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レッドアームファミリー/俺たち無法者、なぜか正義の味方やってます  作者:
第一章 知ってる景色と知らない心
12/135

秘密と呪文2

12話です

ふとジンは少年の身体について気になる部分があった。

肌は褐色で、金髪碧眼の美形。唯一違和感があるのは掴んでいる片方の腕だけが肘の先から死人の肌のように青白いという点である。

(別の腕が移植されている?これが古代の()()なのか、、、、)

マーガレットに声をかけられジンはハッとする。

「ジン?その子戸惑っていますわよ。早く服を着せてあげないと」

マーガレットに言われて気づく、目の前の少年が不思議そうに見つめてくる。ジンはすぐに手を放し、マーガレットが代わりに服を少年に渡す。

「誰?」

少年はその場にいた一行に問う。オリヴィアが一歩前に出て答える。

「貴方を助けに来たものですわ。当初より人数は増えてしまいましたけど」

ジンはふと考える。

(当初より増えた、、、確かに当初は俺だけだった、、、なぜ俺だったんだオリヴィア)

疑念が生まれかけるが意識的にかき消す。どうせこの仕事が終わったら関わることはないんだからと思考をいったん中断する。

「ジン!聞こえてますの?」

ジンが顔を向けるとその場にいた全員がこっちを見ている。どうやら考え事をしていて聞こえていなかったようだ。

「どうした?」

「もう、しっかりしてください。オリヴィアがここから出る方法をあなたに相談しようとしていたんですよ」

「あーそのことか。実はさっき最初に俺様が機械いじったときがあったろ。あの時に経路は確認済みだ」

「カッコつけてただけじゃないんスか」

ナタリアはまだ不機嫌なようだ。おそらくジンが謝罪しない限りずっと怒っているのだろう。ジンはナタリアのヤジを無視して話しはじめる。

「この施設の隠しエレベーター、まあ中から考えたら普通のエレベーターになるが、それが刑務所の横のパーキングエリアにつながっている。おそらくここで働いている研究者はほかの場所から来ているいわゆる外部の人間だ。つまり今日は運よく休みの日だったからここまで誰にも会わずにこれたわけだ。ここからが問題なのだが、ここで車を盗める確証がないことと、警備員がいない訳がないことだ」

「もし車がなかったらどうしますの?」

「走る!!」

「マッド、そんなことにはなりませんよ」

「いや、なかったら走るしかないんだエリア長」

マーガレットが固まる。

「2キロを乗り物に追い掛け回されながら走り続けるつもりなんですか?」

「まあ無いと決まった訳じゃないんだからそう悲観的になるなって、とりあえずエレベーターまで行こう。遅れが出てる」

一行が歩き始めた時、ジンが思い出したように振り返る。

「なあ、名前なんていうんだ」

少年はしばらくしてから答える

「僕はテュール」

エレベーターから上に上がると警備員はパーキングエリアいなかった。

(なんだこの違和感は、警備員もいない、施設は運よく休み?んなわけない、、、オリヴィア、お前いったい誰から情報を仕入れたんだ)

「車!!!」

マッドが車に駆け寄る。他のメンツもその後をついていく。

「おいテュール、お前は何ができるんだ。その腕で、、、であってるか?腕が特殊なのは見たらわかるんだが」

「分からないけど分かる。感覚で分かる。できることが」

「なんだよそれ、マッドはお前の事を強いと言っていた。ぶっつけ本番になるが戦うときは惜しみなく頼るからな」

「人使いが悪いって言うんじゃないのかそういうの」

「人使いが荒いだ。知識が絶妙だなテュールは」

マーガレットとオリヴィアが歩きながら文句を言う。

「私は最初嬢ちゃんと呼ばれてましたのに何故テュールの名前はそのまま呼ぶのですか」

「私もエリア長と度々呼ばれます」

ジンは耳をほじりながら誤魔化す。

「早く乗り込め、運転は俺様がする」

運転したいと騒ぐナタリアとマッドを横目にジンは乗り込む。

「さっさと乗り込まないと、、、」

ジンが話そうとした瞬間、二つ横の車が爆発する。

一行が西に目を向けると数十台の武装船がこちらに向かっている。すでに射程圏内ではあるようで二発目のミサイルが飛んできている。

「あれはなんだ」

その場に立っているテュールにミサイルが直撃仕掛ける。

マーガレットが盾を召喚してその一撃を耐え抜き、テュールをつかんで車に飛び乗る。

「早く出してください!!!」

ジンはアクセルを限界まで踏み込んで東に向かって加速する。

読んでくれて感謝してもしきれないねええええ!

楽しんでいただければ嬉しいです

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