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LEVEL5 〜超能力を巡る戦いの記録〜  作者: 更待クロム
第1章:政府革命編
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第21話:新たな情報

萌黄が生きていた!


大歓声の中、施設内に転移した萌黄と俺は顔を見合わせる。


「萌黄、生きていてくれてありがとう!」


「一希こそ、元気そうでよかったわ」


俺達は硬い握手を交わす。


「萌黄、...」


「わかってる。後でみんなに説明するわ。藤黄君、葵ちゃん、心配かけてごめんね」


「本当ですよ。もう...会えないと思っていましたから」


「...よかった」


2人とも半泣きしていた。


「一希、ところで宗一はどこにいるの?」


「宗一は、...病室で寝たきりだ。かなり無理をしたみたいだからその反動だと思う。...たぶん」



俺達は病室へ向かう。


「目が覚めないのはかなり心配ね」


「そうだな。なんとかして宗一を目覚めさせないと」


病室のドアを開ける。


俺が寝ていたベッドの隣、1番端にあるベッドで寝ていた宗一は、


...何故かベッドから体を起こしてご飯を食べている。


隣に座っていた朽葉さんはこちらを見ると驚きで固まってしまっていた。


そして、...



「カラン」


宗一は持っていたスプーンを落としてしまった。


「萌黄ちゃん!!︎」


宗一は萌黄に駆け寄り抱きついた。


「生きてて、良かった!本当に、本当に、良かったッ!」


宗一はそう言うとそのまま泣き崩れてしまった。


「私もとても嬉しいです。詳しい事は後で聞きましょう」


「朽葉さん。ありがとうございます」


萌黄は宗一を引き剥がす。


「心配してくれてありがとう。私は、生きてるわよ」


「宗一、お前こそもう起きないかと心配したよ」


「そうなのか。...俺こそみんなに迷惑かけていたみたいだな。ごめん。

...俺はたくさん人を殺してしまった。もう、ここにはいられない。


俺、テミスを抜ける事にするよ」


それを聞いた萌黄が宗一の目を見る。



「抜ける事は私が許さない」


宗一は驚く。


「堂々とするのよ。宗一は悪くない。それはみんなが知っている事だわ。

一希達を、守ろうとした結果でしょう?


そうやって逃げていると、...本当に悪者になってしまうわよ!」


涙を流して話す萌黄に宗一はうろたえる。


「宗一、俺を生かしてくれた恩人はお前だ。それに俺の考え方を変えたのもお前だ。


達也を殺した金青に復讐するつもりだった俺も、普通の学校生活を送る中で宗一や凛の笑顔を見てこの平和な時間を守りたいと思ったんだ。

一緒に戦う事になるとは思っていなかったけどな。

宗一がいなかったら月城さんの考え方にも賛同できなかったかもしれない。本当に感謝してるんだ。


それに、お前だって凛に戻ってきて欲しいんだろ?

