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「異世界レシピ」スキルで新人ギルドを全力サポートして、成り上がります!  作者: 沢野 りお
新しい仲間は凄い人

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チュウのレシピ

オスカーさんがギルドマスターを務める「白い輪」ギルドは順調に活動しています。

中級ダンジョンの攻略は急ぐことなく、ビアンカさんとディーターさんのレベルアップに費やしてます。

ハズレドロップも取りこぼしなく集めていますよ。

初級ダンジョンにも潜って「ショーユ」や「ショーガ」、「コメ」を補充しているんです。

皆さん、よく食べますからすぐになくなってしまい、初級ダンジョンへのアタック回数を無駄に増やしているぼくらです。


今日はお休みの日。

オスカーさんは教会に行って治癒士としてのお仕事と、夜はギルド職員さんによる親睦会に出席の予定。

この親睦会で齎される情報はなかなかに重要らしく、駆け出しギルドマスターは絶対参加するべきと、ハルトムートさんが熱弁していました。

この親睦会には、ハルトムートさんも顔つなぎのため出席です。

ミアさんが「どうせお酒を無料飲みしたいだけでしょ」とプリプリしていましたが、彼女もビアンカさんに新しく開店した甘味屋への誘いに、ニマニマした顔ででかけて行きました。

ディータさんはそろそろギルドの資金が貯まってきたので、盾を新調するのに武器防具屋巡りをするそうです。

……たぶん、ビアンカさんたちと一緒に甘味屋さん巡りもしていると思います。

いや、もしかしたらそっちが本命?


とにかく、今日は珍しくギルドハウスにぼく一人でお留守番……。


「イタッ!」


ぽよよん。

レオのぽよよんボディアタックを脇腹にくらってしまいました。


「ご、ごめんね、レオ。そうだね、ぼくとレオでお留守番だよね」


ひょいとレオの体を持ち上げて、素直に頭を下げて謝りました。

ぷるんとかわいく揺れて、レオも許してくれたみたいです。


「じゃあ、お掃除でもしようか?」


ぷるん、とぼくの腕の中から飛び出して、レオが部屋の扉の前でぼくを待つ。

うーん、久しぶりに今日は外壁掃除もしちゃおうかなーっ。


「坊主(マスター)、休みじゃないのか?」


カズの声が聞こえた気がしたけど、鼻歌混じりのぼくの足は止まらないのだった。















「ふうーっ」


今日もよく働いた。

屋敷中のお掃除、と言っても個人の部屋は自分ですることになっているので、それ以外と、外壁、お庭と厩や家畜スペースのお掃除。

花や薬草の手入れ。

お馬さんは、オスカーさんとハルトムートさんで毎朝お世話しているので、ぼくのやることはなし。


お掃除の後は、薬草を摘んで地下の調剤室でポーション作り。

『異世界レシピ』の「家庭の医学」能力で、ポーション作りもほぼ失敗しなくなりました。

このポーション作りで「家庭の医学」のレベルアップにもなるらしく、ぼくの能力も順調にレベルアップしているのです。

えっへん。


しかもこの「家庭の医学」ってば、初級ポーションとかの薬品作りはもちろん、石鹸や洗剤も作れるようにレシピを教えてくれるんだ。

このレシピに、何よりもビアンカさんとミアさんが喜んだ。

この立派なギルドハウスにあるお風呂に毎日入ることができて、しかもぼくお手製の石鹸や髪を洗う専用洗剤の使い込ごちの良さ!

女の人が喜ぶようにと洋のおじさんに助言をもらい、お庭に咲いているお花で作った香料を混ぜたのが大正解だったらしい。


うむ、地味に『異世界レシピ』とそれを使うための『器用貧乏』がいい仕事をしている。


今日も満足なぼくは地下から一階へと戻り、キッチンへ。

レオにミアさんが作ってくれた小さなエプロンを着けてあげて、ぼくもオスカーさんが買ってくれたエプロンをします。


「さぁ、今日は何を作ろうか?」


まず晩ご飯を食べるのはビアンカさん、ディータさん、ミアさんだ。

オスカーさんとハルトムートさんは親睦会で済ませてくるはず……だよね?


「うむ、マスター。軽食を用意しておいたらどうか?」


ポンッと洋のおじさん、ヨウが提案する。


「酒を飲んで帰ってきたら、小腹が減るものさ」


ポンッと今度は腕を組んだ和のおじさん、カズが出てくる。


「そろそろ、ワレの料理が作りたいのぅ」


ポンッと中のおじさん、チュウがしょんぼりしながら登場した。


「そういえば。カズやヨウのレシピでは色々作ったけど、チュウのレシピってあんまり……」


ぼくが今までの料理レシピを思い出して呟くと、チュウの両目からブワッと涙が溢れた。


「そうじゃ! 材料がそろわずにいっっつも後回しにされているんじゃ。ワレも料理をマスターに教えたーい!」


さめざめと泣き出したチュウをカズとヨウが慰めている。

う、うーん、でもなぁ、チュウのレシピって辛いんでしょ?

みんな、甘いのは大丈夫だけど、辛い料理はとうかな?

まず、ぼくが苦手だよ?


「……辛くなければいいんじゃな!」


グイッと顔を近づけて殺気混じりに問いかけられ、う、うんとビクビクしながら頷く。


「じゃあ、今日は酔っ払いも大好き! ギョーザを作るぞい!」


おーっ! と三人の小さなおじさんが右手を高々と突き上げるけど……ギョーザってなに?


「レオ? なんで君まで右手を上げて気合を入れているの?」


ぼくの足元でレオがみょんと触手を伸ばして、天に突き上げ気合を入れていた。


ギョーザ。

美味しいのかな?





いつもご愛読くださり、ありがとうございます!

別ファンタジー作品「ちびっこ転生日記帳」も無事に書籍化が決まりました。

Amazon様で予約も始まっています。

どうぞよろしくお願いいたします。


今週は、私用多忙につき更新を休ませていただきます。

来週から、更新いたします。

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