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異世界血ート剣客 拙者・葵光剣は異世界に貢献するでござる!  作者: 鬼京雅
二幕・異世界転生せし新選組動乱編
24/33

湖の底へ

 拙者とミツバは永倉殿が撤退した東の町から町の外へ出た。

 おそらくこの町の中央地区には土方殿はいない。

 町の外の森のどこかに真のアジトがあるはずでござる。

 二人は森の奥を警戒しながら入り、散策する。

 大きな湖に来た辺りで、湖の前にしゃがむミツバに言う。


「ミツバ、そっちは何か怪しいものはあるでござるか?」


「いーや、無いわね。だってこんな森の中じゃ探すにしてもどうにもならないでしょ? 新選組とか、霊体だしねー。大変だわさ」


「確かに、辺りに特別変わったものも無くただ森が続くばかり。せめて殺気でも感じればいいが、それも無いとなると本当に町の外にアジトがあるかも疑問になって来たでござるな」


「でしょー? 西地区に何だかんだでいるんじゃない? この森は普通過ぎるよ。全然、人の手入れがされてないし、ここはハズレかもね!」


 シュパパッ! と湖に向かい投げた石が水面を伝う。

 鮮やかなその軌跡を見て、拙者は湖の近くに立ち、石を手に取った。


「ていっ!」


「ほえっ!?」


 シュパパッ! とミツバより速度を増した石が水面を伝い、三十以上の跳ねを見せて落ちた。


「な、中々なるわね……こうなったら負けてられないわ!」


「ほーほー。勝負でござるな?」


「そうよ! この勝負に勝ったら、西の町に行ってもう一度調査!」


「ならば、拙者が勝てばここをもっと念入りに調査でござるな?」


「そう! 百番勝負開始!」


「いや、百番もやらぬでござるよ」


 そして、拙者とミツバの戦いは始まったでござる。

 これは元の世界の鴨川で何度か遊んでいたので得意でござるよ。

 この技では拙者には勝てぬであろう。

 三戦して三勝する拙者はふと、我に返る。


「……と、まぁこんな事をしてる場合じゃないでござる」


 と、冷静に今の状況を振り返る。


「永倉殿に沖田殿が東西両方の街にいたとなると、あの土方殿は中央地区にいる可能性があるのは確か……しかし、そこには裏があるであろう」


 そう、東西にいなければ中央という安易な考えでは土方殿には会えないだろう。あの人は裏の裏をかかなくては気が済まぬ捻くれ者でござるからな。いや、裏の裏をかいてもあの人は満足はしない。

 ミツバは湖を見つめているござるな。湖の水面が飛び立つ鳥によって揺らされ、それを拙者は見つめた。すると、ミツバは湖に泳ぐ魚を見て素手で掴んだ!


「おっとっと! 見てアオイ! シャケだよシャケ! 焼いて食べようか?」


「そうでござるな。確かに小腹が空いた……というか、この湖にシャケ? シャケはこの湖ではなく川にしかいないと聞いていたが……」


 カツラ国王から魚の取れる場所、野菜の取れる場所などは聞いていて食用の魚は湖には生息しないと聞いた。ならば何故、この湖に食用のシャケがいるのか……?


「……ほーほー。なるほど、土方殿の好物の魚を思い出したでござるよ」


「もしかしてそれが!」


「シャケでござる」


 と、拙者は土方殿の居場所をあの人の好物でつきとめた。まさか、こんな事でわかるとは……あの人の小姓をしていて良かったでござる。そして、いつの間にかシャケを焼いて木の棒を刺しているミツバはそれをひとかじりし、


「フォー! なら、この湖の下に、本当の新選組のアジトがあるんだね?」


「そうでござるな。この湖の下にこそ、新選組の本拠地がある」


 敵の本拠地は掴めたでござる。

 後は浸入するのみ。

 しかし、ここで一つ大きな問題が出たでござるよ。もし、水中にて敵が現れた場合、水中戦に慣れていない拙者達は明らかに不利でござる。敵地がどこまでの水深にあるかもわからず、敵はどう考えても水中専用の敵が現れるでござろうこらな。


「水中戦か……ちと、辛いな。空気の問題もあるし、どこまで動けるかはわからぬでござる」


「確かに服が濡れたら動きが鈍くなるね……よし! ミツバちゃんに任せんしゃい!」


 バッ! とミツバは素っ裸になったでござる!

 顔を背けつつあたふたする拙者は言う。


「こ、こらミツバ! 何故全裸になる?流石に全裸で泳ぐのもどうかと思うでござるよ」


「見てみ、見てみ? 私の身体をメッチャ見てみ?」


 何故かミツバは拙者に自分の全裸姿を勧めて来る。

 そんなに自信がある身体なのか?

 確かにスタイルは良いが、この状況で何故……?


「……モザイク?」


「そ! モザイクだよ!これなら全裸でもオッケーでしょ! フォー!」


 と、モザイク魔法で身体が見えないミツバは色々な際どいポーズを取る。

 あまり動くとモザイクがズレて大事なブラックホールが見えるでござるよ。


「とは言え、モザイク魔法で無駄な魔力を使うよりも、もっと良い方法があるでござる」


「ん? 何?」


 何故かM字開脚をするミツバを無視し、拙者は羽織袴を脱ぎ捨て、赤褌一枚になり湖に潜った。

 そして、岩場に張り付く海藻を回収したでござる。


「ミツバ、クルクル回るでござる」


「あーれー! アオイに回されるー!」


「誤解を生むような発言は慎むでござる!」


「ほーい、ほーい、フォー!」


 と、言うミツバの合図で胸と下半身に海藻を巻いてあげた。

 そして、ミツバは拙者に海藻を巻きたいらしく下半身にモザイク魔法をかけた。


「よし、アオイのも巻いてあげるよ! それとも、元からついてる海藻を伸ばす?」


「そ、それは無理でござるよ! 拙者はそんな毛深くないでござる! ミツバ、手っ取り早く済ませるでござる!」


「コラ! じっとしてて……」


「わ、わかったでござる……」


 ミツバには母性があるでござるな。

 こうして相手に全てを委ねていると、まるで暖かい湯の中にいるようでござるよ。


「さて、オッケーだよ! ポジションも完璧なはず!」


「ありがとうでござる……て、ポジション?」


 あれ? 握られた?

 そういえば、モザイク魔法では見えなくてもモノはつかめるでござる!


(……)


 まぁ、忘れよう……。


「では気を引き締めて行くでござるよミツバ!」


「あいよ! フォー!」


 そんなこんなで、背中に着ていた服を巻きつけ、身体にワカメを巻いて拙者とミツバは湖の底へ向かい行くでござる。フォー!




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