交通手形を貰うには?
ダルム王国王城にて。
少女S「まあ!セングレム様!」
少女Sがセングレムに抱きつく。
セングレム「お、王女、ここは王城です。あまり俺にベタベタされると、あなたのお父上が……」
王女「良いのじゃ良いのじゃ。お父様公認の私の伴侶じゃからのぉ」
セングレム「……」困った顔
ララ「セングレムがたじたじに…」
コト「ははっ、いい気味だ」
リディア「いい気味ですわ」
ララ「2人共……あはは」
王「セングレム、お主が若い娘達の昏睡状態を解いたと聞いた。私の娘もその1人じゃ。その節は本当に感謝しておる」
セングレム「はっ、もったいなきお言葉!」
王「うむ、それで今日は…何故足を運んだのじゃ? 何か問題でも?」
セングレム「実は陛下、この者達もその事件の功労者でして」
王「何!それは誠か!?」
セングレム「はい。それで実はこの者達、南の関所を越えたいらしく、交通手形を欲しております」
王「なるほどな。急ぎ手配させよう」
王女「その話、待ったー!」
セングレム「?!」
王「な、なんだ、どうしたのだミリ」
王女「交通手形が欲しければ、セングレム様……私と正式な交際をするのじゃ」
セングレム「な、なんだって?!」
ララ「きゃっ」
コト「ほう」
リディア「まあ」
セングレム「お、王女。よくお考えになってください。第一歳が離れすぎて」
王女「歳の差など愛があれば問題無いのじゃ」
王「セングレム……我が娘の頼み、聞いてくれるな?」
セングレム「んん…………」
セングレムの頭に困った吹き出しを出す。
ララ「セングレム……お願い」
セングレム「んんん…………っ!」
セングレム(他ならぬララちゃん達の頼みだ……叶えてあげたい)
王「さあ」
王女「さあ」
セングレム「…………」
セングレム「あいわかった! このセングレム、ミリ王女との交際をしよう!」
王「おお!」
王女「おお!」
ララ「ひゅーひゅー」
コト「ほぉ」
リディア「まあまあ」
セングレム「しかしこのセングレム、実はこの者達と魔王退治の旅をしようと考えています」
王「なんと! 魔王退治とな?」
王女「魔王退治?」
ララ「魔王?! いるの? この世界にも」
リディア「いますわよ」
コト「リザイアがいるだろう。恐らく奴は魔王によって生み出された者だろう」
ララ「へ、へぇ〜…そうだったんだ」
セングレム「この者達は魔王退治のために、この俺に力を欲しいと懇願してきました。見ての通りこの者達はか弱き娘達」
コト「あ?」
ララ「コト、ここは抑えて」
セングレム「か弱き娘達だけで魔王退治なんて、それを見過ごせば男が廃るってもんです。ですから俺はこの者達に同行しようと思っております!」
王「なるほど……お前の心意気、私が買った! 交通手形を急ぎ用意させよう」
王女「ちょっと、お父様?」
王「ミリよ……これは男の戦いなのだ」
セングレム「ミリ王女、必ず戻ります。それまでしばしお待ちを」
王女「ちっ……もう少しでお付き合い出来ましたのに」
フェードアウト、フェードイン
王「セングレムよ、これが交通手形じゃ」
セングレム「ありがとうございます」
王「それと……少ないが持っていけ」
王からお金を貰う。
セングレム「陛下……」
王「無事を祈っておるぞ」
セングレム「はっ! 必ずや魔王を退治し、無事に王女の元へと帰って参ります!」
セングレムがララ達の元へと寄る。
コト「上手く話はまとまった様だな」
ララ「これで南の関所を通れるわね」
セングレム「皆すまない。俺のために魔王退治までさせる事になってしまって」
ララ「良いって事よ。魔王なんてやっつけてやるわ」
セングレム「え?……」
ララ「え?」
コト「ララ殿……こいつは魔王を退治する気など更々ない」
ララ「え?! そうなの!?」
リディア「まったく、役者がすぎますわ」
セングレム「ふぅ、もうこの国には戻れないな……戦死した事にして、4人で楽しくひっそりと暮らすか」
ララ「えー……」
リディア「ほんと、どうしようもない人ですわね」
コト「まったくだ」




