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9.エネルギー

〜前回のあらすじ〜

なんだか特殊体質だということがわかったよ。

 早速試してみると、右の掌から数十メートル上空に向かって蒸気が噴出。さっきのような熱さはないが、こんなダイナミックに出るとは、滝のようだ。


 しかも高く飛んだり空を自由に駆け回ることも、以前より早く細かくでき、疲労も少ない。こんなに変化が出るのか。


「異物を取り入れたことで、良い反応が起きたのでしょうか?」


 肉体は異物を取り入れることで、負けじと反応する性質を持つ。栄養も似たようなもので、体内で生成できない異物を、食物で補うことで反応し体は保てたり強くなっていく。


 どうやら正解らしい。エネルギー同士の共鳴による結果だそうだ。


「楓さんの今の状態なら、私のエネルギーを大量に付与しても負荷は少ない時期なので」


 エネルギーの差がありすぎると、エラーが起こるらしい。具体的にいうと、めまいや吐き気、体の怠さや熱感などといった体調不良、それだけではなく精神的にも調子が狂いやすいみたい。


 そのため、エネルギーは闇雲に付与してはならず、加減や調整ができないと危ないということだ。薬みたいなものなのかもしれない、良いものでも適量が大事である点では共通だ。


 うむ、なかなか快適だぞ。人の頭の上に輪っかが見えるくらいには。ん? 輪っか?


 不思議だよ。よくアニメや漫画で見る人の頭の上に金色の輪っかがあるやつ、あれだよあれ。


 僕の目に見えちゃってるよ。どうしちゃったの、オレついに幻覚でも見え始めたのかな。


 僕は輪っかを見ていたため、目線が人の頭の上あたりに向いていた。プレちゃんはもれなくそれに気づく。


「見えたかい? 実は今、天使のエネルギーを借りてこの異世界に来ているんだよ。媒介が必要なんだ、異世界で実体を持つためにね」


「実体、目に見える状態に具現化するために、必要だったってこと?」

「そうそう」


 プレちゃんが普段いる世界は、エネルギーでいうとかなり精妙らしい。とてもきめ細かく繊細なエネルギーで溢れた世界にいるため、他の星にいくとなると場所によっては大変なのだそうだ。


 あまりにもエネルギーに差がありすぎると、チューナーのような変換器や具現化するための下地を準備することになる。それが今は天使のエネルギーを借りている、ということらしい。


「君がいた前世の星より、この異世界は過ごしやすいんだ。ただ、まだまだ私が無条件に具現化できるほど環境が合わなくてね、天使の力を借りるしかなかったんだ」


「天使以外にも力は借りれるの?」


「もちろん、ただね。この異世界で活動しやすいエネルギーであること、それが条件なんだ。主に天使と龍だね、君の前世での概念でいえば」


 龍や天使は、スピリチュアルに興味がない人でも、耳にしたことはあるワードだ。世間一般で馴染みのある言葉は、何か意味があるのかもしれないな。


「ただ龍は自由すぎて、私がお願いしても対応してくれないことも多いんだ。私が龍にお願いするときは、他に仲介人を用意して、その仲介人に頼むことにしているんだよ」


 なるほど。たしかに龍は自由なイメージだな。落とし所だけ決めたら細かいことは気にせず、自由でいたい、そんな感じなのかもしれない。


「天使であれば私と馴染みが深いから、すんなり了承してくれるからね、それだけのことなんだ」


 ふむ、つまりはお得意先かどうかの違いのようだ。


 おそらく行動できる部分やできることに違いもあるだろうが、現状のように姿形を具現化することだけでいえば、どちらでも構わないということなのだろう。


 ひとまず僕の能力が鍛えられ、話も落ち着いた。プレちゃんもこの世界に滞在し、生活することになった。


 食べ物にも興味があるらしい。なんでも普段の食事は太陽のエネルギーを変換して吸収するだけみたいで、味気ないんだと。異世界の食べる文化に関心があるようだ。


 今日は三人でうどんを食べることにした。トマトベースの冷たいうどんだ。


 豆乳やカレーも入っていて、クリーミーで美味しい。うどんもモチモチだし癖になるなこれ。かき揚げもまたとても美味しい。トマトすぎず濃厚でもあるから、しっかり美味しく食べた感も残って素晴らしい。


 ただ一つ気になる。これ、前世で見た気がする。絶対ここ最近、地球それも日本からこの異世界に来た職人いるだろ、こんなに味再現できるわけないもん(笑)


 だけどこれ好きだったから嬉しい、前世で何度も食べに行ってたからなぁ、またこよう。

けっこうリアルな部分も書いてます。

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