奪還作戦4
マッドが操縦室に戻っている最中、操縦室に居た四人は異変に気づく、
「ジン、ゲルロアの船がまだ飛んでますよ」
「綺麗にエンジンを貫ぬいたな。爆発してねえ」
「空中に中身は散乱してるんで何かアクションが起爆すれば確実に撃墜できるんスけど」
「オリヴィア、操縦変われ」
ジンは横にいたオリヴィアに操縦桿を握らせる。
「ナタリア、シールドをミリアの先端に付けてくれ」
「ミリアってなんスか」
「ジンのライフルですよ。名前で呼んでも伝わらないに決まってるじゃないですか」
ジンはライフルを組み立てながら答える。
「名前つけなきゃ愛着湧かねえだろ」
「ライフルの先端にシールドは付けれるっスけど」
「ジン、マーガレット、私操縦なんてしたことありませんわ」
オリヴィアは緊張からか声が上擦っている。
「あっ、代わりますねオリヴィア、すいません」
「今覚えさせりゃいいだろ」
「ジン、実戦中ですよ」
ジンは組み立て終わったライフルを持って出入り口に行く。
横にタブレットを操作しているナタリアがいる。
「いけるんスか?それ、スコープないっスけど相手の船だいぶ離れてるっスよ」
「狙撃は問題ない。そして、この弾を使う、時差破裂弾だこれでエンジン付近で破裂させたら誘爆できるはずだ」
「とりあえずミリアを船外に出して欲しいっス、そこでパパッと調整するんで」
ジンはライフルを外に出し狙いを定める。
彼は目がいい、まるで精巧な機械のように、彼は息を吸い集中する。
銃身を安定させ引き金を引く、マザーKの街中撃った空気圧の弾丸と違い轟音が響く、弾丸は敵船のエンジン付近に到達し起爆の誘発が確認された。
「ふぅ、、、当たったぜ」
「ジンさん、まずいっス。相手の船から二つのミサイルが来てるっス」
「片側のエンジンが壊れたからエネルギーを使うレーザー砲じゃなくて自動追尾攻撃に切り替えたか、最後に屁をこきやがって」
ジンは再び船外にライフルを出す。
「耐えれるシールドはないっス。急いでマーガレットに知らせて回避行動をとった方が、、、」
「間に合わねえよ」
コートから弾丸を二つ取り出す。
「徹甲弾ならあのミサイルを貫いて止まれるはずだ」
ナタリアは黙って見守ることにする。
ジンの持つライフル:ミリアはどんな弾丸も撃ち出せることができる特徴を持つ銃だ。空気圧で放つ麻酔弾から宇宙船も貫く徹甲弾まで、それ相応の値がつくレア物でもある。
ジンは買っておいてよかったと心の底で思いながら弾を装填する。
先ほどの発砲を上回る轟音が響く、その後コッキング音が響き、薬莢が落ちる。二度目の轟音が響く。
ナタリアは予想外の音に目を瞑ってしまう。数秒が目を開けるとそこにはミリアを分解するジンの姿があった。
「二つとも撃ち落としたんスか」
「ん?ああ」
分解したライフルを腰にセットし直し操縦室に戻るジンの背中を眺めてナタリア呟く、
「ジンさん、、、いくらアンタがこうゆう為に生まれたからってこれは、、、異常っス」




