24話
あー、さっぱりした!お風呂上がりはやっぱりアイスが食べたいよね!
侍女が用意してくれた着替えを着る。
髪を乾かすのにドレッサーの前に座りブラシ型ドライヤーをとる
。
ボタンをカチリと押して温風を出す。
ドライヤーの温度が丁度いいのを確認したら乾かしていく。
ボーッと何も考えていないと前世の事を思い出す。
『風呂上がりにはやっぱり冷えたビールが一番だ。』
前世の父はゲラゲラと笑いながら言っていた。
『もー、お父さんったらそう言って今ので何本目なの?まったくもう。……暁斗もいい加減にゲームを終わらしてお風呂に入りなさい!』
父と中学生だった弟が母に注意されている。
それをBGMに聞き流し、私は最近流行りの曲を口ずさみながら台所の冷凍庫から風呂上がりのアイスを選ぶ。
何気無い日常をまるでテレビでみている感覚で思い出すんだ。
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……そういえば今世でビールを飲んでいる人って周りにいたっけ?
実は前世は未成年だったから飲んだことがないんだよね。
現在もピッチピチの未成年。精神年齢は四捨五入したらオバs……。よし、考えるのをやめよう。虚しくなる。
お酒は早く飲みたいなぁ。此方の飲酒年齢はだいたい16歳ぐらいからOK。北国だともっと早い年齢で飲めるのだとか。……早く大人になりたい。
今世の父と母はワインしか飲まないから此方のビールって美味しいのだろうか?
今度用心棒部門の人に聞いてみようかな。
系列店である酒場でも用心棒として派遣されているし、そのまま仕事終わりに飲む人もいると聞いたことがある。
彼らは私が知らない話もしてくれるから面白い。それを言ってしまうとロベルトに教育に悪いと立ち入り禁止を言い渡されそうだけどね。
……ずいぶん懐かしいことを思い出した。思考もあちらこちらとフラフラしている。今日は全力ダッシュしたから疲れているのかな?
前世の記憶は乙女ゲームを中心に思い出したけど、家族のことや友達。どんな学校に通って勉強してたとかは二の次、三の次。
そう考えると。私、未練がかなり強くない?
いや、未練やガッツで転生した訳ではないと思うけど……。それにしたって、ねぇ?学園に通う年も原作とドンピシャですし。
……舞台化したのが見れない。好きなキャストが出演決定したもんなぁ。今でも心残りだと断言してもいい。
神様のイタズラなのか知らないが推しを救済するチャンスをくれた事に常々感謝してはいるよ。
ただ、懸念があるとすれば私が関わることで歯車が外れてしまわないかと心のどこかで恐怖があるのは確か。
機械仕掛けな運命ではないことを願うばかりだ。
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馴れとは恐ろしいもので無意識に髪を乾かし、腰まである髪をハーフアップに結んだ。
置き時計を見ると長いことお風呂に入浴していたらしい。
夕食の時間まであと二時間程。
時間はまだあるからシンの所へ様子を見に行こうかな?




