思いの果て
レース後から1週間。
周りの生徒のロージへのヘイトは高まらなかった。
理由としては単純にアリシアが優勝したということもあるが、主犯格であるステップをかっちり処分する一方で与していたタイラーなどの生徒の処分に恩赦を与えたからだろう。
自分の立場と同じくするものに優しくすれば大体の人間は悪印象は抱かないからな。
こちらの方は上々と言ってもいいだろう。
目下の問題といえば魔王のことか。
行動不能だと思ったらあとで墜落地点を確認すると居なくなってからな。
ないということは生きている可能性が高い。
できれば木っ端微塵に爆発して消えたと思いたいがそう都合のいいことはないからな。
「学園長ただいま参りました」
「おう来てやたぞ。してなんのようじゃ」
はてさてと思っていると呼び出していたミユキさんとマーリンがやってきた。
催促してきたので要件を伝えてやる。
「ロージに採掘物を保護をお願いしていたようですね。優勝するかと思っていたのにおかしいなと思ったら採掘物で時間をロスしたと教えてくれしましたよ。詳しく聞いて回ったら2人ともグルだと言うのもね」
「そ、それは」
「ぬ」
この件に関してこの2人を呼び出したのは単純に俺に話を通してないことが気に入らないからだ。
別に採掘物のことに関して別に気にしないというのに変な気を回されるのは気分が良くない。
2度起きてまた起きても嫌なのでキッパリさせておくことにする。
「言ってくれれば協力したものを。例え気に入らないことでも譲歩も援助もするつもりです。次からは包み隠さずに私にも話をしておいてください」
「今回の件は申し訳ありません。承知しました」
「悪かったの。相了解した。じゃあの」
言いたいことを言うとミユキさんはいつもと同じ感じで粛々と謝ると怒られ慣れていないのか謝りつつマーリンはそそくさと退散していく。
「わかってくれればいいです」
「差し出がましいのですが、これからは協力して頂けると思ってよろしいでしょうか?」
「もちろんです。決して悪いものじゃないどころか学術的にも価値があるものですからね」
「あそこに書かれた歴史をあなたは受け入れられると言うんですか?」
ああ、そういえばモブは終盤で明らかになる改竄される前の歴史について知らないから反感を抱くことが多いんだけか。
もう受け入れられるって言ってしまったしここから軌道修正も無理があるのでこのままにするか。
「ええ、実際に過去の遺物にそう書かれていますし、偏見を持たずに受け入れるべきだと思います」
「事実を事実のまま受け入れる。模範的な学術を取り組む姿勢、尊敬に値すると思います。これからどんな時もあなたに矛先を向けることはないことを誓います」
そう誓うとミユキさんは学園長室から出ていく。
密かに好感度が上がったような感じもするが最初から敵対することもないし対して意味ないな。
「魔王はまたいつ出てくるのかね」
魔王の目的は、生殖機能を損失して朽ちていくだけの魔人たちに変わって今の人々に末路と思いの継承をさせることだが。
これからわかることはテロリストと対して変わらないからゲリラ的に悲惨なことを起こして思いやメッセージを伝えてくるってだけだからな。
「人の末路や思いなんてどんな記録媒体に込めたって失われるんだからそんな過激なことをせずに口づてに伝わっていればラッキーくらいに思えばいいと思うが」
強力な何某かのインパクトがなくて、口づてに何度も渡ってそれでも切り捨てられずに残ったものが本当に伝えられるべきものだと思うしな。
終
──────────────
完結までお読みいただきありがとうございます
途中体調を崩したりとご迷惑をおかけいたしましたが最後までお付き合いいただき感謝の至りです




