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ぱんでみっ!  作者: 陽碧鮮
幕間壱 インテルメッツォ
32/34

淡のマイペースな日々

閑話小話

☆忙しい


淡「最近忙しくて身体が二つほしいです」


秀勝「……そうですか」


淡「仕事、は無理にしても四章で夏休みに入るので、腹いせに海の家でバイトでもさせてみるのはどうでしょうか」


秀勝「多分楽しみますよとか、私情を挟まないでくださいとか、言いたいことは色々ありますが、何よりそのメタ発言はアウトです」



☆妄想


淡「(──このように、私はあらゆることを知る、言うなれば『高次元』の存在。淡SP(アワイスペシャル)とでも呼んでください。そしてこのアワイスペシャルにかかれば──)」


秀勝「先輩、スリーサイズ教えてください」


淡「(こんなことを言わせることも容易いのです。ふふ……)」


──…


咲良「──最近、無表情に定評のある千埜殿が突然ニヤけると、もっぱらの噂でござる」


秀勝「(先輩がどんな妄想をしているのかなんて、一生わからないんだろうな)」



☆予測


淡「(待ってください。この、あらゆる情報を網羅(もうら)する私にかかれば、差し詰め『ラプラスの悪魔』のように、次、誰が、どんなことをするのかを予測することも可能なのでは?)」


