第2話 進化するチート
この世界に来て、たった1回だけ戦闘して、大蛇を1匹倒しただけなのに、なんだろう、この能力の上がり方は。あまりにもチート過ぎないか。
俺は驚きつつも、まず、目の前にある蛇の魔物の死体を亜空間収納に入れた。
亜空間収納は、意識するだけで、入れたり出したりすることが出来た。
次に、武具召喚を使った。片手剣と革の同鎧、ガントレット、革ブーツを召喚して身に付けた。最後に、取り敢えず剣は剣帯に差したままにして、普段使い用に短槍を召喚した。
次に、何を召喚するか。気になるのがドール召喚だ。
真理鑑定で、ドール召喚を調べると、
ドール召喚
召喚者の魔力によって生み出される擬似人間を召喚する。召喚されたドールは、知性、感情、意思、人格を持ち、人間として振る舞う能力を持つ。召喚者の魔力で構成されているため、召喚者の分身でもある。消滅しても、再度召喚すれば再構成される。性別があり、戦闘ドール、家事ドール、職人ドール、性ドールの種類がある。
擬似人間って何だよ?っていう話しだが、これ以上のことは分からない。おそらく召喚者である俺の魔力で動き、肉体も俺の魔力で出来た何かなのだろう。
まあ、俺の分身なら裏切ることがないから安心だ。
そして、この状況で選ぶとしたら戦闘ドールしかないが、男は嫌なので女の戦闘ドールにした。何十体もの戦闘ドールがリストに上がっており、選べるようになっている。
簡易プロフィールから選んだのは、カトレアという名前の魔法剣士だ。
「カトレア召喚」と唱えると、目の前に魔法陣が現れて、さらにその中から光の粒子が現れ、光の粒子は人型になり、やがて光も魔法陣も消えて、そこには、長身の美女が立っていた。
白い金属のハーフプレートアーマーを着た美女は、俺の前で片膝を付いて、
「ご主人様の戦闘ドール、カトレアでございます。何なりとご命令を」と言った。
「俺は、テンローだ、よろしくな。さっそくだが、お前に出来ることと、この世界について知っていることを教えてくれ」と頼むと、
「はい、ご主人様。まず私の出来ることですが、魔法剣士として、剣技と魔法を一体化した闘いが得意です。この世界についてですが、私は、召喚以前の記憶がありませんのでお役に立てずに申し訳ありません」
「召喚ドールがどういうものか分かるか?」と聞くと、
カトレアは美しい眉根を寄せてしばらく考えていたが、やがて首を横に張って、
「申し訳ありません。私自身がどういう存在か分かりません」と意気消沈しながら答えた。
「そうか、なら、仕方がない。俺の質問に答えられなかったことは、気にするな」と慰めてやる。
ここで、カトレアに真理鑑定を使ってみた。
名前 カトレア
種族 召喚ドール
性別 女
ジョブ 魔法剣士
レベル 29
HP 290
MP 290
筋力 56
体力 42
素早さ 42
器用さ 70
知性 112
幸運 98
ジョブスキル 魔力錬成Lv1、付与魔法Lv1
スキル 剣術Lv1、格闘術Lv1、投擲Lv1、火魔法Lv1、風魔法Lv1、土魔法Lv1、水魔法Lv1
これではステータスが低すぎると思ったので、俺の固有スキル+00を、カトレアにも使えるのか試したらうまくいった。
名前 カトレア
種族 召喚ドール
性別 女
ジョブ 魔法剣士
レベル 29
HP 29000
MP 29000
筋力 5600
体力 4200
素早さ 4200
器用さ 7000
知性 11200
幸運 9800
ジョブスキル 魔力錬成Lv100、付与魔法Lv100
スキル 剣術Lv100、格闘術Lv100、投擲Lv100、火魔法Lv100、水魔法Lv100、風魔法Lv100、土魔法Lv100
これなら、この森でも十分に戦えるだろう。
安心したら、この世界に来てから、飲まず食わずだったことに気が付いた。
今までアドレナリンが出まくっていたのか、喉の渇きさえも感じなかったが、仲間が出来たので気持ちが緩んだのだろう。喉がカラカラなのに気付いた。
水が欲しいと思って水魔法でウォーターボールを出すと、直径2メートルもある水の塊が目の前に現れた。
塊が大き過ぎたが、出してしまったものは仕方がないので、その水に口をつけてごくごくと飲んだ。
飲み終わった後の水は、魔力の維持を解除するとバシャっと地面に落ちて、足元を濡らしてしまった。
幸い革ブーツを履いていたので、脚を濡らすことはなかったが、カトレアがその様子を呆れた顔で見ていた。
