間話 ドライアド
スマホで書いてるんですが、昨日なろうが重かった時に一度全て消えた間話です!
あの日私はいつもの様に森で日光浴をしていました。
「ふわあ、やっぱここが一番落ち着くわね。」
お気に入りの場所で、下級精霊達も沢山やってくる。森が魔物に汚されていない証拠ね!
「あら?今日はこの子達やけに元気ね?何かあったのかしら。」
いつもより活発に飛び回ってる。
でも、悲しみや怒りは感じないから、むしろ良い事ね。うーん、でも何かしら、こんな事初めて。
まぁ、これなら気にしなくていっか。
すると、茂みの奥からガサガサと長く伸び切った草を掻き分けて一人エルフの子供が現れた。
「あら珍しい、こんな奥まで来るなんて。迷っちゃったのかしら?」
でも、里とは逆方向だしおかしいわね。
悪意があるなら、ちょっと怖い思いをさせて里の方に追い返しましょ。
「うーん、里まで帰してあげたいけど、どうせ私達を見えないし感じられないだろうしどうしましょう…?」
私が悩んでると、エルフの子供がとんでもない事を喋り出した。
「あの、ここって何ですか?俺、魔力を辿ってきたらここにきちゃったんです。後、この光の海はお姉さんの魔法ですか?」
……マジ?私見えるの?
しかも、下級精霊すら知覚するってこの子なんなの?精霊王の転生体か何かなの?
そもそもこの子、本当にエルフなの?
まさかハイエルフ……?
「あの、お姉さんって人間じゃないですよね?」
呆気に取られていると、エルフ?の子供が恐る恐る問いかけてくる。
と、とりあえず言葉が通じるなら話が早いわね。
「あ、えと、私怪しい精霊じゃないわよ?ドライアドっていうの。よろしくね!」
めちゃくちゃ怪しい自己紹介じゃない私!
久々の会話でだったのに…失敗ね…
ちらり、と少年の顔を伺うと身体をプルプルさせていた。何なのこいつ。
「ププッ!悪い精霊じゃないよって…ククッ、ハッハッハ!」
何なのよコイツ。ムカつく。
そんな笑うほど変だったかしら。
そうだ。ちょっと揶揄ってあげましょ。
「ちょっと。私は自己紹介したんですけど。それとも、最近のエルフは精霊を見たらそのように笑う様な教育を受けているのかしらね?坊や?」
あ、ちょっと意地悪だったかしら…?
で、でも!私でいきなり爆笑するのが悪いわ!
すると少年は笑いをピタリと止めて顔に焦りの表情が見えた。
「すいませんでした。俺はエルフの里のウルド、職業は狩人です。精霊使いってスキルを持ってるけど本物を見た事なかったので。後、嫌われてないんだなって安心したら笑っちゃいました…。怒っちゃいましたか?」
ウルドと名乗る少年は謝罪しながら頭をペコリと一礼したまま頭を上げなくなった。
グッ…!罪悪感が……!
だけど、それどころじゃないのよ。
ウルド君、精霊使いって言わなかった?
「ち、ちょっと待って。ああ、別に怒ってないわ?意地悪な言い方しちゃったわね。それより!貴方、今精霊使いって言わなかった……?」
精霊使いって、遥か昔に精霊王と共に戦った人間が持っていたってスキルよね?
「言いました。俺、精霊使いってスキルを授かったけど、使い方が分からなかったので直接精霊さんに聞きに行こうと思って、この光を追いかけて来ました。」
この子何なの?命知らず過ぎでしょ!
私達の機嫌を損ねたら下手したら死ぬのよ?
この子は危ういわ。精霊について無知過ぎる!
精霊の力を何処かの国に利用されるだけの操り人形になってからじゃ遅い!
「話はわかったわ。ウルド君、私と契約してくれたら精霊について教えてあげる。どう?」
断られたらどうしよう。泣いちゃうかも。
「いいんですか?俺、精霊さんの生態とか知らないからまた失礼な事しちゃうかもしれないし。」
この子、優しいわね。ただやっぱ危ない。
私が貴方を悪用しようとしていたら…
「それは私達を知らないからでしょ?接し方も含めて教えてあげるわよ。というか貴方本当に子供なの?無知なのに変に大人びてるわね。」
「そんなにおっさんぽいかなぁ…あ、では契約なんですが俺からもよろしくお願いします。」
なんでそんなショックを受けてるのかしら?
子供って大人っぽいと言われたら喜ぶんじゃないのかしら?
「それじゃ早速契約しましょうか。こっちにいらっしゃい、ウルド君。」
「わ、わかりました!」
あら、急に凄い緊張してるわね。
「緊張しなくて大丈夫よ。目をつぶって?すぐに済むわ。」
ウルド君、プルプル震えて可愛いわね…
可愛いからちょっと悪戯してやりましょう。
本来、契約なら手の甲にでも口づけすれば終わりだけど、私はウルド君の額に口づけをしてやった。
「うわ!ちょっとドライアドさん!?」
反応が可愛い。本当に子供だったのね。
「大丈夫よ!これで契約成立。私は貴方の契約精霊になりました。これからよろしくお願いします。ウルド様。」
私が片膝を着いて臣下の礼をすると、ウルド君が慌てだした。
「ちょ、やめて下さい!出来ればさっきまでと同じように接してもらえますか?俺が教わる側なんで、変な感覚になりますので。」
本当に不思議な子。精霊王と共に戦った精霊使いもこんな感じだったのかしら?
「ふふっ!分かりました。改めて、私はドライアド。この森を守ってる木の精霊なの。これからよろしくね!それと、私の主人となったのだから、敬語はやめなさい。中級精霊の私を従えたのだから。その態度だと、他の精霊から舐められるわよ。」
これだけは譲れないわ!
やっぱり、いずれ精霊王にお会いするなら他の精霊に舐められるようではダメだもの!
「わ、わかった。じゃあよろしくな、ドライアド。俺の事はウルドでいい。」
君の笑顔は本当に優しいね。
下級精霊達も喜んでくれている。
これからきっと、君は色々経験するだろう。
嬉しい事、楽しい事、そして…悲しい事も。
私が守ろう。君が、一人で立てるまで。
「ええ!よろしくね!ウルド!」
読んでいただきありがとうございます!