秀勝「こんにちは」


淡「(面駅君。ナイスタイミングです。ふむ、私の予測によれば、私がこう言えば面駅君は──)」


淡「面駅君、ズボンを脱いでください」


秀勝「嫌です」


淡「……どこで間違ったのでしょう」



☆黒歴史


淡「現実世界に小説で登場するような中二病って存在するんでしょうか」


秀勝「確かに見ませんけど……唐突なメタ発言やめてください」


淡「精々黒歴史ノートを作るくらいですかね」


秀勝「千埜先輩はそれを平然と聞いて回りそうで怖いです」



☆存在意義


淡「少し気が早いかもしれませんが、私が卒業したときのために今日の委員会活動は傍観に徹することにしましょう」


淡「……暇ですね」


図書委員「委員長! 大変です! 『やつ』が現れました! 私たちではどうすることもできず、委員長だけが頼りです──」


──…


図書委員「──先輩にかかれば、『黒い悪魔』と呼ばれたこいつも何もできませんね。委員長が卒業したら、どうしましょう」


淡「(……私の存在意義とは?)」



☆料理と愛情


淡「(料理は簡単です。なぜならレシピに則って調理していけば、失敗することなどないのだから)」


淡「(しかし、最近読んだ絵本の中で、工場で働くパン職人のおじさんがこう言っていました。おいしくなーれ、と。作るものに愛情を込めるべきだ、と)」


淡「(わからない。愛情? 料理に何の影響が? ……そうかこの前スペイン語を練習した意味は──)」


淡「栗山副委員長。愛情とは何か、一流の料理人になるために、パリへ武者修行に行ってきます」


栗山「なんでやねん⁉︎」



☆人助け


咲良「うぅ…お腹減ったでござるぅ〜……」


淡「呼びましたか? これを食べてください」


咲良「な、何でこんなにリアルな人面パンを……。それに中身は……」


淡「安心してください。中身は白あんを赤黒く着色しただけですから」


咲良「ごめんなさいでござるー!」


淡「行ってしまいました……。やはり、足りないものは愛情ですか」



☆ギャップ萌え


淡「(ギャップ萌えという言葉があるみたいですね。例えば……図書委員でありながらダンスパフォーマンスをする、とかどうでしょうか?)」


淡「そうと決まれば、練習です。アクロバティックなダンスを披露しますよ」


──…


咲良「千埜殿が図書室の本棚の角に足をぶつけて小指を骨折したようでござる」


秀勝「普通ならそんなところで骨折はしない」



☆動かない遊び


淡「もうあんな痛い思いは()()りです。動かずにアクロバティックなもの……けん玉」


淡「ふっ! ……ふっ! ……ふっ!」


淡「……どうやら神は私にけん玉の才能を授けなかったようですね」



☆動かない遊び②


淡「ヨーヨー、花札……。どれも上手くいかず。そろそろ疲れたので、全く動かない遊びがしたいです」


淡「割り箸に輪ゴム。これで射的をしましょう。これなら撃つ動作だけで済みます」


淡「我ながら筋は悪くないですよ…………輪ゴムを撃ち終わってから取りに行くことを考慮していませんでした。次来た人に取ってもらいましょう」



☆動かない遊び③


秀勝「久しぶりに図書室に顔を出しに行こう」


秀勝「着いたけど中が少しうるさいな。まあ、とりあえず中へ入るか」


淡「──いらっしゃい。けん玉に花札、射的にヨーヨーまでありますよ」


秀勝「お祭り⁉︎」



☆イメージチェンジ


淡「(視力の悪い人が眼鏡を掛けたときと同様に、たまには学校で眼鏡を外してみるのも新鮮ですね。……ほとんど見えませんが)」


秀勝「あれ、イメチェンですか?」


淡「(ふむ、ここはあえて人違いをしたふりをして、普段は言えないようなこと伝えてみましょう)」


淡「栗山副委員長、ズボン脱いでください」


秀勝「俺だ、ってわかってますよね?」


淡「……はい」



☆片眼鏡


淡「(片眼鏡、ですか。これなら片目を休ませつつ、眼鏡を使うことができる。考案した人は天才ですよ。早速用意しましょう)」


──…


秀勝「大丈夫ですか? 妙に危なっかしい足取りなんですが」


淡「左右の見え方に差がありすぎて……」


舞姫「私、度が入ってないの使ってるんですけど」


淡「⁉︎」



☆片眼鏡②


淡「──というわけで、片眼鏡の度を抜いてみました」


秀勝「……本末転倒って言葉知ってます?」


淡「おや、栗山副委員長。会ったときはズボンを脱ぐ決まりでしょう」


秀勝「……()りませんね」



☆仕返し


秀勝「千埜先輩をギャフンと言わせたいから作戦を練ってきた。と、噂をすれば──」


淡「おや、こんにちは。とりあえずズボンを脱いでもらえますか?」


秀勝「はい(もちろん体操着を着ているので大丈夫)」


淡「あ、わっわ……」


秀勝「(……初心(うぶ)だった)」


淡「許しません」



☆本音と建前


(ゆう)「わぁ〜遊びに来てくれたんですか〜? 嬉しいです〜!」


淡「(私の能力、『嘘つきは死の始まり(オネスト)』の凄さを確認するには、悪井(あい)さんがうってつけですね)」


淡「悪井さんの一番好きなものはなんですか?」


有「……下僕」


淡「悪井さんの下僕さんたち、主人の一番好きなところは何ですか?」


「「「「「凹凸のない胸部っ!」」」」」


有「……お前ら全員(ムチ)打ちな」


──…


咲良「千埜殿が保健委員長と不仲だという噂は本当でござるか?」


淡「いいえ、仲良いですよ? つい先ほども遊びに行きましたし」



☆マゾヒズム


淡「SMプレイ、ですか。挑戦してみましょう」


淡「というわけで、栗山副委員長。このムチで一度叩いてみてください。委員長命令です」


栗山「嫌と言っても無駄みたいやから、ほい」


淡「っ! ……今日はもうやめにしましょう」


栗山「(相当痛かったんやろなぁ)」



☆サディズム


淡「やられる方は嫌でしたが、やる方は楽しいかもしれません。というわけで面駅君に、この悪井さんから拝借したムチを……」


淡「えい」


秀勝「痛ったい!」


淡「どうですか? 気持ち良かったですか?」


──…


淡「一週間謝り倒して、ようやく許してもらえました。私にSMプレイは向いていませんね」



☆折り紙


淡「紙飛行機が上手く折れません」


栗山「あれ? 委員長何しとるんや?」


淡「ああ、不要な紙で折り紙をと思いまして」


栗山「ならうちも混ぜてもらうで。……よし!」


淡「……スカイフィッシュ?」


栗山「ハリセンや!」


淡「痛っ……そのハリセンは危険なので没取です」



☆折り紙②


淡「気を取り直して、繊細な指を持つ私にかかれば、ご覧の通り──」


淡「鶴の完成です」


栗山「(どう見ても大破した飛行機……なんて繊細な心を持つ委員長には口が裂けても言えへんわ)」



☆ボケ


淡「栗山副委員長、何かボケてください」


淡「(こうしてボケてもらえば、自然な流れで普段のお返し──いいえ、ツッコミを入れられます)」


栗山「え? いやっ、そんな急に言われても……」


淡「貴方には失望しました」



☆ボケ②


栗山「そこまで言うならあんたがやってみいや!」


淡「いいでしょう。四十雀(シジュウカラ)の鳴き声の物真似とか得意ですよ。ごほん……」


淡「チュピチュピチュピチュピ」


栗山「(何でこんな芸を披露した後にあんなドヤ顔ができるのか理解できへん……)」



☆リハーサル


淡「こんにちは、学園の情報屋にして、この『淡のお悩み相談所』の所長である千埜淡です」


淡「え? 相談ですか? はい、いいですよ」


淡「なるほど……後輩と結ばれたい、と」


淡「簡単な話です。想いをそのまま言葉にしてぶつければいいんです」


栗山「委員長何やっとるんや?」


淡「ええ、いずれ発足させる私のお悩み相談所の妄想リハーサルを少々」


栗山「(あかん。触れたらあかんやつや)」



☆リハーサル②


淡「はい、今回の投稿者はラジオネーム『淡』さんからです」


淡「なになに……最近、彼が構ってくれません。どうしたらいいでしょうか? ……なるほど」


淡「これは──」


栗山「委員長‼︎ ほんまに正気に戻ってください!」


淡「(あたかも今、正気に戻ったふりをすることと、暇すぎて一人二役を演じて遊んでいたことを正直に話すこと、どちらが正解なのでしょうか)」



☆記憶喪失


淡「ここはどこ? 私は誰?」


秀勝「何やってるんですか」


淡「記憶喪失ゲームです」


秀勝「楽しいですか?」


淡「ええ、何のしがらみにも囚われていないと考えると自然と楽になるんです」


秀勝「知ってますか? それ、現実逃避っていうんですよ」



☆記憶喪失②


秀勝「(それなら)……あなた、誰ですか?」


淡「私ですよ、あなたの妻の淡です」


秀勝「見たことも聞いたこともありませんね」


淡「……いけずです」

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