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怪物達の狂想曲〜彼方の獣達は電脳の夢を見るか〜  作者: 泥陀羅没地
第三章:魔人と魔女と人街の悪夢
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其々の長

本日の投稿を、2本目は未定です。


思った以上にこの章が長くなっている気がする…気がする。

――カリカリカリカリッ――


其処は朝日が登る現実、空からの陽光も、退屈な日常も…今や私の思考を奪い去る事は出来無い…なぜなら。


(必要な展開は出来た、大枠は〝襲撃〟の皮を被せて、雑兵で不要な役者を排除…問題は)

「〝主役の役数〟が足りない…」


今の私の脳内は、〝これから起こる極上の刺激〟を味わう食卓を整える為に脳がアドレナリンを巡らせ思考が止まらないからだ。


(アーク含め、この街には厄介な聖獣が多く集まっている…流石にベルゼのレベルが相手より上だとしても、複数人相手取るには〝格〟が足りない)


このまま祭りを始める訳には行かない…かと言って準備に時間を掛け過ぎるのも宜しく無い。


「――〝増やす〟か、〝積む〟か…」


この中で選ぶなら――。


――カリカリカリッ――


「――〝こう〟…かしら」


思考が一段落すると…急に世界が活気付く…そんな喧騒に、私は一段落の吐息を吐くと…一度、この巡り過ぎる思考を落ち着かせる様に…この退屈な日常の中に浸かり…目を閉じた。



○●○●○●


――パチャッパチャッパチャッ――


長閑な小川のせせらぎを打ち壊す様に石が跳ねる音が響く…音の道筋を辿れば小川の側に人影が有り…ソレはまるで、暇を潰すように川辺に転がる石を小川へと投げ入れる作業を続けていた。


「3…4…5!――よっし、記録更新ッやっぱ薄い丸い石が最強だな!」


能天気にそう言う彼の姿は人間の様だったが…その額に生え並んだ角と、口から生え揃った牙…そして、そのくすんだ緑の様な肌色が、ソレが〝魔獣〟…〝鬼の系譜〟である事を知らしめる。


「しっかし、まだ〝リーダー〟は来ねぇのかね?」


そんな彼のぼやきが、川のせせらぎに響き渡り…そして、その声にふと何者かが反応する。


「――おやん?…って事はアンタも〝祭り〟の指揮官様かい?」

「お?…そう言うアンタは――」


その声に鬼の男が振り返り、声の主を見やる…すると、その目は驚きに見開かれ…そして、その声には驚愕と…〝畏敬〟が混じり紡がれた。


「ど…ドラゴンッ…!?」


其処には鬼の男の体躯等優に通り越した、凡そ3メートル強はありそうな、黒い鱗の竜が鬼の背後を取っていた。


「惜しいねぇ…残念ながらまだ〝リザード〟何だわ、何れはドラゴン目指してるけどね」


鬼の言葉に竜はそう返すと、その体をみるみる内に縮めて、1メートル程の黒色の蜥蜴に変わる。


「――〝身体調節(サイズ・コントロール)〟…〝身体強化系〟の派生能力だ…コレが有るとステータスをそのままにサイズを縮小出来る…まぁ、アンタにゃ不要だと思うがね」


蜥蜴はそうクツクツと笑いながら、鬼の彼にそう言い…自身の尾を彼へ差し出す。


「俺は〝ファニル〟…北の〝荒野〟出身で…第二エリア〝命奪の荒地〟に拠点を構えてる…最終目標は〝竜、龍〟になる事だ、宜しく」

「応、オレは〝シュテン〟…西の〝森林〟出身、拠点は森林の第二エリア〝肉喰む樹海〟だ、宜しくファニル!」


――グッ!――


二人はそう言い、互いに握手(握尾)を交わしながら、親睦を深めていると…ふと、少し離れた先から話し声が響き渡る。


「――おや?おやおやおやおや〜?…ねぇねぇチサッちチサッち!…もしかしてアレ、もしかするんじゃ〜ないですかニャ〜?」

「ん…〝黒岩蜥蜴オブシディアン・リザード〟LV40帯……〝蛮獣鬼(オーガ)〟LV40帯…2人とも〝彼方の獣(プレイヤー)〟…多分そうだと思う」


その声に二人は振り向き…此方へ向かって元気良く向かって来る〝二人組〟を見て…驚いた様に目を見開く。


「あん?…〝エルフ〟に…〝獣人〟?」


其処には、一見すればエルフの様に耳の尖った美形の少女と、猫耳に猫の尾を生やした少女が居り、その視線は鬼と蜥蜴の己等へと注がれていた。


「いんや…お二人さんもれっきとした魔物だぜ…〝悪精霊(イビル・ウィスプ)〟と〝化猫(ワーキャット)〟…両方LV40帯だ…つっても、どっからどう見ても〝人間〟と変わらねぇ姿だが…」


シュテンの疑問に、ファニルがそう言い…訝しげに二人を見ると、その視線と言葉にに猫の娘はドヤ顔を浮かべながら、ポーズを決めて二人へ自己紹介する。


「ニャフフンッ!…〝ニャミィ〟はれっきとした魔獣何だニャン!…東の〝洞窟〟出身ッ、今は私の友人兼幼馴染のチサッちと、南の第二エリア、〝霧攫いの大湿原〟で同居生活しながら東の第二エリア〝怒眠の高原〟に挑戦中にゃん!」

「どーも…ニャミィの友達のチサト、デス…今後とも、ヨロシク」


二人の少女がそうお辞儀をすると、二人は感心したように二人を見詰めて言葉を交わす。


「おう、オレはシュテンだ――いやしかし、見事に獣人だな…こりゃ、傍目から見ても人間だぜ?」

「ニャッフフフッ、そうなのニャ…この姿のお陰で油断する同種を狩り放題、経験値もうみゃうみゃなのニャ!」

「――はぇぇ、正しく〝猫騙し〟か…しかも純粋な戦闘面でもフィジカルが強えし…魔術方面は其処の嬢ちゃんがカバーか、良く考えてんなぁ」

「ん…ニャミィは再生力とHPが多いから、特攻させて魔術を使えば皆死ぬ」

「――自慢の尻尾に火がつくのも珍しくないにゃね、魔術の喰らい過ぎで〈魔術耐性〉を得たのは中々複雑だったにゃぁ…」

「「おう…そりゃあ……ドンマイ」」

「(ヒューヒュー♪)」



そうして、その場に集った4人が川辺で楽しい雑談を繰り広げていると――。


――バサッ――


「あら――もう皆着いてたのね」

「「「「ッ!?」」」」


不意に、そんな声が空から響き…4人の視線が空を向く…其処には、1羽の大きな鴉が己等を赤い双眸で見下ろしていた。


――バサッ、バサッ――


「うん…うん…〝蛮獣鬼〟に〝黒岩蜥蜴〟、〝化猫〟に〝悪精霊〟…全員がLV40帯の魔物ね…情報通りね」


――ドロォッ――


「「「「ッ…!」」」」


鴉はそう良い、4人の前に舞い降りると…その瞬間身体を融解させて…〝人のカタチ〟を象る…そして。


「それじゃ、早速で悪いけれど付いてきてくれるかしら?…万が一聖獣に情報が漏れると困るから」


その姿を、絶世の美女へと化けさせると…4人をしっとりと見詰め…それから、先頭を進み…4人の〝魔獣〟を引き連れ…川辺の先に有る〝根城〟へと進んでゆくのだった。

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