お前の魅力が理解できない!
さらに調子に乗って3話目を投稿ヽ(*´▽)ノ!
オレはとてもウキウキしていた。いや、ドキドキしていた。
何故なら好きな子に呼び出しをされたからだ。
彼女にアピールしてきて5ヶ月…やっとオレの想いが届いたんだ!
長かった。長かったですとも。オレの中にある変なプライドが彼女に告白させてくれず、逆に彼女から告白させてみせる!と意気込み朝 挨拶したり、委員会の仕事手伝ったり、休み時間話したりとアプローチをかけること5ヶ月。
今やオレが話しかけただけで可愛く頬を染める彼女!もうっっサイッコーに可愛いわけで!
そんなある日。待ちに待った日がやってきたのだ。
「町田くん、その、放課後になったら教室に居てくれないかな…?」
好きな子――藤田さんにそう上目使いでお願いされちゃあ待たないはずないよな!いやお願いされなくともオレは待てるけどな!
放課後、ドキドキしながら教室で待つ。
がらり、扉が開いた。
ああ、藤田さんが来た。相変わらず可愛い。
頬を赤く染めた藤田さん、夕日に照らされた教室。ムードはバッチリ。
「―…町田くん」
あとは彼女の口から「好きだ」という言葉が聞けたr―――
「まっ、米原くんにこの手紙を渡してください!!」
「うん!喜んで!……………………えっ?」
「ほんと!?町田くん、ありがとう!!」
え、ちょ、うん。待て落ち着けオレ。落ち着くんだ…!
スー、ハー。深呼吸、深呼吸をするんだ。
…………………よし。
「え、と。藤田、さん。そのマイバラっていうのは、オレと一緒にいる、あの米原?」
「うん!」
おおう…!キラキラと星が散る笑顔を向けられた。
つい数分前まではその笑顔で一喜一憂できたはずなのに。なのに!
「これは、ラブレター………!!??」
可愛らしい字で【米原 一彦くんへ】と書かれた物に驚くオレに、藤田さんは頬を手で隠しながら恥ずかしそうに喋る。
正直まともに聞けなかったが要約すると、こうだ。
奴のギャップに惚れた。らしい。
つまり、なんだ。オレが話しかけて顔を赤くさせたのは隣に米原がいたからということだから?
確かに1人で藤田さんに話しかけられなかったオレはダチの米原に付き添いを頼んでいた。
もちろん、米原はオレが藤田さんに好意を持っていることなんか知らない。
だってアイツ鈍感だし。
藤田さんはオレに「ありがとう」ともう1回言ってから教室を出ていった。
茫然自失なオレ。
そこに現れたのが幸か不幸か。このラブレターに書かれている名前の男。米原一彦だった。
「町田、遅い。いつまで待たせる気だ」
「今日で処理しきれない悲しい事実に涙を流さす対処しきったオレにお前は酷なことをいうんだなああ!!」
「なんで泣いているんだ、町田。腹でも下したか」
「ホンットお前、デリカシーって言葉知らないよな!!」
そう、この米原一彦はデリカシーの欠片すらない男なのだ。
デリカシーがないから鈍感なんだろうし、鈍感じゃなかったらそれなりに空気だって読んだ発言をするだろ。
「おい町田。泣くな、キモいぞ」
「………………」
藤田さん。今からでも遅くないよ。こんな奴になんのギャップがあるわけなの?
ああ、大丈夫だよ。ラブレターはちゃんと渡すから。渡すから、今だけはきみが好きだというコイツにこの一言だけ言わせてくれ……!
「………米原」
「なんだ」
『お前の魅力が理解出来ない!』