23話
屋敷に着くと母達が出迎えてくれた。
「ただいま戻りました。」
「お帰りシャオリー。怪我はないかい?」
「ただいま、お父さん。怪我はないわよ。シンが護ってくれたんだから!」
「そうか。シンくん。ありがとう。」
「……別に、それに……一度はとられた。」
シンがちょっと凹んでいる。そんなことはないのに。
「そんなk「そうだよ~!俺にとられるようではまだまだ未熟だね~!」
私が喋っているのに被せるな!
「……次は絶対にとられない!」
ニコラスの目を見て宣言する。
私も絶対に次は後ろをとらせないしシンの手の届く範囲にいる!
「いいねぇ、いいねぇ!奥さま!この子の魔法の先生に俺が立候補する!」
「ぜっっったいにダメ!!」
「あら、私はいいと思うわよ?それに彼の意思を尊重しなくちゃ。」
母はそう言ってシンを見つめる。シンは少し迷っているようだった。
「……俺は。」
「まぁまぁ。難しい話は中に入ってからにしようよ。あぁ、ロベルトはそのままシンくんを部屋に連れて行っていいよ。お医者様はもう少ししたら来るだろう。」
「あら、そうね。一先ず二人とも、怪我の治療をしてきなさい。その前に、しっかり泥を落としてね。」
シンも私も大なり小なり怪我はしているし水を含んだ地面に転がったから泥がかなりついている。こんなに汚れたのは久々かもしれない。
「ご入浴の準備も終えております。」
流石ロベルト!準備がいい!
キレイ好きな母は屋敷を泥だらけにされることを特に嫌う。
物心つく前だから2歳頃の話かな?泥遊びで汚れたまま泥団子を抱えて屋敷の中を走り回り、当時母が気に入っていた家具を汚したらしい。
私はその記憶は……うっすら……とだけ、ある。かなり怒られた。マジで般若ってリアルに存在するんだよ。とまぁ、余計な事を言って怒られたくないのでお口にチャックする。
「……その前に結果を教えてくれ。」
「……そうね。細かい事は後でレイモンドから聞くけれど、第二の試験は合格よ。」
ホッとする。あれだけ私がでしゃばった事をすれば無効になるかと思ってた。
「シン!おm「シンくん!おめでとう!魔法を教えるのが楽しみだなぁ!」
だ・か・ら!私が喋っていたでしょう!
絶対に態とだ!かまって欲しくて態とやってるぞコイツ!
「その前に、ニコラスはお説教ね。シャオリー、中に入りなさい。身体が冷えてしまうわ。」
母の後ろに控えていたレイモンドは素早くニコラスを捕まえた。
あ、やっぱり試験をめちゃくちゃに引っ掻き回した事。怒ってらっしゃる?
「はーい。シン、行きましょう!」
巻き込まれる前に素直に退散しよう。せっかく母が逃げ道をくれたんだもの。
「え~!俺はお姫さまの頼みを聞きにぃ~!イタタタタッ!!もっと優しくしてよ~!」
ハッ!ザマァ!内心指差して爆笑したかったが奴のせいで怒られるのがバカらしいので私はさっさと屋敷に入った。
後ろからシンを抱えたままのロベルトが黙ってついてくるのが見えたので、私の行動は正しかったみたい。




