5話 光道
リヨスは立ち上がると、おもむろに手をたたいた。パチ。パチパチ。
「君、中々やるね。僕の手駒にしてやろう」
「主がやられてるのによくそんなこと言えるわね、あんたもアーロンと同じ目に遭わせてやるんだから」
エルフが、次の瞬間に聞き慣れない呪文を唱える。
<<***>>
聞き取れない、何属性の魔法かすら分からない。光の輪が浮き上がり、ほの暗い洞窟を強く照らした。
「っっ!」
一瞬、地下洞窟の全貌が明らかになり、私は目に入った存在に気を取られる。その隙に、光の輪は一体に大きく広がり、私を飲み込もうとしてきた。こんな広範囲魔法、避ける場所がないっ!
光は私に触れた瞬間、しゅっと縮み、気がつけば首を縛っていた。
「苦し、くない…?」
だが、その瞬間力が抜け、思わず地面に膝をつく。
「外道の気配は感じなかったが、ふむ、やはり君も禁術に手を染めていたか」
「な、なんだって…!」
にらみつけながら、リヨスを見上げる。
「君ごときに僕の技を使うのはもったいないけどね。この術は道を踏み外した者を縛れるのさ。」
「……」
道を踏み外した、というのはどうやら魔法の禁術に触れた者のことを指しているようだ。だが、私が使っていたのは魔法ですらない。勝手に邪術と読んでいるが、その私にも効くとなれば、リヨスの力の本質とは一体…。この光の拘束を解くには、かなりオフィーの力を込める必要がある。そうすれば、彼の疑いの目はより深まるはずだが、機をうかがうか、今すぐ力ずくで逃げ出すか…。
思案していると、リヨスはなぜか外へ歩き出した。
「着いてこい」
「主を助けないのか?」
「君が抵抗したから予定が遅れた。行っておかなければならない場所があるのさ」




