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箱庭の遊戯  作者: 柚木
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<シルヴィエ>

 たとえ微力でも、利用されているだけでも、「ありがとう」その一言だけで、私は。



「――いつもありがとうなあ、ヴィ」

「ううん。ロト爺こそ、もう年なんだからあんまり無理しちゃダメよ?」


 村はずれに住むロト爺の家を出ると、すでに家々からは夕飯のいい香りが漂ってきている。ちょっと遅くなりすぎたかしら。でもロト爺のあんな細腕で本棚を解体するなんて、心配で見ていられない。お昼後の散歩でたまたまそれを知ったからよかったけど、もし私がいなかったらどうするつもりだったのか。

 ロト爺は今こそ村の年長者として敬われているが、よそ者の名残で中心地からはずれたさびしい場所に住んでいる。これからはもっと気にかけておこうと心に留めた。埃が積もりつつあるロト爺の部屋を思い出す。一人ぼっちで、足腰も弱くなって、心細いに決まってる。


 ……でもやっぱり遅くなりすぎたかも。小走りで村の中央に戻ると、村長さんの家の煙突からはもう煙すら出ていない。村長夫婦は、食事は全員がそろってからと決めてあるのできっと待っているだろう。居候の、よそ者の私のことも。

「ただいま帰りました」

「おかえり、ヴィ」

「ごめんなさい、あの、ちょっとロト爺のところで」

「いいのよ。ヴィは相変わらず親切ねぇ」

 怒ることもなく、逆にやわらかい笑顔で迎えられると申し訳なくなる。皆が湯気立つ食卓に座っていると余計。


 私は旅人のカップルがこの村に滞在していたときに産んだ子らしい。らしい、と言うのはそのカップル、つまり両親は私を産んだ次の日に私をこっそり置いて旅立ってしまったのだ。まあ無力な赤子など旅には邪魔でしかないだろう。むしろよく産むところまでいったと、話を聞かされた私は思ったものだ。

 ただでさえ閉鎖的な村はよそ者に敏感だ。それでも村長夫婦は私を実の子のように慈しみ、分け隔てなく育ててくれた。両親の話を知るまで、私は夫婦の子だと信じて疑わなかったくらい。村人も無知な私によくしてくれた。もちろん多少は疎外感を感じることもあったけど、恵まれすぎていると思えるくらい私は健やかな幼少時代を送った。

 本当に感謝している。この村全てに、返しきれないくらいの恩がある。だから私は、村人が何か困っていたら出来うる限りのことをしてきた。今も、これからも。今日のように遅くなったり厄介事に巻き込まれたり、周囲に心配をかけてしまうこともあるけれど、止めようとは思わない。村に誠心誠意尽くすことは幸せだし、それで少しでも皆が笑顔になれるなら嬉しいもの。



 私の一日はたいてい変わらない。朝はまずご近所を散歩がてら挨拶して回る。もちろん夜のうちにタネを寝かし、起きてすぐに茹でたクネドリーキを忘れずに。皆嬉しそうに食べてくれるから、ついつい大量に作ってしまうのだ。

「おはようございます!」

「あらヴィ、今日も早いわね。息子たちに見習わせたいわ」

「だってこれがなくちゃ朝食にならないでしょ? はい」

 子どもが八人もいるこの家では食事の準備も大変だろう。クネドリーキもこの量で足りるのか、ちょっと疑問。でもいつも十分よ、助かるわと言ってくれるので、とにかく毎朝欠かさず届けていた。いつだったか息子さんが私のクネドリーキを美味しいと褒めていたと聞いて、それからずっと。

「ありがとう……ねえ、ヴィも毎朝大変でしょう。息子たちも大きくなったし、自分たちで朝くらい用意させるわ。何もあなたがわざわざ面倒見てくれなくてもいいのよ」

「ううん、全然大変じゃないよ。美味しいって言ってくれるんだもの、むしろ嬉しいくらい」

「でも飽きるでしょう? それになんだか悪いわ」

「そんなことないよ! 私が好きでやっているの、気にしないで」

「…………そう。じゃあありがたくもらうわね」

 少しうつむいてお礼を言う姿はどこか遠慮している風で、私はもう一度笑顔で「気にしないで」と言ってから次の家に向かった。

村人たちは心良い人たちばかりで、誰もがさっきのように遠慮がちに受け取る。大変だろう、悪いから、と私を気遣って辞退しようとする。いいのに、そんなこと。私の大変さなんて、皆の笑顔を思えばなんてことないんだから。



「あ、ヴィいたいた」

 午前中はまたロト爺の家に行ってお掃除をしていたのだが、その帰りに村の若い男の子たちに呼び止められた。何だろう、困ったことでもあったのかな。あまり同い年の子たちからはお願いをされたことがないので心が浮き立つ。

