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怪物達の狂想曲〜彼方の獣達は電脳の夢を見るか〜  作者: 泥陀羅没地
第四章:喪失するは人の記憶、崩壊するは人の境界
134/174

曇天を衝く雷鳴

本日の投稿、2本目は後ほど。

――――――

【無し】 〈状態:雷獣化〉

【雷毛の魔羊サンダー・シープ】LV30/40

HP:8500/8500

MP:9870/9900

空腹:30%


筋力:C+(D+)

速力:C+(D+)

物耐:D+(E+)

魔耐:B−(C−)

知力:C(D)

器用:D−(E−)

信仰:E−(F)

幸運:D(E)


【能力】

〈雷呼び〉、〈豪脚〉、〈不壊の頭蓋〉、〈雷獣化〉、〈戦士の雄叫び〉


【称号】

〈クレイジー・シープ〉、〈狼殺し〉

――――――


「〝狂化〟によるステータス強化に近い?…でも、狂化より遥かに使い勝手が良さそうな能力ね」


アレは難点として馬鹿みたいな魔力消費と敵味方問わずに自動で攻撃しちゃうし…高度な魔術も使えなくなる扱い難い能力だった…。


――ヒュドッ!――


「メェッ!」

「――〈狂化〉の昇華能力…〝属性派生〟って所かしら?」


――ジリィィンッ!――


でも雷は風と水の複合属性だったわよね…って事は、派生の更に先の能力…位置付けとしては妥当な所ね。


――グググッ――


「フィジカルはやや有利、とは言えさっきまでの動きより明らかにキレが増してる…ステータスもそう開きが有るわけじゃないし…油断禁物ね」


――ジャキンッ!――


インベントリから取り出した槍を軽く振り…雷羊を弾き出す。


――ザザザッ!――


「…メェェッ(フルフルフルッ)」


衝突から互いに間合いを稼ぎ…睨み合う…が、雷羊はどういう訳かプルプルと震え…頭を俯かせる……その仕草、放たれる魔力…今までの行動、手にした情報から考えるに、ソレは単なる〝被食者の自覚(恐怖心)〟では無く…寧ろ、その対極。


「〝メェェェェェェッ!!!〟」


歓喜の武者震い(イカれた闘争心)〟の為にこそ、起こった事態なのだと私は理解し…同時に言葉を紡ぐ。


「――えぇ、〝楽しい〟わよね…分かるわよ」


〝共感〟と…〝同族嫌悪〟と…確かな〝高揚〟を…胸の中に押し込めて…。


そして…互いに迫る戦火に身を投げ出して…二度目の接近と、ソレに伴う熾烈な〝殺し合い〟を繰り出した。



●○●○●○


「〝メェッ!〟」


――バチチッ!――


自身の肉体から繰り出す雷撃を…眼前の〝猛者〟へ振るう。


「ッ――フンッ!」


その雷撃を前にその者は長槍を己目掛けて投げ付け…雷撃を引き裂き、巻き上げてゆく。


〝面白い〟……〝雷撃〟が防がれたのは初めてだ…否、そもこうして〝己が挑んでいる〟その時から…〝初めて〟が続いている。


――バキッ!――


大地を踏み砕くように、自らの身を深く鎮める…と、同時にその者は動き出し…私へと迫る…大抵の獣共は…反応すら出来無いと言うのに…この者はやはり…〝面白い〟…。


――ギロッ!――


「ッメェ…!」


槍を避ける、ほんの一瞬の視線の移動…その瞬間、その者は姿を消し、纏わり付く視線だけが己の身に残る。


――トンッ!――


右耳から届く、〝軽やかな着地音〟…跳躍による、一瞬での間合い潰し…そして、次に来るのは――。


――ビリッ!――


「――やるじゃない」


――バチィィィンッ!――


理屈的な思考はなく、直感で自身の行動を選択する…全方位、自身の身体にだけ〝電気〟を奔らせ、身を固める…己が取った最善行動は、その瞬間放たれた強者の脚撃と、鈍い痛みの浸透に悲鳴を上げるが…寸前でソレを耐え凌ぐ。


