おにぎりパーティー 3 ☆彡
園児たちのおにぎりパーティーも無事に終わり、園児たちがお昼寝に向かったその後のお部屋。
ドアがそおっと開きます。
「はあ、お米の良い匂い……じゅるり」
「ご飯、まだ残っていますよ。人間たちはどれだけ白米を炊いたんですかね」
「お兄ちゃーん、わたしお腹空いた~」
「シーっ!」
何だか、小さな影がちょこちょこと動いています。
猫さんたちです。
猫さん隊です。
ミルクラテ色をした猫さんに、茶トラの兄妹猫さん、真っ白な猫さん。
どうやら、お外から様子を見ていたのはこの猫さんたちみたいです。
「人間たちはどうやらこのご飯で『おにぎり』とやらを作っていたみたいですよ」
「お兄ちゃん、おにぎりってなあに?」
「おにぎりとはなあ……」
「おにぎりとは」
「なあんだろうにゃあ?」
「……」
そんな猫さんたちの会話を聞いていたのは、近くの木に居たカラスさん。
呆れてついつい嘴を突っ込んでいました。
「おにぎりも知らないのかい!」
バサバサと羽を広げて窓からお部屋に降り立ちます。
「「「「さとカラスさん!」」」」
「そうさ、さと☆からすさ。まあ、それはさておき。いいかい、猫さんたちよ。おにぎりとはなあ」
「シャケにゃあ~!!」
ミルクラテ色をした猫さんがお皿に残っていた具のシャケを見つけて飛び上がります。
「シャケ!」
さとカラスさんも目の色を変えて鳴きました。
「人間のシャケのおにぎりをかっぱらってから好物で好物で。ああ、もう一回食べたい」
「握って差し上げましょうか」
「ほんとカア!」
真っ白な猫さんの言葉にさとカラスさんがバサバサと羽を撒き散らす勢いで羽ばたきます。
「マネキさんはおにぎりしってるの?」
どうやら、真っ白な猫さんは名前があるみたいですね。
真っ白な猫さんは頷くと、
「ご主人様がよく分けてくれるのですよ。辛子高菜の油炒めをからし明太マヨネーズであえたヤツがそりゃあ美味しいのです」
とうっとりとして言いました。
マネキさんはグルメ猫さんですね。
さてさて、猫さんたちはテーブルの上に合った具材を集めてみました。
さとカラスさんも協力します。
「結構残ってたカア」
「勿体ないにゃあ!」
そうですね、今の時代はSDGsですもんね。
それはさておき。
猫さんたちはさっそくおにぎりを作ってみることにしました。
「「「「おっにぎっり、おっにぎっり♪」」」」
歌まで歌って楽しそう!
さとカラスさんはちょっと無理だから、見学して待っています。
「出来たにゃあ♪」
「お兄ちゃん出来たよ!」
茶トラの妹さんは何を作ったのかな?
「わたしねー。海苔は味付けのぱりぱりにしてみたんだ! でねでね明太子っていうのにしてみたよ」
そしてぱくり。
「美味しい~♪」
「カア、やっぱりシャケは美味いぞ!」
「しゃけ最高~」
さとカラスさんもおにぎりを突っつきながら食べています。ミルクラテ色をした猫さんもどうやらしゃけみたいですよ。
「で、貴方は何を作ったのですか?」
妹と同じくぱりぱり海苔のおにぎりを夢中で頬張っている茶トラのお兄さん猫にマネキさんが尋ねます。
「うんまうんま……。えっとお。なんか赤いプチプチしたものだけど」
「ああ。すじこのおにぎり。貴方やりますね」
皆さん知っていましたか?
すじこはいくらとは違うんです。
説明すると難しいんで、まあ、ウィキペディアを参照してくださいな。
何だか、盛り上がって来ていますね。
「「チュウ。僕も混ぜて~!」」
おや。下の方から声がしますよ。
「チュウ。僕はおかか醤油で食べたいでチュウ」
「チュウ。僕はしっとり海苔のほうがいいでチュウ。や、焼きおにぎりって出来ますか?」
小さなねずみさんと、ハツカネズミさんです。
焼きおにぎりを恥ずかしそうに注文している方はハツカネズミさんです。
「好きなのは秘密でチュウ」
「おい、おらのは持ってきてくれー!」
何処から声がするかと思えば、廊下のゲージの網目から身を乗り出してモルモットのしーくんです。
「何がいいのですか?」
マネキさんがゲージの前までやってきました。
みんなの先生みたいですね。
「梅干し! 海苔はバキバキでお願い☆」
しーくん海苔がバキバキが好みなんですね。
こうやって、みんながおにぎりを食べていると動物たちのおにぎりパーティー開催中みたいでとても楽しそうですよ?
「「「私たちも混ぜてー‼」」」
お読み下さり、本当にありがとうございます!