アイドル姉妹2
ネルがニット帽子を被ったまま布団の中に入る。
「テュールにメッセージ送ろ、あいつ可愛かったし」
『ねえ』
『なに?』
『返信はや』
『ジンがいっつもできる限りはやく変身しろって』
『返信、でしょ 焦りすぎww』
『ごめんごめん』
『別に謝んなくていいし』
『それでどうしたの?』
『明日海だけどさ どんなかっこで行くの』
『どんな?』
『レディース?メンズ?』
『女性ものってことでいいのかな?これは』
『メッセージじゃ見えないしwwww レディースね、明日楽しみ』
『だね』
しばらく悩んだ後、ネルはテュールに送る。
『今日カスミと喧嘩しちゃった』
『なんで?喧嘩するのは珍しい?』
『珍しくはないけど、今回レベルのは初めてかも』
その後喧嘩をした原因や内容を話す。
ネルはテュールに惚れているのだろうか、そうでなければ、こんなことは話さないだろう。
『それはネルは悪くないよ』
『ほんと?ほんとにそう思う?』
『うん、ネルは一人でもやっていけるくらいキレイだし、すごいアイドルになれるよ』
「、、、キレイ、か」
少し微笑みながら明日のことを考えて眠りにつく。
少しして目が覚める。
「んー、今何時だし、、、まだ夜中の二時?だる」
コンコンとノックの音が響く、
「誰だしこんな時間に、、、カスミ?」
扉に近づくと不気味な笑い声がする。
絶対にカスミではないと思い距離を取る。
「一人がいいのか?」
扉の向こうから声が問い掛ける。
「は?」
「一人で売れて、人気も名声も全て一人で手に入れたいのか」
「いや、どこで話聞いてたか分かんないけど、さっきのは流れで言っただけで、、、」
「本当か?ずっと誰にも認められず辛かっただろう?仲間はお前の努力を認めてはくれない、、、アイドルとしてのお前以外にも見向きもしないのにアイドルとしてのお前も見てくれない。本当に家族か?」
心がナイフで刺されたようにズキズキしながらも言い返す。
「いや別に本気でそう思ってたわけじゃ」
「ポーはお前を怖いと言った。カスミはお前を仲間と思ってないようだ。サナリアはどうだ?あいつは本当にお前達を助けたのか?全てあの女の仕組んだ事だとしたら?それにお前の角を見て皆が受け入れてくれるか?」
「、、、やめてくんない」
「我が口を閉ざしたところで何も変わらんよ」
「黙れ!」
「悩むがいい、しかし我はお前の願いを叶えられるぞ」
その言葉にネルの肩はスッと軽くなる。
それと同時にベッドで目が覚める。
汗でパジャマが背中に張り付いている。
「やな夢、、、、うざっ」
そんなことを呟きながら待ち合わせの時間の向けて準場を始める。




