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ぱんでみっ!  作者: 陽碧鮮
第壱章 始まる生活 終わる日常
20/34

当日 with……



         ☆


 全く、こんな休日にまで委員会の備品を買いに行けーなんて、委員長は横暴(おーぼー)でござる! 拙者がせっかく風紀の乱れを正そうと委員会に志願したのに。

 まあ、実を言うと、拙者だけがあんなにも怒られたのが不満で、他の生徒たちにもこの思いを味わって貰おうと入ったのでござるが。

 今日は人集りが多すぎて、もうヘトヘトでござるよ。どこか休める場所は…ってもしや、面駅殿?

「おーい、面駅殿ぉ!」

 すごいしかめっ面をされたでござる。全く、面駅殿は素直ではないのだから。

「今日は何用でここに?」

「ああ、姫野と遊ぶ約束しててな」

 姫野、姫野。ああ、あの片眼鏡の女子(おなご)でござるか。あれ? でも——

「面駅殿と姫野殿はそんなに仲がよろしかったのでござるか?拙者が知る限り、二人が話しているところを見たことがないのでござるが」

 面駅殿のバツの悪そうな表情。ムム、拙者に隠し事の予感。

「ま、まあ、この前話して仲良くなったんだよ」

 拙者とはいつも仲良くしてるのに遊びにも誘われない。この不条理(ふじょーり)を許していいものか。いや、ダメでござる!

「拙者も一緒に回るでござる!」

「え?」

「ダメって言われても付いていくでござるよ!」

「うーん、まあいいか」

 これで面駅殿の隠し事を暴くでござるよ。それに…拙者以外の女子と仲良くなんて…なんか嫌でござる!


         ☆


 はぁ、こんな人混みの中を歩いていたら、それだけで気が滅入っちゃうわ。

 まあ、今日のバイキングは楽しみにしてたから、このくらいじゃへこたれないケド。

 そろそろ集合場所ね。あ、いたいた、って忍田と一緒? どういうこと?

「よお、遅かったな」

 なに⁉︎ その女を連れておいて最初の一言が『遅かったな』ですって? ふざけんのも大概にしなさいよ! って我慢我慢。

「…他に言うことは?」

 私は優しいからね。チャンスはちゃんとあげるわ。

「うーん…あ、その格好似合ってるぞ」

「違うでしょ!」

 ま、まあ、そう言われて悪い気はしないけどね?

「面駅殿、拙者は?」

「え? …あーうん。良いと思うぞ。」

「適当でござるよー!」

 なにイチャイチャしてるのよ! 私と約束してたのよね?逆に心配になってきちゃったわ。

「もっと大事なことよ!」

「うーーーん…。あ、忍田とさっき会ってな。一緒に行きたいって言うから別に良いだろ?」

 ……は? こんなことありえる? こんなの極端に言えば、彼女とのデートにセフレ連れてくるようなものよ。勿論極端に言えばよ? 別にカップルでもなんでもないし。

「…帰ろうかしら」

 つい本音が溢れちゃった。いやいやだってこんなこと誰が想像できる? 私は何も悪くないわよ⁉︎

「え、帰るの⁉︎」

 そんなに驚くことでもないでしょ。もしかして自覚ないの? だとしても忍田と私は話したことすらないのよ? 気まずいでしょ!

 私は踵を返して帰ろうとする。すると背後から忍田の声が聞こえた。

「ほう、姫野殿は帰るのでござるか。なら面駅殿、今日は拙者といっぱい遊ぶでござるよ!」

 ……待って。なんか気にくわないわね。そもそも最初に約束してたのは私。こいつは後から勝手に入ってきただけ。私は悪くないの! なら目一杯楽しんでやるわ!

「待ちなさい! 誰が帰るって? 勿論回るに決まってるじゃない。最初に約束してたのはこの()()()なんだから」

「ふふーん、だとしても拙者の方が面駅殿の仲が良いでござるし、というか姫野殿、なんだか学び舎と様子が違うでござるなぁ。面駅殿に色気でも使ってるんじゃないでござるか?」

 この女、私に喧嘩売ってるのね? これは挑戦状と受け取ってもいいのね? やってやろうじゃない。面駅はこの女より私を信頼してるに決まってるし、全く問題ないわ。


         ☆


 はい。というわけで目の前の二人が火花を散らして睨み合ってます。

 勝手に始まりました。こいつら面識なかったはずだけど。

「二人とも落ち着けって」

「落ち着く⁉︎ そもそもあんたが勝手にこの女を連れてこなければ——」

「きゃー、怖いでござるー」

「…………」

 待て、それ以上姫野を挑発しないでくれ。血管が浮き出てるから。

 ここは急な話題変換が吉!というわけで俺は無理矢理話を変える。

「ほら、バイキング行くんだろ? 早く行こうぜ!」

 そういえば三回目か。財布の中身も減っていくし、胃が痛いのも食べ過ぎによる消化不良だけではないはずだ。

「…そうね、せっかく楽しみにしてたんだもの。早く行きましょう」

「スイーツバイキング、拙者も行ってみたかったのでござる!」

 二人を連れて三度目となる道を進む。

「はぁ…」

 こうして最高に危険で、最低に心踊るショッピングが始まった。

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