奪還作戦3
全員が急いで操縦室集まる。
ナタリアは船のシールドを調整している。
ジンは手動運転に切り替えて操縦しているようだ。
「策、ある?」
「まあ無いと死ぬからねえ」
「テュール、もう少し緊張感をもってください」
「どうなさいますの、こんな宇宙空間で破壊されたら全員即死ですわよ」
「そんなこたあ、分かってるよ。ナタリア、説明してくれ」
「了解っス」
ナタリアはホログラムを展開する。
「今、アタシ達がいるのがこの位置で、ゲルロアの船がここっス。窓から見ればすぐ分かると思うんスけど、すぐそこに惑星マカロがあるっス」
ホログラムの図をいじりながらしている説明に、マーガレットが口を挟む。
「惑星に着陸できるなら問題はありませんがこの船でそれまで耐えられますか?」
「そこなんスよね。ジンさんが何とか避けてくれていますがそれでも被弾することはあるのでこちらも攻撃をしないといけないっス」
「この船、武装、ない」
「僕が召喚してあの船を壊せばいいじゃない」
テュールの提案にジンが操縦しながら答える。
「ダメだ危険すぎる」
「そもそもシールドはなぜ減っているのですか。ナタリア、この船の燃料をタキオンで補えるようにしたではありませんか」
「いくらタキオンが無制限でも、エネルギーの生成はラグがあるっス。こんな短いスパンで攻撃を受けてたら補充が間に合わないっスよ」
「ジン、現状テュールの力で解決する以外いい方法はありませんわよ」
マッドが一つ提案をする。
「残りのシールド、テュールに、すべて使う」
それならデメリット無しで船外で活動はできるだろう。
ジンはしばらく悩みに悩んだのち声を出す。
「分かった」
テュールは船外に出ると同時にシールドの膜が身体に覆う。
『あっあっ、テュール聞こえてるっスか?』
「うん」
『その膜は船外での活動をサポートしてくれるっス。攻撃一発はギリ耐えられるっスけどそのシールドが剥がれたらほぼ即死っス』
ある意味、生と死の分かれ目に立っていることを再認識し緊張しながら武器を召喚する。
「カイザーエッジ」
テュールの手に黄金の剣が召喚される。
船内のモニターからそれを見守っていたメンバーは疑問の声を上げる。
「なんで剣ですの」
「えっあいつ剣を召喚したのか」
「何か考えがあるのですよ」
「いやいや、この距離はどう考えても剣じゃ無理っス」
「焦って間違えたのか?」
「テュール、鼻血、出てる」
負荷のでかい武器を召喚した証拠だろう。
直後、その剣を振るう前にゲルロアの攻撃がテュールの顔面に直撃する。
『テュール、大丈夫っスか』
「、、、、あ、ああ」
『シールド残量残りわずかっス、戻るなら今しかないっスよ』
「ふぅ、戻った、、ら、この船は、、、破壊され、、るんでしょ」
頭から血を流しながらなんとかの場に踏ん張る。血が片方の目に入って開けなくなる。
噛みしめて呻き声を出しながら再び立ち上がる。
「ジンに伝えて欲しい、もう少し高めの位置を取って欲しいって」
『了解っス』
船体がゲルロアの船に対して高い位置まで浮上する。
「好き勝手やってくれたね、、、」
黄金の剣を構え、相手の船をしっかりと目に焼き付ける。
(船の位置は十分だね。これなら船体を貫かずにエンジンだけ吹き飛ばせるはず)
攻撃を繰り出す前にこの前雑談していたことを思い出す。
「必殺技は名前を叫ぶのが大事ってナタリアとジンが言ってたよね、、、『皇帝の橋』」
直後、黄金の剣から光がほとばしり相手の船のエンジンを斜め上から貫く。
モニターでその様子を見ていた一同は興奮したように叫ぶ。
「「「「ビーム!!」」」」
「えっ、ビーム撃ったの?俺様も見てえ」
仕事を終えたテュールは船内に帰還する。
マッドが大急ぎで駆け付けて、流血の手当てを始めようとする。
「治す、じっと、してて」
「ごめん、ちょっと寝る。船から出るとき声をかけて」
マッドに抱き着いて寝息をたてはじめる。
慎重に手当てをした後、テュールを部屋まで運んでベッドに寝かせる。




