っている)を着てロッドを持っている。
ここまでは普通の装備だ、そうここまでは。
何処が普通では無いかと言うと、グラニーの魔術師風装備は目に毒なのだ。
どう毒なのかというとある部分のサイズが1ついや、2つかそれ以上に小さいのだ(それ以上は特注なのでとても高くなるのだそうだ)。
何処のサイズかは言わないが、とにかくサイズが小さいのだ、いやそれともグラニーのサイズが大き過ぎるのか?
多分後者だな、なんせエイプリルフールの時は腕が沈んだからな。
てっいやいや、今はそうじゃ無い。
今はどのくらいサイズが小さく、どれぐらい目に毒なのかと言う事だな。基準が無いので、男連中の反応を上げるとすると、装備を買った店の男連中(頑固そうな親方含む)が軒並み、グラニーを見たら、前屈みになるくらい(俺は前屈みにならない程度に頑張った。何を頑張ったかは言わない)。
因みに男連中は「おっほ」と言っていた、猿か!!
あえてどんな服装なのか例を上げるとするならば、ローブの子供用を大人の女性(ある部分が育っている人)が着るような物だろうか。
しかもスリットが入っている為余計にエr、ゴホンゴホン、色っぽく見える。
それと何故グラニーが魔術師風の装備かと言うと(こっちが本命)、スキル『暴食』(スタンピードのモンスターの命を一瞬で喰ったスキル)を人前で使う事になった時、魔法系の特殊なスキルだと言い張る為だ。
レネンスは冒険者風のお子様装備だ。
え?レネンスの装備の説明が薄い?
だってそれくらいしか言う事が無いから仕方ないだろ?
因みに俺と尊の装備は、剣を2つ買った以外は変えてない。
俺が装備を買った経緯等を考えながら、グラニーを見ていると、尊が黒い笑顔で耳を引っ張って来た。
「ちょと流空?何処を見てるのかな?」
「グラニーとレネンスの微笑ましい光景を見ていました!!」
「ほ・ん・と・う・に?」
「は、はい!!」
「ふう〜ん。それなら良いけど」
尊がジト目をしながら俺を見ている。
怖いな、背筋が凍ったぞ。
因みに尊は女冒険者風だ。
防具を付けている為正確には分からないけど、多分順番はグラニー〈〈尊〈〈〈レネンス(壁?)だろう。
俺がかなり馬鹿な事を考えていると、
「あ〜、あれ十層への階段じゃない〜?」
レネンスが少し先に見える階段を指差しながら言う。
「お、多分そうだな。それにしてもここまで何も無かったな」
「ええ。他のダンジョンで探知が得意なメンバーが居ても、モンスターとは遭遇する筈なんだけどね。このまま帰って報告する?」
「ん〜、多数決で決めようか。あ、それと俺は手を上げないからな。選択肢はここで帰るか十層を探索するか。どっちかで手を上げてくれ。じゃあまずはここで帰る方が良いと思う人」
レネンス、グラニーが手を上げた。
つまり尊は探索派か。
まあクエストは十層の探索も多少含まれてるしそれもそうか。
とりあえず理由を聞いておこう。
「それぞれ理由は?」
「モンスターに出会わないのが不自然すぎるからよ」
レネンスも首を縦に振っている。
「私はクエストに十層の探索も多少は含まれてるし、まだ行方不明の冒険者も見つけてないから、少しでも探索した方が良いかと思って」
う〜ん、2人の言う事はどっちも合ってるんだよな。
まあでも多数決って言ったし、最悪はまた後から来ればいいか。
「分かった。じゃあ一旦ダンジョンを脱出しよう。もしもどうしても気になるならギルドに報告してから、またここを探索しに来よう。それで良い?」
3人とも首を縦に振る。
「よし、じゃあー」
「その必要は無いよ」
「ん?」
俺達の後ろ、つまり俺達が来た道から声が聞こえた。
誰かと思いそちらを向くと、ギルドで俺に絡んで来たクソ充(金髪イケメン)が居た(ギルドに居た取り巻きらしき2人の女は居ない)。
こいつは確かダンジョンの行方不明者の中には居なかったよな?
とりあえず要件だな。
「何の用だ?それと今は、このダンジョンは俺達以外は立入禁止のはずなんだけど?」
「せっかく僕が、ギルドで一緒に居たゴミの手から開放して、僕の側にいる事を許可したのに拒絶するから、ギルドで一ヶ月の謹慎と罰金を受けたんだよ?3人とも酷いじゃないか」
クソ充は、俺が見えない、聞こえないとでも言うように3人の方に話しかけた。
こいつ、前にも増して話が通じない。
しかも謹慎と罰金を尊達のせいにしてるし、論外だな。
はあ、こいつを無視してダンジョン脱出するか?
出来かな?
いや無理かな、俺だけなら行けそうだけど尊達もとなるときついか。
俺がどうやって帰るか考えていると、尊とグラニーが嫌そうな顔をして反論(正論)を返したした。
「ギルドから謹慎を受けたのも、罰金を払わさせたのも、貴方がギルドで武器を出したからでしょ?私達が悪いみたいに言わないで」
「ええ、そうね。それに貴方が開放とか言ってるのは洗脳でしょ?私達は知ってるわよ。今後は、私達には近づかないで」
尊とグラニーからそう言われたクソ充は、急に言い訳?を始めた。
「ち、違うよ、イーサ。僕が言いたいのは、あんなゴミと一緒に居ちゃ駄目だって事だよ。今はあのゴミは居ないみたいだから、今の内に僕と一緒に行こう。そうすれば何でも叶えてあげるよ」
ここまで来ると怒りを通り越して呆れるな。
て言うか「イーサ」って誰?
俺がため息をついていると、尊が俺の肩に左手を乗せながら言った。
その時、レネンスとグラニーが眉を八の字にしているのが、尊の肩越しに見えた。
「はぁ、そもそもイーサって誰の事?それに貴方の言ってるゴミが流空ならここに居るし、貴方と行くよりも流空と行く方が、何倍もお願いを叶えられそうだから遠慮するわ(それにもう1つはお願いを叶えてもらっているね)」
最後なんて言ったかは聞き取れなかったが、尊は言い終わると顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
何この子、可愛い!!
なんて馬鹿な事を考えているとクソ充に変化が起こった。
「あ、ああ?なんでお前がここに居る?お前のせい、なのに。お前が、イーサを取って、それ以外にも可愛い、子を2人、も捕まえる、か、ら、俺は、・・・あ、ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
どうでしたか?
お色気?回でしたが少し足りないと思った方(自分含む)も居ると思います。
出来れば四章前か四章にはお色気回を入れたい(願望)です。
ご感想、誤字、ここをこうして欲しい、こういう能力が欲しい、こういうサイドストーリーが欲しい等など、何でも送って頂いて大丈夫です。
送って頂ければ出来るだけ答えたいと思っております。
応援のほど、よろしくお願いします。




