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「異世界レシピ」スキルで新人ギルドを全力サポートして、成り上がります!  作者: 沢野 りお
新しい仲間は凄い人

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違う町のダンジョン

中級ダンジョンは既に二十階までは踏破済ですが、ハズレドロップが「お茶の葉」「ミリン」と、あまり皆さんが喜ぶアイテムではなかったので、どちらかというと魔物を倒して素材集めを頑張ってました。


いやいや、正しい冒険者のダンジョン攻略なんですけどね、魔物を倒してアイテムゲットするって。

でも、テンションの上がるハズレドロップに巡り会えなかったせいか、中級ダンジョンの攻略はゆっくりとしたスピードでした。

ハルトムートさんの怪我もありましたし……。


しかし、ハルトムートさんの足の状態もバッチリだし、チュウのレシピで食いしん坊魂に火か付いたぼくたちは、今回は二十五階、三十階のボス部屋を目指します。


「なんで二十階からスタートしなかったんです?」


ぼくは走りながら首を傾げた。


「ハズレドロップが大きな目的だが、ギルドの買取窓口にもそれなりの魔物の素材を出さないと疑われるからな、二十階までの魔物を倒して誤魔化そうと思ったんだ」


「はぁ、そうですか」


あれ? ぼくたち「白い輪」ギルドってまだまだ駆け出しのギルドで中級ダンジョン攻略もじっくり時間をかけてしようとか、話し合っていましたよね?

いくらハルトムートさんが全盛期と同じ動きができるようになったからって、中級ダンジョンを踏破するのはまだ早いんじゃないですか?


「別に中級ダンジョンを踏破したら、すぐに上級ダンジョンに挑戦しなきゃいけないわけじゃない。むしろ、中級ダンジョンを攻略したあとは、他の町にある中級ダンジョン巡りをするもんだぜ」


双剣で左右の魔物を切り刻みながら、走るスピードを落とさないハルトムートさんがぼくの疑問に答えてくれた。

ハルトムートさんが倒した魔物が落とすアイテムを、ビアンカさんがひょいひょいと拾って走る。


「他の町ですかぁ」


ぼくたちのギルドは、オスカーさんのご実家の助力で立派な馬車も馬もあるし、ミアさんがギルドハウスに住み込みとなったから留守番にも困らないし……ギルドランクも上がって他の町での活動も許可されたから、違う場所のダンジョン攻略も挑戦できますけど。


「なあに? クルトは他の町に行きたくないの?」


ビアンカさんが片手にドロップアイテムのポーションの瓶、同じく片手に鎖鎌を持って、ぼくの顔を心配そうに覗きこむ。

ちょっと、手に持っているドロップアイテムを早く鞄にしまってください。


「いえ、違う町に行くのも楽しそうですけど、うっかりぼくのスキルが面倒なことにならないか、ちょっと心配です」


『異世界レシピ』のスキルは『器用貧乏』スキル持ちのぼくを助けてくれたけど、絶対に人に知られてはいけないスキルだと思う。

まず三人のおじさん、カズとヨウとチュウの存在は極秘だし、ぼくの影響を受けていると思われるスライムのレオも見られてはいけない。

魔法スキルを持ってないぼくが、規格外の『生活魔法』を使っているところを見られるのもアウトだと思うし。


そんなぼくが、ひょいひょいと他の町のダンジョン攻略に行っても大丈夫なのかな?










ズズーッと、ダンジョン十五階で手に入れたハズレドロップの「緑茶」を淹れて休憩中です。

ハルトムートさんの宣言どおり、ここまで駆け抜けてきました。

十五階のボスモンスターもさっくり瞬殺です。

ちなみに大きなバッタさんで、他の魔物も虫系モンスターでした。

唯一の女性冒険者ビアンカさんは無表情でナイフで魔物を切り捨ててましたが、ディータさんはちょっと顔を歪めながら盾で防いでました。

もしかして、ディータさんは虫苦手?


「中級ダンジョンを踏破したら次はどうするか? 上級ダンジョンに挑戦してもいいが、他の町のダンジョンに挑戦してもいいと思うぜ」


片手でクイッと茶碗を傾け喉を潤すワイルドなハルトムートさんは、ぼくでも挑戦できる他の町のダンジョンを教えてくれます。

同じバルツァー公爵家の領地内にあるダンジョンだと、鉱山ダンジョンが中級にランク付けされている。

出没する魔物にゴーレムが多いのが特徴で、ドロップアイテムには鉱物や宝石が多いため、お金を稼ぐのには最適なダンジョンらしい。

他には湖の中に広がる水中ダンジョンがあり、こちらはナビゲーターとして人魚族がおり、彼らに気に入られると人魚族の棲む集落へと招待されるとか。


「他の領地にもいろいろあるぞ。海のダンジョンとかは海賊のお宝もあるし、天空のダンジョンと言われる高山の頂にあるダンジョンは、最後のボスモンスターがドラゴンだ」


「ドラゴンですか?」


「おう! ま、戦うわけじゃない。最後の難関ではあるが、長寿で暇しているドラゴンが面白いって思う話をすればクリアだ」


…………。

なんですか、それ?


「ハルトムートは、そのダンジョンを攻略できたの?」


緑茶と一緒に配ったショーユ味のお煎餅をポリポリしながら、ビアンカさんが無邪気に問う。


「もちろん! 俺様の武勇伝に腹を抱えて笑っていたぜ」


武勇伝って笑える話だったけ?


「クルトもそうだが、まだまだ私たちは経験不足だ。上級ダンジョンに挑戦する前に他の中級ダンジョンも攻略していこう。それと……」


オスカーさんが言いよどんだことを、スッパリとビアンカさんが口にしてしまう。


「メンバーの増員よね!」


そうだった! ハルトムートさんが前衛として正式に加入したけれど、まだまだぼくたちのギルドは人手不足だったんだ。


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