表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
651/680

一緒に動くと対策されてしまいます

 目を開けて、改めて周囲を確認する。

 古川様は私を見ていたが、氷川様と佳央様は別の作業を始めている。

 そして、今も子狐達は、見つからない。


 瞑想(めいそう)中、禍津日神(まがつひのかみ)()御霊(みたま)から、この辺りで稲荷神の力と念話は封じられていると聞いた。そして、その影響で稲荷神の眷属(けんぞく)も見えなくなっているとも。

 子狐達も狐は狐。稲荷神の眷属に含まれるに違いない。

 だが、竜の巫女様は、子狐達が仲間の所に戻ろうとしていると言ってた。


──どうして、竜の巫女様は子狐達を追う事が出来るのか?


 ふと、そのような疑問が頭を()ぎった。

 が、すぐ、単に結界の外に子狐達がいるからだという事に気がついた。


 古川様から、


「何か、・・・言われた・・・の?」


と心配顔で聞いてきた。恐らく、私が目を開けてから周囲を見回したりしていたので、動揺(どうよう)しているのだろうと勘違(かんちが)いしたようだ。

 私は、一先(ひとま)ず、


「いえ。

 何が起きているか、聞いただけです。」


と否定した。氷川様と佳央様も、私を見る。

 佳央様が、


「で、どうだったの?」


と確認する。

 私は、


「はい。

 この周囲に、結界が張られているのだそうです。」


と答えると、氷川様が、


「どんな結界じゃ?」


と合の手を入れた。

 私が、


「この辺りの稲荷神の力が、封じられているのだそうです。

 後、念話も。」


簡潔(かんけつ)に説明すると、氷川様は、


「稲荷神の力もじゃと?」


と目を丸くした。私は、


「はい。」


(うなづ)くと、氷川様は、


「それは、本当か?」


と念を押してきた。私はもう一度、


「はい。」


と答えると、氷川様は、


「そのような事があるのか?」


と確認した。私は、瞑想中に稲荷神の分け御霊と会えなかったと説明しても通じないだろうと思い、


「ですが、現に念話も出来ないのですよね?」


と指摘すると、氷川様から、


「念話と稲荷神は別じゃ。」


と反論されてしまった。どちらも禍津日神の分け御霊が言っていた事だが、確かに関連性はない。

 私は、


「そういえば、そうですね。」


と返事をした。そして、


「ですが、一方が合っているのですから、もう一方も合っていると考えるのが自然ではありませんか?」


反駁(はんばく)する。すると氷川様は、


「関連性があればの。」


と引く気はない様子。私は、


「瞑想中、稲荷神の分け御霊様にも会えませんでしたし。」


と付け加えると、氷川様は、


「ならば、これは白狐からの情報か。」


と眉根を寄せる。私は、


「白狐は、稲荷神の眷属ですので。」


と指摘したが、氷川様は、


「解っておるわ。」


と不機嫌そう。なんとなく誤解している気もするが、面倒なので放置する事にする。


 私は、


「それよりも、これからです。」


と話を戻すと、氷川様も、


「それじゃ。」


と聞きたい様子。私は、


「結界の外に出れば念話が使えますので、古川様は竜の巫女様に聞いてきて下さい。

 我々が一緒に動くと、対策されてしまいます。

 一先ず、ここで待ちましょう。」


と説明した。古川様は、


「分った・・・わ。」


と同意したが、佳央様が、


「対策って?」


と質問をする。私は、


「この周辺から動いたどうかと(たず)ねたところ、その程度は対策されているとの事でしたから。」


と答えると、佳央様は、


「つまり、どんな対策か分かってないって事ね。」


と困り顔。氷川様も、


「そのようじゃな。」


と苦笑い。だが、古川様は、


「そう・・・だけど。

 繋がらなくても、・・・直接行って聞く事は出来る・・・から。」


と助け舟を出してくれた。私は、


「はい。

 すみませんが、お願いします。」


と伝えると、古川様は、


「分かった・・・わ。」


と返事をし、早速、谷竜稲荷から出掛けて行った。


 私は、


「氷川様、すみません。

 一応、氷川様からも念話をお願い出来ませんか?」


と伝えると、氷川様は、


「何故じゃ?」


と確認してきた。私は、


「ひょっとしたら、古川様の周りだけ駄目なのかもしれませんので。」


と答えると、佳央様が、


「どういう事?」


と聞いてきた。私は、考えが(まと)まらなかったが、


「以前、紫魔法(呪い)の勉強をした時なのですが、あれは物に紫魔法(呪い)を掛けていました。

 ですので、仮に古川様の持ち物に掛かっていた場合、こちらの念話が使えるようになると思われますので。」


と説明すると、氷川様は苦笑いしながらも、


「古川の持ち物を中心に、結界が張られているやもしれぬという事か。」


と納得。そして、


(しば)し待て。」


と言って、念話を開始してくれた。

 私は、これで子狐達の場所が判れば良いのだがと思ったのだった。


 本日も、江戸ネタを仕込めず。

 PCは、OS再インストールで復活させましたが、辞書がなくなったので単語を辞書登録中・・・。

 (登録しないと、谷竜稲荷(ろくりょういなり)とか変換候補に表示されませんので・・・。)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