表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒマワリの誓い~郵便猫ルカの配達日誌~  作者: 咲晴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/12

ヒマワリの誓い

 森の向こうの町に戻って、真っ先にオリバーさんへ報告した。

 オリバーさんも急な話で驚いていたが、とても喜んでくれた。


「店のことは心配しなくていいよ。それよりも、ブーケはうちで作らせてくれよ? 結婚式はいつだい?」


 オリバーさんは、早速ブーケ作りに頭がいっぱいのようだったが、私は『まだ決めていない』と伝えた。


「彼は、故郷の湖の向こうの村で教師をしているので、結婚後は帰るつもりです。でもオリバーさん、心配しないでと言いますけど、せめて後任が決まるまでは、私辞めるつもりありませんからね。それまでは結婚しませんから」

「僕の……店のために、それはいけないよ」

「いいえ。このお店は、畳んで欲しくありませんから。それに心配で、安心してお嫁に行けませんよ」


 オリバーさんは、まだ納得していない様子だったけど、しぶしぶ承知してくれた。


「早く、後任を探さないと」



 オリバーさんは、すぐに後任の女の子を見つけてきてくれた。

 それからは、その子に仕事を教える忙しい日々を送っていた。

 とても熱心な子で、安心してお店を任せられると思った。

 オリバーさんも、体調が安定してきていて一安心だ。


 ◆

 

 ミミの元にヒマワリ色の手紙が届いてから、1年近くが過ぎました。

 次の夏が訪れ始め、日に日に暑さが増してきた頃ある日のこと。

 満開のヒマワリが彩る、ヒマワリの丘にたくさんの人が集まっていました。


 集まった人たちは、今か今かと、主役の登場を待ちわびていました。

 やがて、楽しそうな声が重なり、とても賑やかな会場が、次第に拍手の音に変わりました。


 真っ白なウエディングドレスに、オリバーが作ったヒマワリのブーケを持ったミミが現れました。

 会場の手前で待っていたのは、ミナでした。


 ミナは、『おめでとう』と、ミミの頭にシロツメクサの花冠を乗せました。そして、ミミのヴェールを下ろしました。


「ミナさん、お願い聞いてくれてありがとう」

「このくらい、いいのよ」


 それは、ミミがミナに頼んだものでした。


 ミミは、父のエスコートでゆっくりと歩きだしました。

 向かう先には、緊張しているリオが待っています。

 緊張しているリオの顔はなんだか可笑しくて、ミミは、それだけで緊張がほぐれました。



 大好きな場所で、たくさんの人から祝福を受け、幸せなミミに、リオは尋ねました。


「ねえ、本当に良かったの? 憧れのお店で働く夢が、せっかく叶ったのに」

「ふふっ、今更ねえ……良かったのよ、叶ったんだから。それに、オリバーの花屋2号店を村に出すのよ。もう、オリバーさんから許可は貰ってあるの。素敵なお店にするわ。新しい夢がここにあるの。だから、良いのよ」


 急に心配になってしまった様子のリオに、ミミは優しく答えました。


「あの……さ」

「なに?」

「僕、誓うよ――このヒマワリに。ミミちゃんの……僕たちの夢を叶えていくこと。一緒に2人の幸せを見つけることを」

「……私も誓うわ」

 

 ヒマワリの丘に、一筋の優しい風が吹きました。

 青空の下で、元気いっぱいのヒマワリが静かに揺れ、2人を祝福していました。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