俺は自分のドジを誤魔化すように、
「腹は減っていないか?何か食うか?といってもヘビしかないが」と言いながら亜空間収納を確認すると、大きな蛇はダイアスネークという名前の魔物だと分かった。
そのスネークを取り出し、ナイフを召喚して解体しようとしたが、解体の仕方が分からない。
「カトレア、こいつを解体出来るか?」と振ると、
「お任せ下さい」と答えたカトレアは、鎧の内側から取り出したナイフで、器用にダイアスネークを解体していった。
そして、スネークの肉を幾つかに切り分けて、枯れ木を集めてその上に乗せ、火魔法で枯れ木に火を付けた。
「ご主人様、残りの肉は、仕舞っておいて下さい」
と言われたので、残りの肉は収納に仕舞った。
スネークの肉を食べてから森の中を移動した。
ちなみにカトレアは食べなかった。ドール達は、俺の魔力で維持されているので食事も睡眠も不要とのことだ。食事については、食べようと思えば、食べることは出来るとのこと。しかし、排泄は無い。食べた物は体内で魔力に変換されるという。便利な身体だ。
野営する場所を選んで、樹木を空間切断で地面の高さで切り倒し、収納に放り込んだ。
こうして出来た更地の上に、拠点を召喚した。簡単なログハウスが出現した。中にはベッドも毛布もあった。
その後、ドーム状の空間結界でログハウスを覆った。
ログハウスの中で、カトレアを抱こうとしたが、戦闘ドールの本分ではないと断られた。
「ご主人様の為に命を掛けて戦うのが戦闘ドールの本分です。性ドールの真似事はいたしません。そのような事がしたければ、性ドールを召喚して及んでください」と手厳しかった。
仕方がないので、欲求は独寝した。
結界があるから魔物は入って来れないので、安心して眠った。
次の日は移動をせず、カトレアから剣術と魔法の基本を習った。
おれは剣なんか持ったことはないし、魔法も使い方が分かっていない。つまり、基本中の基本も分かっていない状態だったので、カトレから習う事が出来たのは有り難かった。
カトレアとの訓練で、いままで空白だったジョブの蘭に、魔法剣士というジョブが出た。そして、剣術と付与魔法を覚えていた。この新しいスキルも、例によって固有スキルの+00を使うと、どちらもLv100になって、ジョブが魔導剣師に変わっていた。
カトレアで戦闘ドールの有能さんが分かったので、数人を追加で召喚することにした。もちろん、女限定だ。
召喚リストから選んだのは、聖騎士、クノイチ、精霊魔導士の3人だ。
聖騎士は、高度な聖魔法が使え、蘇生以外の全ての聖魔法が使え、さらに剣士としての戦闘力も高く、ヒーラーもこなせることで選んだ。
クノイチは、言わば忍者。斥候も戦闘もハイレベルにこなす。代わり身や分身などのトリッキーな忍術スキルに興味があって選んだ。
精霊魔導士は、俺が持っていない魔法である精霊魔法の使い手だ。精霊魔法に興味を感じたので選んでいる。
彼女達もステータスが低かったので、召喚してすぐに固有スキル+00を使った。
その結果は以下の通りだ。
名前 ブルガリ
種族 召喚ドール
性別 女
ジョブ 聖騎士
レベル 28
HP 28000
MP 28000
筋力 5600
体力 4200
素早さ 4200
器用さ 7000
知性 11200
幸運 9800
ジョブスキル 聖魔法Lv100、聖結界Lv100、聖なる祈りLv100
スキル 剣術Lv100、盾術Lv100、体術Lv100
名前 アキハ
種族 召喚ドール
性別 女
ジョブ クノイチ
レベル 30
HP 30000
MP 30000
筋力 6000
体力 4500
素早さ 4500
器用さ 7500
知性 12000
幸運 10500
ジョブスキル 遁術Lv100、代わり身Lv100、変装Lt100、分身Lv100
スキル 剣術Lv100、隠密Lv100、気配察知Lv100、暗殺術Lv100
名前 ワストン
種族 召喚ドール
性別 女
ジョブ 精霊魔導士
レベル 26
HP 26000
MP 26000
筋力 5200
体力 3900
素早さ 3900
器用さ 6500
知性 10400
幸運 9100
ジョブスキル 精霊召喚Lv100、精霊結界Lv100、世界樹の化身Lv100
スキル 精霊火魔法Lv100、精霊水魔法Lv100、精霊風魔法Lv100、精霊土魔法Lv100