「メ、メェェッ!」


蹴り飛ばされた衝撃を利用して体勢を立て直す…とは言え、その一撃は予想以上に深刻なのか、己の身体は強く痙攣し…歩けない……しかし、ソレは相手も同じ事―。


――ジュウゥゥゥッ!――


蹴りを放った、見事に鍛えられた右足は…己に触れたと同時に流れ出した高密度な電流によって焼け焦げ…使い物にならない…だからその者は己へ直ぐに追撃する事もない。


「一瞬で防御反応を取った…中々どうして野生の魔物がそんな武芸者紛いの行動を取れるのか…ひょっとして中身が入ってる…何て、そんな訳無いわよね?」


滔々と呟きながら、その者は己の身に走る苦痛を味わう様に目を閉じ…頷く様に咀嚼する。


「…うん、うん……流石は〝第三エリア〟…〝第二エリア〟とは一線を画す〝強者揃い〟じゃない♪」


そして、その目が己へと注がれた時…己は、生まれて初めて……〝恐怖〟を感じた。


――ジィィィッ――


ソレは〝捕食者〟の〝(ソレ)〟だ…己等を喰い殺さんとした、まだ己等の力を知らぬ畜生共が持つのと変わらない〝強者故の傲慢〟のソレ…だが、その瞳…その〝傲慢〟の遥か奥底に覗く〝その光〟は…己等の知り得る範疇を逸脱していた。


瞳の中には…〝地獄〟が有った…ソレは、メラメラと揺れ動き、扇情的に獲物を誘う〝地獄の炎〟…ソレの如き〝殺意〟…その炎の中心には…焼け焦げて黒く染まった影…或いは燃え続ける炭の様に黒く…醜い筈なのに美しさを感じてしまう様な、〝狂気の輝き〟が同居し…地獄の炎と延々と舞踏に興じていた。


「〝気に入ったわ〟…此処も、〝アナタ〟も♪…曇天ばかりなのは景観的には微妙だけど…やっぱり、此処に〝私達の拠点〟を構えましょうか♪」

「ッメェ!」


そんな炎に取り込まれていた己は…ふと、我に返り自身が致命的な失態を晒していたことに怒りを吐き捨てる…。


――ザッ!――


「活きは良し…でも、そろそろ頃合いね♪」


震えは何時しか収まり…己は、あと1度だけ…全力を出せると確信を持ちながら…目の前のソレに挑む様な視線を送る…すると。


――グチュッ、ギュオッ!――


異様な破砕音と、捻れる音を響かせて…その者は脚を治し…槍を投げ捨て…拳を構える。


――ギュッ!――


「ッ――〝本気〟で撃ち込んで上げるわ♪」


その拳からは、先程の槍の比ではない…〝死〟が発せられ…必然的に、コレが最後の衝突で有ると…そう予感させる。


「〝メェ、〟」


其処からは、長く語らう必要も無し…互いに位置に付き、間合いを測り…合図を交わす。


「――〝尋常に〟――」


全余力を、己が武器に注ぎ…両者は、身を沈め…脚に力を込める…そして――。


「「――〝勝負(メェッ!)〟」」


ほぼ同時に…己等は駆け出し…1秒の暇も無く…凄まじい〝衝突音〟が曇天の高原を衝いた。

第三エリアの初エネミーが濃い、濃すぎる…戦闘狂武人系電気羊…次話は掲示板回と、この戦闘の決着から執筆する予定で御座います。

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― 新着の感想 ―
…某神になった猪くらいの感じだったか。 というか、能力的にはそれと機械使いにやられた雷系の鬼の長合わせた感じだな。 …何気にエリアボスには雷系いないな。 …ああ、あの作品考えると一話で出落ちしていっ…
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