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崖っぷち聖女、拾ったショタ魔王がくっっさモフモフだったので、ついついお持ち帰りしてしまいました!?  作者: 向夏夜なくの
二章 日常と邪悪魔法

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第32話 vs勇者

マグノリアはマオの指示で、出禁になったはずの『CLUB地下労働』へ先陣を切って入店した。


「さあ勇者、出て来なさい!」


入店早々に啖呵を切ったマグノリア。彼女がまず最初にしなけばならないのは、無関係なお客さんをどうにかすること。


勇者とドンパチするにはお客さんが邪魔だ。そのため追い出して欲しいという思いでマオは指示を出したのだが、その意図はマグノリアには全く伝わっていなかった。


「喰らいなさい!魔王覇気!」


彼女の毛穴という毛穴がカッ(ぴら)き、掃き溜めを煮詰めたような臭気(♀)がお客達に襲いかかる。


「う゛うっ!」

「たすけ……バタッ」

「ま、マグノリア聖女……? バタッ」


何の罪もない民が次々と倒れていく。


「これが正義の為に必要な犠牲というやつね……」


いや、外へ出るように案内していれば犠牲は出なかった。


「ゲホッ。これはくっせ〜ですね〜」


全員が気を失ったかと思いきや、まだ一人だけ立っている人物が居た。――女勇者だ。


彼女は『物理攻撃無効』『魔法攻撃無効』『精神攻撃耐性』『モフモフ大好き』のスキルを持っているため、強烈に臭い程度では気を失うことは無い。


ただし、確かに鼻は曲がっていた。


「Oh〜、マグノリア〜。あなたは全身ワキガだったのですか? ワキガ神に愛された聖女だったのですか〜?」

「バカ言いなさい、私の神はマオ君だけなんだから! マオ君一神教よ!」


女勇者とマグノリアが言いたい放題に言い合っていると、後からアガサが消臭魔法『ファブ◯ーズ』をかけながら入店してきた。


「おいっ、マグノリアッ! 部外者は追い出せってマオ君が言っただろ! なんで全滅してるんだ!」

「えっっ?? アガサが早く帰りたいかと思って」


これは完全に嘘。何も考えず覇気っただけで、完全に後付けした理由である。


「ああクソッ!まあ過去のことは良い。早く終わらせるぞ」


そう言ったアガサは、無詠唱で邪悪魔法の一種である即死魔法『アブラ・魔死魔死(マシマシ)』を発動。


その油ギッシュな魔法はマグノリアのすぐ横を掠めるように通過すると、女勇者にもろに直撃した!


「わぁ〜お。即死魔法ですか。無駄無駄、軟弱すぎま〜す」

「アガサやめて、即死魔法が袖に掠ってる! 覇気で倒れた人も散らばってて危ないわ!」

「射線上に入るな、マグノリア! それに文句は死んでから言え」


あっさりと即死魔法を無効化した勇者は、亜空間から魔剣を取り出した。


それを見たマオは確信する。


「やっぱりじゃ!勇者は魔剣に囚われておる!」

「マオ君、そんな事を言っても即死魔法で倒せないのよ! どうやったら倒せるの?」

「大丈夫じゃ、作戦通りに行くのじゃ!」


話をしている間にも、女勇者はマグノリアに斬りかかる!


「臭ぇので死んでくださ〜い!」


途轍もなくヤバいオーラを放つ魔剣の剣閃が、コマ送りに見える。剣先が少しずつ自身近づいてくるのを感じながら死を確信した。その時。


――!!


