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今日の記

今日の記

 平安人も記したという日記というものを私も書いてみようと思う。

 

 人事異動は年度末というところも多いかと思うが、うちの職場は繁忙期をさけ、管理者は二月末。一般職は四月末に異動がある。この期にあわせて退職する人もいる。


 昨日、同期で仲良くしていただいた方が退職した。さびしいなあ、と思いながら出勤すると、あちらもこちらも歯抜けのようにカラのデスクが並んでいた。

 私は人付き合いをしないもので知らなかったのだが、かなりの人数が一気に辞めたらしかった。しかも仕事ができる人がごっそりと。


 はたしてこれでまともに業務が進むのだろうかと思っていたら、案の定、今日の仕事は積帯して残業とあいなった。

 私は失礼して逃げ出したが、これからほぼ毎日残業になるのではないかと危惧している。


 この世には二種類の人がいる。

 仕事は我慢して辛い思いをしてその対価、迷惑料としてお金をもらうのだと思う人。

 もう一種類は仕事とは好きなことを選んで楽しんで、そのおまけにお金が入るという人。

 

 どちらにしても苦労はあるだろうから、楽しむ派だっていつもいつも笑っている訳じゃないだろうけど。

 でも出来ることなら好きなことして暮らしたいよね。

 だから、子供に大きくなったら何になりたいか? って聞くより、大人になってもしたいくらい好きなことはなにか? って聞き続けるといいと思う。そしてそれを実現できる道を一緒に考えてあげるといいと思う。


 従姉妹の話なんだけど、思いで話をしているときにぽつりと


「私、お母さんに反対されて歌手をあきらめたんだよね……」


 って言うからビックリしたんだ。従姉妹がそんなに音楽が好きだとは知らなかったから。その後の二人の会話はこんな感じだった。


「音楽が好きだったんだね」


「ううん、別に」


「歌うことが好きなんじゃないの?」


「うん、好きだよ」


「ボイストレーニングとかしてるの?」


「ううん、まさか」


「えっと、じゃあ、毎日自分で特訓してたり?」


「特訓って?」


「えっと、毎日歌い込んでたりとか」


「カラオケには週一でいくよ」


 さすが私の従姉妹だ、すっとぼけている。と感心した。それが高校卒業の時の話だと言うから、二度ビックリした。従姉妹は歌手になって何をするつもりだったんだろう?

 そんなに好きでもない歌を歌うことをなんで目指したいと思ったんだろう。……まあ、何も考えていなかったというのが正解だろうけど。


 好きなことを仕事にする、というとなぜか歌手だとかプロスポーツ選手だとかを想像してしまうが、みんながみんなそんな仕事を好きなわけじゃない。

 農業が好きな人、和裁が好きな人、ラーメンを作るのがなにより好きな人、子供が好きな人、車が好きな人、みんな苦労はするけれど、好きなことがお金になる喜びは何にも代えがたいものだろう。


そういえば、世の中の人を大きく二つに分けると言ったが、もう1グループがあることを忘れていた。


「仕事? それはいったいどんなものなのかしら。わたくし存じませんことよ」


 まあ、そういうひとにはそういうひとなりの苦労があるんだろう。私には一生知ることはできないけれど。


 さあ、明日も仕事だ。辛く苦しい仕事だ。いつか小説でたべていけるようになりたいものだ。

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