サルスという脅威が存在する今、人間同士で争っている場合じゃない。


特審と和解する。

俺達の闘いはここからだろ?」


「一希、...2人ともありがとう。逃げたらダメだよな。まだこれからだよな。...」


再び宗一の目が潤む。


「2人のおかげで勇気が出た。俺も、一緒に闘うよ」


「...なら良かったよ。

宗一のSOPに何があったのか気になるけど、詳しい事は後で会議で説明して欲しい。

萌黄と、朽葉さんもそれで大丈夫ですよね?」


「そのつもりよ」


「はい、大丈夫ですよ。」



数時間後、俺達は会議室に足を踏み入れた。


「それでは今回も報告会を始めます。まず最初に涼風さん、どうぞ」


萌黄は朽葉さんからマイクを受け取る。


「はあっ!?...アイツ、死んだって聞いてたけど...」


健人が目を丸くする。


「涼風萌黄です。今回は私がどうやって生還したのかを説明したいと思います。


生成圭太の攻撃を受け、私は消し飛んだはずでした。

しかし目を覚ますと私は何故か病院のベッドの上で寝ていたのです。


誰が、何故、一体どうやって私を助けたのか私には分かりません。

ただ、ベッドの傍らには私の家族の形見であるモデルガンと刀が置かれていました。

そして、一緒に置かれていた一枚の紙に何か書かれている事に私は気づきました。

その紙にはこう書かれていました。


《あなたの落とし物です。私はあなた達をどうこうするつもりはありませんが、やむを得ない場合、あなた達に危害を加えるかも知れません。

和解の成功を願っています》」


月城さんがうなずく。


「向こうも、一枚岩ではないらしいな」


さらに萌黄は驚くべき発言をする。


「私はこの字体に見覚えがありました。


...姫乃美空先生。

私を含む2年4組、その副担任の先生です」


...なるほど。


凛が特審側ならそこまで仕組まれていても不思議ではないか。


なら、もしかすると黒鳶先生も?


「武器が見られても大丈夫なのかわからなかったので、窓から急いで帰ってきました。以上です」


「マジかよ」


宗一が思わず声に出す。


...だから入院着のままだったのか。



「次に海棠さん、どうぞ。」


朽葉さんからマイクを受け取った宗一が話し出す。


「海棠宗一です。俺はみなさんに隠していたことがあります。


...俺の持つSOPは筋力を向上させる能力ではありません。

物理学で使うような、『力』を生み出し、操る能力です」


それって...強くね!?︎


「でも俺はこのSOPを完全に制御する事はできません。

力を加える場所、力の向き、力の大きさを完璧に制御できて初めて思い通りに扱う事ができるからです。


それに、...友達を、怖がらせたくなかったというのも理由の一つです」


「...そう、だったのか」


「本来出せる力ではないので負荷がかかるのですが、

殴る直前に自分の腕に『力』を加えて戦っていました。


ですがあの時、俺は激しい怒りに支配されていました。

そして何故か、完璧に『力』を制御できたんです。


...特審の隊員の頭にかかる気圧を弱めると同時に内側からの圧力を上げました。

その結果、隊員達の頭は破裂しました。


...レボルさん、テミスの方針を破ってしまってすみませんでした」


月城さんは口を開く。


「許そう。だが、これからもこの方針が変わる事は無い。その事を全員、よく覚えておきなさい」


「「はい!」」


「ありがとうございます」


「最後に、私からも報告があります」


...なんだろう。

「前回の会議の時、私の得たSOPについて報告していませんでした。

今回はその報告をしようと思います」


そう言えばそうだったな。


「見たほうが早いと思うので実際にやってみます」


そう言うと朽葉さんはデスクに一台の小さなロボットを置いた。


朽葉さんはイスに座ると、そのまま寝てしまった。


一発芸か?


俺が困惑していると突然ロボットが起動した。


目を模したパーツが光り、音声が流れる。


《聞こえていますか?朽葉です。これが私のSOPです》


ロボットがそう言うと首と腕を模したパーツが動く。


「意識をロボットに移したのか」


《その通りです。ただし、例えば音声を流す機能が備わっていないと話すことができません。音をキャッチする機能も必要です。

本来ロボットができない事はできないのです。


その代わり、勿論自分で考えられますし、電気も必要ありません。

壊れても作り直せばいいので私も戦闘のサポートをする事ができます》


ロボットについた目のライトが消え、朽葉さんがイスから立ち上がった。


「なるほどな。朽葉が使う戦闘特化型ロボットを作らせよう。それともお前が作るか?」


「はい!是非とも私自身に作らせてください!」


朽葉さんってロボットを作れるんだ。知らなかった。


これにて報告会は終了。俺達はそれぞれ考えを巡らせながら、会議室を後にした。

ここまで読んでいただきありがとうございます。次回の投稿は8月31日の19:30です。

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