極太の光がこれまたマグノリアの横スレスレを通って勇者に直撃した。――シャーリーの神聖魔法だ。


「マグノちゃん!大丈夫?」

「遅いじゃない! 四、五回は死んだと思ったわ! それで勇者は倒れたの?」


流石の勇者であっても、シャーリーの極太神聖魔法が直撃すればひとたまりもない。そのため、魔剣でその攻撃をひたすら受け続けていた。


あまりダメージは与えられてはいないが、防ぐのに精一杯で身動きは出来ていない。


そして、ここはビルの中。もし神聖魔法を受け流してしまったらビルが大破することは間違いない。それに床には、魔王覇気で倒れたお客さんも散らばっている。


勇者が取れる行動は、シャーリーの神聖魔法が途切れるまで受け続ける以外に無かった。


「貴方達は本当に聖女なのですか!? このままでは一般人を巻き込んでしまいま〜す! まるで魔王のような策ですね~」


勇者にどう思われようがどうでも良い。聖女達は我こそが勇者を倒して、後でしこたまマオにモフらせて貰うことしか考えていない。


だからこそシャーリーとアガサは必死で、高火力の魔法を放ち続ける。


「マグノリアよ、勇者の言など聞いている暇はない!今じゃ!行くのじゃ!」

「分かったわ!」


マグノリアはここ数日、ある邪悪魔法の練習を行なっていた。


その魔法というのは周りの邪悪を吸い取り、玉状にしてぶつけるというものである。言うなれば、元気玉の邪悪バージョン。


「邪悪玉よ! みんなの邪悪を私に分けて頂戴!」


床に散らばる一般人達から黒いモヤがスルスルと漏れ出て、マグノリアの作り出した小さな邪悪玉に吸収された。


それだけでは無い。アガサ、シャーリー、マグノリア、マオからは一般人とは比較にならない邪悪なオーラが放出されている。


しかし、それすら遥かに凌駕する邪悪が勇者と魔剣から放たれ、玉に取り込まれていく。


――ズズ、ズズズ、、ググググググ!


みるみる大きくなっていく邪悪玉。


『CLUB地下労働』の天井は見るも無惨に崩れ去り、降ってくる物は全てブラックホールのようなマグノリアの邪悪玉に吸い込まれていく。


「ふぅ〜〜!! 魔法って気持ちいいわね!まるでシャーリーになった気分」

「マグノちゃん、それを早く勇者にぶつけて! 私とアガサではもう勇者を抑え込めない!」

「ちょ、ちょっと、待って下さい!」


まさに邪悪玉を放とうとしたその時、女勇者からストップがかけられた。


実は、膨大な邪悪成分をマグノリアに吸い取られた女勇者は、既にすっかり邪が抜けていたのだ。


魔剣によって乗っ取られていた精神が、正常に戻ったのである。


邪が抜けた勇者は人を斬ったりしないし、闇金を経営したりもしない。「〜」を用いる変な口調でも無くなった。


「私、魔剣に囚われていたようです……。もう悪いことはしないので攻撃をやめてください!」

「皆、攻撃やめるのじゃ!」


これにてマオの勝ち。同時に、両者に戦う理由はもう無くなった。


マオの一言でシャーリーとアガサは攻撃の手を止める。だが、マグノリアはそうもいかない。


「マオ君、この玉はどうすればいいの?」


邪悪玉はやすやすと消せるものでは無い。


このまま放置すれば近い内に大爆発を起こすため、何処かにぶつけなければならない。だが間違いなく死人が出る。


「うむ、マグノリアよ。我に向かって投げるのじゃ」

「マオ君、本気なの!?」

「本気じゃぞ。我を信じるのじゃ」

「無理よ、出来ないわ! マオ君にこんな激ヤバの玉を当てるなんて……」

「そうかの。仕方あるまい、我の方から当たりに行くのじゃ!」

「やめて、マオ君。来ないでーー!」

「「マオ君やめて!!」」


聖女達の必死の制止も虚しく、マオは自ら邪悪玉に飛び込んだ。

◯作者コメント


総力戦を一話で消化しました笑

(全体的に展開早いですが、、笑)


マグノリアは神聖魔法を使うのではなく、邪悪魔法で邪を吸収するタイプの聖女だったのです!


戦いはマオ軍の勝ちで終わりましたがヤバい邪悪玉の置き土産が、、

マオ君の運命やいかに!?


次回最終話です!

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