其の壱百八「この話、本当なんです」(最終回)
ここまで語ったのは、もしかすると、これから広まるかもしれない――
いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。
これを含めて全部で壱百八話。どれも短い物語。
その中には、時に背筋をゾゾゾと冷たいものが走り抜け、
時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、
時に“見てはいけないもの”が見えてしまったこともあったかもしれません。
この話は、霊感もなければ特別な体験もない。
幽霊を見たことも、怪奇現象に巻き込まれたこともない。
そんな私が、さまざまなアイデアを拾い集めて物語にしたものです。
なぜ壱百八話なのか。今となっては思い出せません。
ですが、多分ただの思いつきです。
煩悩の数とも言われる一〇八――その数字がふっと降りてきただけ。
その程度の、根拠のない思いつきです。
そして、どの話も私の創作です。実際に起きた出来事ではありません。
……しかし、書いている間、時々ぞわっと奇妙な感覚に襲われることがありました。
まるで“誰かが私の手を借りて書かせている”ような。
そんな気配が、背後に立っているように感じたこともあります。
それはそれとして――
最後に、本当のことをお話しようと思います。
これらの話は、すべて作り話だと思いましたか?
大変申し訳ありません。
この一〇八の物語には、いくつか「本当の話」が存在します。
その中には……私が創作した一〇八の怖い話の中に、
“実際はもっと怖い実話をもとにした創作怪談”が一本だけあります。
それがどれなのか。そして実際はどんな出来事なのかは、
いずれどこかでお話ししたいと思いますが――これを本当に語ってしまっていいものかどうか……
信じるかどうかは、あなた次第です。
ただひとつだけ言えるのは――
この話、本当なんです。




