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「異世界レシピ」スキルで新人ギルドを全力サポートして、成り上がります!  作者: 沢野 りお
ギルド

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新しいスライムたち

お昼ご飯をみんなで食べて、スライム捕獲組みと買い出し組みに分かれて出かけました。

ギルドハウスに誰もいなくなるので、しっかりと施錠してお出かけです。

ああ、ちゃんと正面扉にも鍵をかけましたよ?

ゲレオンさんが壊れた扉を直してくれましたから。


「とりあえずの応急処理でさぁ。明日にはキチンと直しておきやす」


そのゲレオンさんの言葉に、眼鏡をかけた鼠の獣人さんが扉や壁のあちこちを測ってたけど、ちゃんと正面扉から出入りできるようになりたいものです。

でも、リフォーム完成したら正面扉はギルドへの扉になるので、ぼくたちは裏の扉から出入りするんですけど。

でも、楽しみです!


「じゃあ、行こう」


ガチャリと扉に鍵をかけたオスカーさんの後を追って、ぼくとレオは駆け出しました。









夕方。

ぼくとディーターさんは満足気なホクホク顔で帰宅しました。

お菓子作りに必要な食材はほぼ買い揃えることができたからです。

ぼくの謎のスキル『異世界レシピ』も大活躍で、店先を覗くとピコピコと半透明な画面で買うべき食材を教えてくれました。


ディーターさんは「そんなの買ってどうするだ?」と口に出して質問してくることもなく、ぼくが買った荷物をいくつも持ってくれたのです。

いやぁ、実際「何に使う?」と聞かれても、わかる物とわからない物があったから困っちゃうんだけどね。

小麦粉もいっぱい買ったし、バターも砂糖も買えました。

クルミとかの木の実類やドライフルーツとかも買い足しできたので、お菓子だけでなくパンを焼いてもいいかもしれません。

ふふふ、明日から頑張らなきゃ!


「ああ、オスカーたちも帰ってきているな」


ディーターさんの言葉に屋敷へと目を向けると、なんかオスカーさんとビアンカさんの前に、スライムたちが一列に並んでいるみたいなのですが?


「オスカーさーん!」


ぼくが大声でオスカーさんを呼ぶと、彼はとっても困ったように眉を下げてハハハと疲れた笑いを発した。


「「?」」


ディーターさんと顔を見合わせて首を傾げたぼくは、とにかく急ぎ足でオスカーさんたちの元へと。


「どうしたんですか?」


オスカーさんの隣では、ビアンカさんがやっぱりちょっと困った顔で一列に並んだスライムたちを指差す。

ぼくは並んだスライムたちを何気なく数えてみた。

いーち、にー、さーん……スライム、多くないですか?


レオがぴょんとぼくに寄ってきて、なんとなく胸を張って褒められ待ちをしているようだけど。

期待に応えて、レオの体を抱っこしてあげよう。


「レオ、オスカーさんたちを手伝ってくれてありがとう」


レオのツルツルボディを撫でながら、改めて新しく増えたスライムを眺める。

水色スライムが六匹と茶色スライムが三匹。

チラッとオスカーさんに視線を投げると、オスカーさんは髪の毛を掻き上げてふぅーっと息を吐く。


「ゲレオンたちが泊っている宿に寄って必要なスライムの数を確認して向かったんだが……。そのぅ、レオがな……水色スライムを捕獲しすぎてしまって」


ゲレオンさんの意見では、茶色スライムは表庭に一匹、裏庭に一匹、ゴミ処理に一匹、家畜や馬用に一匹いたほうがいいとのこと。

水色スライムについては、どうやら、トイレやお風呂を増設するので浄化槽を大きい物に変える予定らしく、二匹程必要だったらしい。

でも、水色スライム、六匹いますよ?


「レオ?」


レオがギルドハウスに六匹の新しい水色スライムが必要だと思ったんだよね?

どうしてだろう?


「まさか、もっといっぱい仲間が欲しかったとか?」


さすがにそんな理由でスライムを連れてきたのなら、叱らないといけないんだけど……。

ぼくとレオとの間に流れる微妙な空気を呼んだビアンカさんは、ディーターさんと合流すると「買ってきた物をしまうんでしょ? 手伝うわ」と言ってさりげなくギルドハウスの中へと入っていった。

ぼくとレオが見つめ合うこと数秒間……レオは無邪気に体を傾いでみせた。

まるで、「なんのこと?」と疑問に思っている風に。


「オスカーさん。レオなりに理由があるみたいですけど、ぼくにはわかりません」


「そうか。ま、多くても問題はないんだが、テイマーがいるギルドじゃないからな。餌不足だと思ったらいなくなってしまうかもしれない」


スライムをティムする必要はないが、十分な餌が無ければ餌を求めて違う場所に移動してしまう。

でも……このスライムたちは大丈夫だと思います。


「レオが教育的指導を行って統率が取れるので」


今もぼくの腕の中からぴょんと飛び降りて、新スライムたちにビシバシと触手を振り回しているレオ。


「そうかもなぁ」


オスカーさんが現実逃避するように遠い目を暮れゆくお空に向けました。


「だから、スライムと意思疎通できるのはおかしいし、スライム同士で上下関係ができるのもおかしい……」


ブツブツ小声でオスカーさんが何かを呟いているけど、なんだろう?


ちなみにゲレオンさんたち大工さんは、水色スライムのことを「ウォータースライム」と呼び、茶色スライムのことを「ディスポスライム」と呼んでいるんだって。

ぼくたちも今後はスライムをそう呼ぶことにしました。


え? レオはウォータースライムなのかって? 

さあ? レオはレオです!


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