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1章.9 エルフの里の日常

もうすぐ10話!

晴天のとある日、俺と父さんはいつもの狩場で獲物を追い詰めていた。


「ウルド!そっちに行ったぞ!」


「父さん、任せろ。」


木の上から弓を引く。

深く深呼吸をして集中。

矢に風の魔力を纏わせる。

ビッグボアの眉間にのみ、狙いを定める。


「ドライアド、お願い。」


ボソリ、と呟くと、瞬間ビッグボアの足元にツタが伸び、脚を取られるとそのまま転倒した。


「取った。」


ピュン!と風を切る音と共に矢を射る。


風魔法のおかげで弾速は銃並みまで上がってる。


吸い込まれる様に矢はビッグボアの眉間に深く突き刺さった。


「ギュオオオオオ!」


断末魔を叫ぶと、大きな身体をズシンという音と共に倒し動かなくなる。


「よくやったウルド!こりゃ、明日にはお前が里一番の狩人だな!」


「それ言い過ぎ。流石に父さんにはまだまだ勝てないよ。それより早く帰って解体終わらせようよ。」


父さんのいつものお世辞を流しつつ、手早く血抜きを始める。


最近は父さんと森の奥まで入るようになった。


今年で13歳になり、スキルも弓術Lv5、剣術Lv3になったからだ。


魔法は母さんから使い方を教わっている。


今は母さんの得意な風魔法をメインに教わっているが、弓に応用出来るので凄く便利だ。


それと精霊魔法は未だによく分からないが、森で出会った精霊のドライアドという精霊と仲良くなり契約した。


中級精霊らしく、この森では結構偉いらしい。


お願いすると今みたいに植物を使って協力してくれる。


「そうだな!血抜きが終わったらすぐに行こう!周りの警戒を怠るなよ?血の匂いに惹かれて魔物が来る危険もあるからな!」


狩りに関しては尊敬出来るのになぁ…


「うん、わかった。気を付けるよ。」


その後血抜きが終わったビッグボアをみんなで里へと運んだ。みんな喜んでくれるかな?




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「戻ったぞ!今日も大物だ!!」


里に戻ると、狩りの帰りを待ってくれていたエルフの女性達がそれぞれ狩りに出た旦那や家族を迎えてくれる。


そんな中、こちらに一直線でやって来る魔力が一つあった。


「ウルド兄!怪我はない!?あたしが手当してあげるわ!」


女性エルフ達の間からとてて、とルルが走ってきて抱き着いてくる。


「ルル、ただいま。怪我はないから大丈夫だよ。心配してくれてありがとね?」


ルルの頭を撫でるとむふーっと可愛い笑顔を見せてくれる。


「ならよかったわ!ウルド兄は危なっかしいから、ルルが見ててあげなきゃダメなの!」


5歳児に心配される13歳か。


俺そんなに頼りないかな…


「あらあら、ルルちゃんはウルドの事大好きだから心配しちゃうのよね?可愛い奥さんね!ウルド?」


いつの間にかルルの横に母さんが現れた。


母さん茶化さないで下さい。ルルは大事な妹です。


「母さんただいま。ルルは可愛い俺の妹だよ。それじゃ解体終わらせてくる。」


大人の余裕を見せ母さんを華麗にスルーして、解体場へと向かう。


するとルルが目的を思い出したのか慌ててまた駆けてくる。


「あっ!ウルド兄!終わったらルルとお昼ご飯!」


「食堂に行く約束だね?うちで良い子で待っててな。終わったらすぐ行くよ。」


「うん!ルル良い子で待ってる!早くね!」


大変良い返事をした妹の頭を撫で、今度こそ解体場に向かって歩き出した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




解体を済ませると陽が真上にある。

大物だったので少し時間がかかってしまった。


取り敢えず約束していたルルの家に急ごう。


「ちょっと遅くなったな。ルルに謝らなきゃ。」


コンコン、とノックをすると、ルシウスさんが出て来て鬼に形相でこちらを睨んだ。


「おう、娘になんの用だ糞ガキ。ルルを嫁に欲しいなら俺に勝ってからにしろ。」


「勘違いすんな親バカ。ルルに飯一緒に食おうって呼ばれたんだよ。」

 

「黙れ糞ガキ。ルルと昼から食事デートなんざ千年早いんだよ。俺は認めんからな。」


最近のルシウスさんとはこんな感じだ。


漢!って感じで尊敬してたけど、人って簡単に変わるんだなぁ…


今じゃ里一番に雑に接する様になった。


親バカで我が両親と並ぶモノが誕生するとは流石の俺も予想出来なかった。


ルル、恐るべし…


「パパ!ウルド兄に変な事言わないで!もうパパ嫌い!」


ルルのかいしんのいちげき!

ルシウスはこうかがばつぐんだ!


「がはっ!?ルルちゃん?パパが悪かったから嫌いにならないで?パパ泣いちゃうよ?」


両膝を着いて娘に泣きつくルシウスさんを見て遠い目をしてしまう。


ルシウスさんキャラブレ過ぎじゃない?昔はあんなにカッコよくて憧れだったのになあ…


「ルシウス!貴方またウルド君に噛み付いてるの!?ルル、ママが許すから行って来なさい!ウルド君、悪いけどルルの事よろしくね!」


奥からルーセリアさんが顔を出す。本当にママに似て良かったね、ルル。


「チッ、今日の所はルルとルーセリアに免じて許す。だが!次はないからな!」


「あ、はい」


俺がルシウスさんを華麗にスルーすると、

ルルがとてて、と駆けてくる。


背後でルーセリアさんにしばかれてるよパパ。


「パパがごめんね?ウルド兄にヤキモチさんなんだよ!ルルは罪な女なんだよ!むふーっ!」


そんな言葉どこで覚えたの?


「大丈夫だよ。じゃあご飯行こっか。」


「うん!!」


笑顔のルルの手を握りながら、少しゆっくり食堂へ歩いて行った。

今日もなるべく数話公開出来れば良いな

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