第77部分
ドン引きしている団長と隊長のほうを向き、伝える。
「彼が部隊長だそうです。」
「…そうですね。確かに聞きました。」
再び男のほうを向き質問をする。
「なぜマナトに逃げなかった?マナトで匿ってもらえる約束だっただろ?」
「何故それを??」
手紙を取り出し、ヒラヒラとさせる。
「汚職、逃亡兵、国家反逆、盗賊、誘拐、殺人、強盗、あとはなんだ?強姦や傷害、窃盗かな。思いつくところの罪状を上げてみたけど、部隊長の判決はどうなると思う?」
「死刑しかありません」
再び団長と隊長のほうを振り返り、手紙を見せる。
「この手紙は証拠になるものです。マナトの貴族の名前が書かれています。」
「それは確かなのですか?」
「貴族の名前が書かれていることは誓って事実です。この手紙をお渡ししますので、引き渡す条件を倍にして頂けますか?」
「1人につき10人ということですね」
「はい、その通りです」
「少し集めるのに時間を頂くかもしれませんが、お約束しましょう」
「ありがとうございます。ではこちらをお渡しします。」
手紙を受け取った団長はその中身を読み、険しい顔をしている。
「ヤマト様これは…」
「口外しておりませんし、口外する予定もありません。仲間にも同じことを保証しましょう。」
「ありがとうございます。内容が内容ですので、これは深刻な問題になります」
「ところで、残りの4人の尋問はよろしいのでしょうか?」
隊長が気になったのか、質問してくる。
「私はあまり好みではありませんので、隊長がされてみますか?」
「いや、しかし……」
「ここは私がやります」
団長が名乗り出て、残り4人の尋問は無事に終了した。
騎士団の馬車に5人が載せられ、出発前に団長が聞いてくる。
「ところで奴隷の50人ですが、奴隷商でも始められるのですか?」
「いえいえ、そんなことはしません。畑仕事をして貰おうと思ってまして。」
「なるほど、遂にヤマト様も爵位を。」
「いえ、それはないですよ。」
「…そうですか。そのうち教えて頂けると嬉しいのですが。」
「ローカニルに来られることがありましたら、お越し下さい。分かると思いますので。」
「そうですか。それではこの度はご協力誠にありがとうございます。」
そう言って団長は首都へと馬車を走らせていった。
「残ってる盗賊達はどうするの?」
シャルが聞いてくる。
「本当は作業員にするつもりだったが、犯罪者を近くに住まわせたくない。50人送られてくるから、それまで待てばいいかな。」
「そうね。それがいいと思うわ。女達はどうするの?」
「間違いがあったらいけないので、ダンジョンで確認をしてきて欲しいかな。」
「あら、あれ好みなのかと思ってたわ。」
「それはない。1人を見本にすれば皆話すだろうから、お願いできるかな?」
「分かったわ。5人で行ってくるわね。」
そう言い残して、シャルは女盗賊達を連れてメンヒウダンジョンに向かう。
「ヤマト様、これで盗賊の残党も片付きましたな」
鍛冶師の1人が話しかけてくる。
「そうだね。これでようやくダンジョンの開発に取り掛かれる。」
「そうですね。腰を据えて開発が始まりますね。」
「何か作りたい物とか、試してみたいことはあるかな?」
「はい、お許しを頂ければ、鍛冶師としての名誉を追い求めたいです」
「名誉?」
「はい、いくつか規格外の武器や防具は作らせて頂きましたが、神託を頂いた物です。我が腕で類を見ない規格外の武器や防具を作ってみたいと思います。」
「それはいいね。パトリクの部下も大勢いるから、いろいろと試してくれると助かる。」
「ありがとうございます。鍛冶師の腕が鳴りますわ。」
そんな話をしていると、シャルが女たちを連れて戻ってきた。
「見せしめに選んだ女が強盗。1人は殺人が居たわ。5人が窃盗とかの犯罪だったけど、馬車襲撃に参加してたわ。寛大な心を示す相手は10人ね。」
「その10人の中に警備隊の男と一緒だった者はいるか?」
「いえ、それはいないわ。馬車強盗に参加しているほうね。」
「では10人以外は娼婦だな。10人はダンジョンで何か仕事をさせる。」
「それがいいと思うわ。」
こうして奴隷の処遇も決まり、ローカニルへの帰路に着く。
いよいよダンジョンの開発が始まるのである。




