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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
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奪還作戦7

オリヴィアとマーガレットが第一チーム、ナタリアとマッドが第二チームとなり、それぞれ分かれて実行する。ジンは遊撃隊として待機している。

ナタリアは数ある船の排気口の中から内部の廊下に繋がっているものに入り込む。

「マッド、ボディを見つけるっスよ」

「分かった!」

大型船なだけありダクトの中はマッドの巨体でも入れるほどのスペースがある。

ある程度進むと、ダクトから部屋や廊下などの様子が隙間から見えてくる。

ゲルロアの兵士は、食事をしたり力を競い合ったりしているようだ。

「最悪っス」

「どうかした、ナタリー」

「探知機が正常に作動しなくなりました。きっと機器が干渉しあってるせいっス」

ここからはしらみつぶしで部屋を見るしかないようだ。

慎重に進んでいる二人だがマッドがダクト内のホコリに耐えられずくしゃみをしてしまう。

「誰かいるのか!」

「オデが倒す!」

舌の部屋のゴブリンたちが武器を持ち始める。

いきなり、槍をダクトに突き刺す。間一髪でナタリアの顔の数センチ横を貫通する。

「まずいっス!、、、チューチュー」

ナタリアは動物のモノマネをして誤魔化そうとする。

いくらゲルロアのゴブリンが戦うことしか考えていないからといっても騙されないだろうとマッドは思ったが、その考えも空振りに終わる。

「なんだ、ネコか」

「猫ってなんだ?」

「オデたちがこの前食べたやつ」

「それは、マンドラゴラだ」

「それより、賭け腕相撲のつづきだ」

「ダクトの弁償、船長に話に行けよ」

ゴブリンたちは会話をした後に武器を置いて席に戻り始める。

マッドとナタリアは急いでその上を通り抜ける。

「ピースは今98パーセントなんでボディを見つけたら穴にすぐに突っ込んじゃうっス」

「ナタリア、言葉選び、卑猥」

二人はマイぺースに部屋を探している。

その頃、オリヴィアとマーガレットのチームは船の中枢に向かっていた。

マップを指さしながらオリヴィアに説明している。

「ここの機能をショートさせて追ってこれないようにするのが私たちのチームの目標です」

「分かりましたわ」

マーガレットとナタリアは船の窓から入り、中を探索しているようだ。

「出会った相手に対して一気に距離を詰めて気絶させてますけど、やり方は合ってますの?」

「まあ、一旦バレなければいいので、今回は作戦に時間もかかりませんので」

二人は早足で歩きながらナタリアの起こした船内図を参考に中枢部分に向かう。

「爆弾を使いますの?」

「いえ、一時的にショートさせるEMPを使います。ジンがくれました」

「相変わらず、便利グッズ多いですわね」

二人は曲がり角などで出会うゴブリンたちを、アッパーやストレート、盾のふちで殴って気絶させている。出会いがしらにそんなことをされるなんて考えたくもないものだ。

四人が船内で作戦をこなしている間ジンは外で一人寝ころんでいた。

「はあああ、マッドの奴が待ってる間って本くれたけどよお」

本を開きながらその中身を睨みつける。

そこには、エタル語でも共通語でもない文字が並べられていた。

「これ、どこの星の言語だよ」

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