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外れスキル翻訳でチートに  作者: 幻影十夢
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カレーが食べたい

「カレーが食べたい」

それはイサベルの一言から始まった。

「どうした急に?」

あまりにも突発的な願望、食欲に俺は思わず尋ねるとイサベルは枕に顔を埋めながら言う。

「だってこの世界に来てカレーを食べてない」

「そりゃ、この世界にはカレーがないからな」

それにカレーに必要な香辛料はあるにはあるけど、この世界では貴重品。貴族でもそう口にできる代物ではない。そう思うと気軽にカレーが食べれていた元の世界は贅沢な毎日だったんだな。

「だから転生前からも料理上手のリブロさん、カレーを作ってください」

「無茶言うな」

そんな丁寧にお願いされてもできることとできないことがあるぞ。

「そこは精霊の力で、ね?」

「そんな可愛い顔と声でねだるな。元男だとわかっているから気持ち悪いだけだ」

本当、こいつが元男だとわからなかったら揺らいでいただろうけど、わかっている今は気持ち悪いだけだ。

「それとな、お前は精霊の力を頼ればなんでもできると思うな。精霊の力でも色々と制限とかもあるからな」

「………………………そういえば確かに戦闘の時も精霊の力はそんなに使っていなかったね」

「ああ、詳しくは言えないがおいそれと使っていい力じゃないから俺自身も戒めている」

まぁ、その気になれば制限を無視して行使できるが、そうなれば後がどうなるかわからないからな。

「便利な力だと思っていたのに……………………ああ、カレーが食べたい」

項垂れるイサベルに溜息を吐いて俺は手を動かす。

まぁ、カレーが食べたい気持ちはわかるけど。

「ところでさっきからなにやってんの?」

「ああ、ポーションを調合してんだよ。ポーションを調合してスラリンの吸収魔法で吸収させたらどうなるか試してみようと思ってな」

変異種のマジックスライムとなったスライムのことスラリンはリスティアの魔力を捕食してマジックスライムとなって吸収魔法と擬態魔法が使えるようになった。

その吸収魔法に傷を癒すポーションを吸収させたらどうなるか、実験しようと考えている。

「とはいえ、調合のスキルは持っていないから俺が作れるのは下級のポーションだけど」

調合スキルを取得してスキルレベルを上げていけばより効果の高いポーションを調合することができる。まぁ、俺の場合は魔法があるから必要ないけど。

するとイサベルがポーションを調合している所を眺めながら。

「ポーションを調合できるのならカレーに使うルーも調合してよ」

「無茶苦茶言うな。どんだけカレーが食べたいんだよ、お前は」

「………………………カレーを作ってくれるのならこの歳相応以上の推定Cカップのおっぱいを一晩自由にしていい権利をあげるぐらい」

「それ、自分で言うか?」

つーか、Cカップあるんだな。見た感じは中学生ぐらいだから確かに歳相応以上だ。

「そんなに食べたいのなら香辛料を探す旅にでも出たら?」

「カレーに必要な香辛料なんてわかるわけないじゃん」

それもそうか。

「ね~~~お願いだから~~~~カレー作ってよ~~~~私がカレー好きって知っているでしょう? ね~~~~ね~~~~」

「あああああああもううるさい!! ガキか!?」

「ガキです」

「精神年齢はとっくに20歳超えているだろうが!?」

「カレーの為なら子供の戻る!」

「威張るな!!」

お前がカレー好きなのは知っているがどれだけ食いたいんだよ!? 

しつこくごねてくるイサベルに深い溜息を吐いて俺は仕方がなく創造の精霊の力で日本の店でよく見るルーを創造する。そのルーを見たイサベルはお宝を見つけた子供のように目を輝かせる。

「おお! さっすが! 精霊様万歳!」

「たく、調子のいいやつ。まぁ、時間的にもちょうど飯時だし、訓練に励んでいるセシル達の分も作ってやるか………………」

「流石は過保護で弟と妹を困らせるお兄ちゃん。年下には優しい」

「弟と妹と弟子の面倒を見るのは兄であり師匠の務めだ」

「開き直ってる……………」

うるさい。お前には後で弟と妹がお前に相談した内容について根掘り葉掘り聞かせて貰うからな。

そう心に決めて俺はルーを持って厨房に足を踏み入れるとユミィさんがいた。

「これは若様。こんなところまでどうなされましたか?」

「ちょっと新しい料理を作ろうと思って………………それよりどうしてユミィさんが厨房に? 確か今はリスティアの世話係じゃ……………」

「こちらの人手が足らないようなので手伝いを。リスティア様の世話係は今はレノアに任せております」

そういえばあの人もメイドだったな…………………。

でも俺、まだあの人に妙に毛嫌いされているんだよな、どうしてだろう?

そんな疑問をユミィさんが教えてくれた。

「レノアはお嬢様のことが大好きですからね。若様に嫉妬しているのでしょう」

ああ、そういうことね。

納得しているとユミィさんが頬を薄っすらと赤くして身をよじらせるとそっと俺に耳打ちする。

「今夜お部屋に行っても?」

「ああ、いいですよ」

どうやら今夜のお相手はユミィさんになりそうだ。

まぁ、自分でいうのもなんだけど娼婦すらも満足させるテクニックを身に付けているから、俺以外では満足できなくなっちゃったんだろう。

こんなこと口に出しては言えないけど、俺も罪な男だ…………………。

そんなこんなで俺は厨房のスペースを少し借りてまずは食材を切る。

最初に肉を一口サイズにカットして次にカレーに合いそうな人参モドキ、ジャガイモモドキ、玉ねぎモドキも肉同様に一口サイズにカットする。

そしたら今度は鍋に火をつけて熱してその中にバターを入れてから肉を投入。肉の色が変わるまで混ぜると今度は野菜も投入して全体的によく混ぜると鍋に水を入れる。

後は沸騰するまで煮て、灰汁を取りながらかき混ぜて頃合をみてこの世界にはないカレーのルーを入れて混ぜる。鍋の中でルーが溶けていき俺やイサベルがよく食べた家庭料理であるカレーになっていく。

というかまんまカレーだな。

味が気になって少し味見してみると……………………やはりカレーだわ。

前の世界の食べ物まで創造できてしまうなんて本当に精霊様には頭が上がらない。

そうして俺はイサベルが待ち望んだカレーとエルフの街で手に入れた米も使ったカレーライスを完成させた。

その結果は上々。最初はうんこと同じ色のカレーライスに戸惑っていたが、これ以上にない満面な笑顔でカレーライスを食べるイサベルを見て思い切って最初の一口を食べたら皆スプーンが止まらなくなった。

結局鍋の底につくまでカレーを満喫して、俺も久しぶりのカレーを食べて満足した。

「次はラーメンが食べたい。あと餃子も」

作って、といわんばかりの目で訴えてくるイサベルを俺は見なかったことにする。

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