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17ミザリー

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 そうして正義の心を燃やし、いじめを許さず困っている人がいれば助け、悪を嫌った沙前健次朗と村江弘雅は死んだ。

 残ったのは、読書の世界に溺れる中学生と、バスケに黙々と打ち込み続ける寡黙な中学生であった。

 先生は信用するに足る人間ではない。芳賀山もいじめグループに売られた以上被害者なのかもしれなかったが、しかし助けると誓った自分たちを裏切り、あまつさえ事実をでっち上げて有罪にしてしまった以上、もはや自分たちからしてみれば加害者だ。完全に敵である。

 正しく暴力は、やはり、何も生み出さないのだ、という教訓を得られたから――などと、達観できようはずもなく。中学二年生には、この問題はあまりに大きな出来事すぎた。

 一体いつ、打つ手を間違えたのだろうか。一体どう、手を打っていれば、芳賀山を救うことができたのだろうか。もっとうまくやれば、もっとうまくやれていれば、エラ不細工がいじめグループにいじめる側として所属するようなこともなかったはずだ。

 とにかく残りの中学校一年と四か月の間、自分とムラマサは、死んだように過ごしたのである。


――――「あいつら、みんなしてあたしを捕まえようとしている! あたしが本当のことを話しても、あいつらが耳を藉すと思う? どうなの? そう思うの? いいえ! あたしがあの男に言い寄って、笑いものにされたので殺したんだとか、そんなふうなたわごとを言うだけよ。どうせそうよ!」

 (それでどうなんだ、アニー? 実はそれが真実に近いのじゃないのかね)


 引用はミザリー(スティーブン・キング著)

 小説家がキ○ガイのおばさんに、治療と称して滅茶苦茶にされる話。ハイスクールパニックと同じ作者さんですが、まるっきり毛色が違います。映画化もしてたはずなので、知ってる人はいるはず。

 ひたすら主人公が可哀想なので、ずっとがんばれ! がんばれ! と応援しながら読みました。

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