第0話
私の名は高田達治。26歳だ。中堅大学を卒業後、新卒でそれなりの企業に就職したものの人間関係に悩み3か月で退職。以降3年以上実家の一室に閉じこもり引きこもり生活を送っている。
幸い両親の懐には余裕があったため家を追い出されずに済んでいる。あまり親に迷惑をかけたくはないので早く就職しなければならないが、なかなか外に出られていないのが現状だ。そんな私には一つ、大きな悩みがある。
暇だ。
「働け」と突っ込まれるかもしれない。だが働けるなら私は引きこもっていない。現実問題働いていないのだから労働以外のことで時間を潰すしかないだろう。だが、何をすればいいのだろう。
学生の頃は常に帰宅部。友人はおらず放課後はアニメやゲームで孤独な生活を謳歌していたが暇を感じることはあまりなく、むしろ休日の少なさに辟易としていた。大学は単位を取り終えてからは割と暇だったが、就職活動が始まってからは面接対策とES対策、卒業論文の作成に追われそこそこ忙しい日々を送っていた。
だが、退職してからはや4年。学生の頃見たかったアニメややりたかったゲーム、読みたかったマンガなどは大抵やりつくしてしまい、現在は朝起きてvtuberの切り抜きを見た後、クリアしたゲームの二周目を行ったり無料で使える漫画アプリであまり興味のない漫画に目を通したりと生産性のない日々を送っていた。
最初は「まぁこれでいいか」とも思っていたのだが、さすがに怠惰な日々にも限界を覚えた。何か能動的な行動がしたい。しかし、生活費を全て両親に払ってもらっている以上、さらに金銭を要求するのは憚られる。当然友人もいないため、誰かと一緒に遊ぶこともできない。何をすればいいのだろう。
少し考えても何も思いつかなかったので私はインターネットで検索することにした。ブログには読書や勉強などありきたりなことが書いてあった。うん、だめだ。何もいいアイデアが思いつかない。とりあえず明日からやり始めよう。諦めた私は疲労が全く溜まっていない身体を横にし、いつも通り電子世界の中に入り込むことにした。




