表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
678/680

掃除

 私が踊る日に、露店を出したいと言ってきた人が帰る。

 暫くすると、稲荷神社の遣いの人が近づいて来た事に気がつく。


 私は(やしろ)に向かって、


(ようや)く、来たようですよ。」


と呼びかけた。これで、社の中に戻る事が出来る。

 社の中から、佳央様の、


「そうみたいね。」


と答える声がする。私は、


「はい。」


相槌(あいづち)を打ち、次の言葉を待ったが、誰も次の言葉を掛けてこない。

 私は仕方がないので、


「では、佳央様。

 出迎えるのに掃除道具を持っているのも変ですので、取りに来て下さい。」


とお願いしたが。佳央様は、


「別に、良いんじゃない?」


と心外な返事。

 私は、


「古川様。

 私も、中で待っていた方が良いですよね。」


と呼びかけると、古川様は、


「そう・・・ね。」


と同意した。私は、


「そういう事ですので、掃除道具の回収をお願いします。」


と改めて言うと、佳央様は、


「分かったわ。」


とゆっくり立ち上がった。

 佳央様はこちらに歩くながら、


「でも、帰った後も掃除を続けるなら、片付けなくても良いんじゃない?」


と指摘する。私は、


「掃除は、参拝客に来た理由を(たず)ねるための口実でしたよね?」


と反論すると、佳央様は、


「そうね。

 でも、そろそろ掃除をした方が良いんじゃない?」


反駁(はんばく)

 すると、氷川様も、


「建物が新しいから気づかたんだが、やっておらんのか?」


とこの会話に入ってきた。古川様が、


「強力な呪い(紫魔法)で、・・・保護しているから・・・ね。

 当分は・・・不要・・・よ。」


と答えたが、氷川様は、


「それで傷は付かぬじゃろうが、最低限のは必要じゃろうが。

 砂埃やら、落ち葉やら。」


と文句を付ける。佳央様が、


「気になるなら、氷川様がやれば良いんじゃない?」


と提案。だが、古川様は、


「面倒事を、・・・思いついた人がやれば良いというのは駄目、・・・かな。

 それだと、・・・誰も提案しなくなるから・・・ね。」


却下(きゃっか)した。私は、確かに、それだと誰も指摘したがらなくなるなと思い、


「そうですね。」


と同意すると、氷川様は、


「うむ。

 しかし、誰かがやらねばならぬ。」


と思案顔になる。

 古川様が、


氏子(うじこ)が沢山いたら、・・・当番制で人を出してもらう事も・・・出来るのだけど・・・ね。」


と少し溜息(ためいき)()く。私は、


「他所の神社では、そのようにしているので?」


と聞くと、古川様は、


「小さな神社や(ほこら)は、・・・近くの集落で・・・管理している場合が多いの・・・よ。」


と答えた。

 氷川様が、


「稲荷神社では、自分達でやっておるが・・・。」


と首を(ひね)ったが、あそこの神社は人手がある。

 私は、


「竜山神社が、大きさ的にも参考になるかもしれませんね。」


と話すと、古川様も、


「そう・・・ね。」


と頷く。私が、


「では、明日の話し合いの後、それとなく聞いてみますね。」


と伝えると、氷川様は、


「そうじゃな。

 あまりそういった話はせぬものじゃが、問題ないじゃろう。」


と許可を出した。古川様が、眉間(みけん)(しわ)を作る。

 私は、小言が始まる前にと思い、


「はい。」


と同意した後、ふと思い、


「・・・覚えていればですが。」


と忘れた時の為の予防線を張ったのだった。


 本日、かなり短めです。

 後書きも、お休みです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