「なあに?」

「あのさあ、『誓いの花』知ってるだろ?」

 誓いの花。新月の夜にだけ咲く、それを恋人に贈れば永遠の愛が約束されるという幻の花だ。

「うん、前に女の子たちの間で流行ったやつだよね」

 ちなみにどうして流行ったかというと、村に寄った旅人が話したからだ。それはおとぎ話に近くて、でもロマンチックで、しばらく少女たちの間では憧れのプロポーズとされていた。

「それがさ、森に咲いているらしいんだ。隣村の奴が見たんだってさ」

「え、すごいね」

「それで……ほら、シモンはターニャが好きだろう? 哀れなこいつの純情を成就させようと、俺ら皆でターニャの誕生日にその花を見つけて渡そうぜって話になったんだけど」

 それは素敵だ。ターニャは澄ました少女だけど、さすがにそれには弱いだろう。私も他人事だけど胸をときめかせた。

「うんうん、いいんじゃないかな。ターニャ喜ぶよ」

「だろ? でもさあ」

 そこで言葉を切って彼らは顔を見合す。その意味が分からなくて首を傾げていると、少し言いにくそうに彼らは『お願い』をした。

「この前の収穫祭でバカ騒ぎしたせいで、全員夜は外出禁止になったんだ。だから」

 ……ああ。私はここでようやく理解した。

森は村を出て三十分ほど歩いたところにある。村の外は治外なので危険だし、森には人を襲う動物もいる。そして誓いの花は新月にしか見つけられない。外出禁止というのは体のいい言い訳で、つまり危ない役目を私に押し付けたいのだ。

「いいよ。その花を見つけて、ターニャにばれないように届ければいいんだよね? ちょうど今夜が新月だし、探してみるよ」

 向こうがみなを言う前に頷いてやった。たちまち彼らの表情は晴れ、口々にお礼をいいながら去っていく。うん、たとえ都合よく使われているにすぎなくても、私にできることで相手が笑顔になるなら私はそれでいい。


 そして、夜。皆が寝静まったのを見計らってからこっそりと村を出た。きちんと禁止令が出ているわけではないが、夜間の外出は基本いい顔をされない。特に私のようなよそ者は極力怪しい行動をしないほうがいいのだ。

 新月なので小さなランプ、それから護身用の短剣。花は根ごとのほうがいいかしらと思ってスコップと袋も。剣は抜いたこともないので完全にお飾りだけど、ないよりはマシ……であることを祈る。


 森へはちゃんとした道が続いているので問題なく着いた。黒々とした森へ入るのはさすがに躊躇ったけど、覚悟を決めてしまえば何て事はなかった。たまに聞こえる何かの鳴き声に驚かされることもあるけど、歩きやすいし動物が襲ってくるわけでもなし。

 そんなふうだったから、気が抜けていたのかもしれない。もうちょっとで鼻歌でも出てきかねない足取りで森の奥に進んで行ったら、突然黒い塊を見つけて心臓が止まるかと思った。


 え……人?


 暗闇に慣れた目が捉えたシルエットは人の形をしていた。死体だったらどうしよう。こんな場所だし、全然動かないし。

 近づくことも目を離すこともできなくて、しばらく離れた場所に突っ立っていたけれど、小さなうめき声が聞こえてすぐさま駆け寄った。生きている……! 見ると頭も顔も血だらけだ。こめかみ辺りをざっくりとした引っかき傷が走っている。血は固まりつつあるけどそうとうな量の出血だろう。傷はその一か所だけのようだけれど、場所が場所だからか意識もないし熱も出ている。


 どうしよう、助けなきゃ、でもどうやって?


 悩んだのは一瞬で、私は全力で今来た道を戻る。花のことは完全に忘れていた。ただ、あの人を助けられるのは私だけなのだという強い使命感だけが私を占めていた。

 行きの半分くらいの時間で村に戻り、家からこっそり救急箱を持ち出す。あとは清潔な布とお古の毛布を失敬する。

 そして再び森に向かい、見つけた時そのままの姿で倒れているその人のもとへ駆け寄ると、先ほどより更に熱が上がったようだった。近場の川で布を濡らして傷口や汚れを清めたり、毛布を身体に巻いたり、傷口の消毒やらなんやらと慣れないことを一通り終えたころにはくたくたに疲れ果てていた。でも皆が起きる前に帰らなくちゃ。


帰り際に改めてよく見たその人は成人男性で、ずいぶん身体を鍛えているようだった。髪の色が見事な麦色、つまり今争っている隣国の国民色であることが気になったけど、あまり考えないようにした。


次の日も、そのまた次の日も私は森に通った。お昼を残してそれを持ち出す私を村長さんは不思議がったけど、また何かしているのだろうと見逃してくれた。ちなみに男の子たちには花は見つからなかったと謝っておいた。

