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プロローグ
世界は、終わろうとしていた。
大地は割れ、空は裂け、かつて栄えていた十の国々は見る影もなく崩壊の一途を辿っていた。
その中心に、一人の女が立っていた。
彼女は国を人々を世界を愛する優しく、美しい女だった。
そして、この世界を壊し、終焉をもたらさんとした災厄そのものでもある。
その目の前には、一人の青年が倒れている。
彼は彼女を救おうとした。
手を伸ばし、彼女も世界も何もかもを救いたいと奔走した。
しかし、運命とは無情なもの。
彼は何一つ救うことができず、この結末を変えることはできなかったのである。
さらに、自らの死と引き換えに愛する女を一人、この崩壊した世界に残していってしまった。
「......どうして?」
女の声が、静まった世界に響く。
返事はない。
やがて女は、自らの手で失った世界を見つめる。
その青年が最後に託した言葉と記憶を頼りに動き出す。
世界を救った後、もう一度彼に会えるのなら。
その時はきっと――
涙を拭いこう誓う。
――私は、何度だって運命に抗おう。
そして、世界は再び動き始めた。