そうして男の人を見つけて三日目、ようやくその人の意識が戻った。森へ行くと木に身体を預けてこちらを見る緑の視線と目が合った。……間違いなく、敵国の人間だった。

「よかった、目を覚まされたのですね。これ食べられますか?」

「何が目的だ」

 なるべく友好的に話しかけたのに、返ってきた冷たく鋭い問いかけに笑顔が固まる。親切にしてきた人からそのような反応が返ってきたことはなく、戸惑った。

「ごめんなさい、その、たまたまここに来たらあなたが倒れているのを見つけて、放っとけなくて」

 母親に怒られた子どものように言い訳がましく説明すると、申し訳なく思ったのか、その人の瞳が少しやわらかく細められた。

「あの、あの、私、誰にも言ってません。あなたのことを知っているのは私だけですから、安心してください」

「……その様子なら、俺が敵の兵士だと気づいているな。どうして助けた」


 どうして。


 まったく考えたこともないことを聞かれて驚く。誰かを助ける理由なんて。

「目の前でけがをしている人を見たら、普通助けようと思いませんか?」

 理由なんて、そうすれば皆が私を好いてくれるからに決まっているではないか。


 心を尽くし、その人に寄り添い、好意を持つ人を嫌いぬける人などいない。好意には好意が当然に返ってきてしかるべきだ。私が親切にすれば、優しい心を持っていれば、人も私に対して優しくしようと思う。

そして「ありがとう」という言葉の、なんて甘く魅惑的な響きだろう。その一言だけで、私は、抑えがたい愉悦に心を震わせる。そう、その一言が欲しいのだ。


そしてこの男の人も。私が『純粋な』親切心から助けたのだと分かったのだろう。最初の態度は影もなく、リラックスした様子で自分のことを話してくれた。この森で野営をしようとしたら動物に襲われたらしい。仲間と別行動をとっていたから助けもなく、あのままでは死んでいただろうと改めて感謝された。

「きみは命の恩人だ。命の恩には同じように命を以て返すのが故郷のならわし。きみには特別にこれを渡そう」

 そう言って差し出されたのは小さな粒が入った包みだった。粒の中には液体が入っているようで、ゆらゆらと中身が揺れている。

 よく分からずにとりあえず受け取った私に、男の人は声を低くして教えてくれた。

「いいかい……数日後、この一帯に強力なウィルスが撒かれる。息をしているだけで人間を殺してしまうウィルスだ。これはその抗体。これを飲めば感染しないで助かる。この薬は、きみときみが本当に大切に思う人にだけ渡しなさい」

 ウィルス、殺す、感染。

 突拍子もない話に頭がついていけなかった。うぃるすって何だろう。隣国とこの国の発展水準には大きな差があるから、この国ではまだ作れない兵器なのかもしれない。

 ただ「息をしているだけで死ぬ」というのは、理屈は分からなくても大変なことだとよく分かった。渡された粒の数はぎりぎり私の小さな村人分ある。早く皆に伝えなくては。

「ありがとうございます……でも、よかったのですか」

「今さらこの作戦を知られても逃げられないからな。それに村一つ生き残っても滅んでも戦局に大きな影響はない。さあ、早く行くんだ。俺はもう大丈夫、仲間を呼んだから」


 それから私は振り返らず村に戻った。焦燥か興奮か。村の入り口に着く手前で息が切れてしまい、歩調をゆっくりとしたものに変えたところで、すうっと黒い影が視界に映り込んできた。


「はじめましてです」


 身の丈を超える杖を抱え、切りそろえられた黒髪から大きな青い目が私を見上げる。舌足らずな声に見合う幼い女の子が私の前でぺこりと頭を下げた。

「あなたはシルヴィエ=ハルヴァートで合ってるですか?」

 ハルヴァートは村長さんが私にくれた姓だ。お前も私たちの家族なのだよと、大切な一族の姓を。それは私の中で一番に誇れることだった。

「ええ、私の名前はたしかにハルヴァートよ。あなたは?」

 膝をついて目線を合わせながら問う。女の子は嬉しそうににこにこ笑っていた。かわいいなあと、ついさっきまで焦っていたことを忘れてなごんでしまう。


「僕は調律者アランです。シルヴィエ=ハルヴァート。調律の名のもとにあなたの命をもらいにきたです」


 …………今日はやけに命に関する話を耳にする日だ。

 まずそんなことを思った。

「え?」

「え?」

 戸惑う私にその子も戸惑ったのか、大きな目をさらに大きく丸くして首を傾げている。

「ど……いうこと、なの? そんな、調律って」

「ですから、シルヴィエ=ハルヴァートの命をもらいにきたです」

「どうして!?」

 たまらず立ち上がってその子を見下ろす。納得がいかない。どうしてどうしてどうして!

「私は今まで、誰にでも親切にしてきたのよ優しくしてきたの。神さまの御心に沿うように生きていたでしょ。この私がどうして調律されなくちゃならないの」

 そう、私は今までどんな苦労もいとわず周囲に尽くしてきた。皆を幸せにしてあげてきたのだ。それなのに。

「でも、あなたは今まで他人を顧みず好きに生きてきたですから、もう十分満足していると思うですが」

「好きに? 何を言っているの、私は自分を殺してひたすら皆のために」

 そう、皆のため。クネドリーキを作ったり恋の相談にのったり話し相手になってあげたり。そうだ、私、こんなところで油を売っている場合ではなかった。

 その子を無視して村に走った。村中を駆け回って皆に恐ろしい何かが来るらしいからこの粒を飲むようにと、私同様よく分かっていない様子の人たちに粒を押し付けた。自分の分は後回しだ。


「シルヴィエ=ハルヴァート」


 そしてようやく全村人に薬を渡し終えたその時、また目の前にすうっとその子が現れた。夕焼けが濃い影を落とす中でその子は、本当に死神のように見えた。

「満足ですか? これ以上あなたの自己満足に僕が付き合う必要はないです。調律の名の」

「あなたにも、これあげるわ」

 笑顔が消えた女の子は、もともと美しい顔立ちなのだろう、人形じみた雰囲気を漂わせている。その子に対しても私は優しい笑顔を向けて最後の、私の分の粒を差し出してやった。

「あのね、これを飲まないと死んでしまうの。私のことなんて気にしなくていいからあなたも飲んで」

 好意には好意が返ってくる。自らの身を犠牲にしてまで助けようとする私を調律しようなどとは思うまい。にっこりと、『純粋な』気持ちで笑う。

「これを飲まないと、お母さんのところに帰れなくなっちゃうんだよ?」


 そこで私は、何かを間違えたらしい。


「お母さん?」

 その子が、いや、調律者が笑った。けれどそれは前に浮かべていた幼いものではなく、どこか嘲笑うような、達観した、冷たい気持ちにさせる笑いだった。

「僕にお母さんなんていないです、いらないです。僕にはマリアさんやリゼル、ジルたちさえいれば他は必要ないです。お母さんなんていらない!」

 小さな全身を使って持っていた杖で二回、地面を叩く。まるで波打つように周囲が変わったような気がした。

「シルヴィエ=ハルヴァート」

 辺りを見回す私に冷たい呼び声。ああ、きっとこれに答えたらいけないんだ。悟ったが、すでに遅い。私はこの子の問いを肯定してしまっている。

「調律の名のもとにあなたの命をもらうです」

 杖が振り下ろされる。あの杖は死神の鎌なのだろうか。その先端が地面に触れた途端、波打つように視界が黒く染まっていった。


 クォーーン……


 美しい音色が最後に聞こえた気がしたけど、定かではない。ただとても穏やかな気持ちになった。そうよ、私は最後の時まで皆のために奔走し、この命も世界のために調律されて。きっと誰もの心に私は優しい少女として残るのだろう――



「――あのお節介娘は死んだのか」

「まったく、頼んでもないのに毎朝毎朝パンを届けられて、処分に苦労したわ」

「プライベートにも首突っ込んでくるしな」

「そういえば薬だっけ? どうした?」

「もちろん捨てたさ、あんな怪しいもん」

「そうよね、空気で死ぬなんて馬鹿馬鹿しいものねえ」


 明るい笑い声が響く村は、その数日後。



***


「アラン」


「リゼル! どうしたですか」


「調律外の大量の死を感じて、アランだけだと『回収』するの大変だろうって皆で」


「あう、助かるです」


「…………まあ、遅刻しているやつもいるが」


「おー、アランにリゼル。ジルベルトさんが助っ人に来たぜ」


「はあ、もうほとんど終わってるです」


「本当に、何が助っ人だか」


「まあまあ。つか終わったんなら帰ろうぜ、俺らの家に」


「僕たちの……そうですね。僕たちの家に早く帰るです」


「そうだね、マリアさんが待っている……ああジルベルト」


「ん?」


「お前は徒歩」


「は!?」


「不眠不休で歩けば一ヶ月くらいか。歩けない距離ではないだろう」


「問題はそこじゃねーよ! いやそこも問題だけど何で俺だけ」


「ペナルティ」


「ジルだけ遅刻したですからねえ」


「それは俺にも事情がだな」


「そういえばジルベルト、調律のノルマを達成したことは?」


「………………………………イイエ?」


「それを毎回補っているのは」


「リゼル様です」


「徒歩で文句ないな」


「ハイもちろんでございます」



「――じゃあジル、僕たちお先に失礼するですー。ジルの分もちゃんと食べといてあげるです」

「力使ったら分かるから」



「……なんだかな。俺、世間一般的には超イケメンでちやほやされるポジションのはずなのにな」


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